Roonのジャンル・タグ表示を整える|インポート設定・Mp3tag・Discogs連携の使い分け

この記事は、Roonの全体像を解説する「Roonとは?仕組み・Roon Ready・始め方・使い方を解説」の関連記事です。

RoonのジャンルとTagを管理する

Roonの自動タグ付けは優秀ですが、使い込むほどに「自分の分類と違うジャンルが追加される」「表記がばらついてくる」といった問題が出てきます。

この記事では、Roonのインポート設定、Mp3tagで管理すべきタグの整理、Discogs連携の活用法を順に説明します。

目次

Roonのインポート設定:ファイルとRoonのどちらを優先するか

タグ編集を始める前に、Roonに「どの情報を優先させるか」を設定しておく必要があります。自分で管理したいタグはファイル側を優先し、自分では入力しにくいクレジット情報はRoonに任せる、という方針が基本です。

インポート設定を開く

  1. Roonアプリで「設定(Settings)」→「ライブラリ(Library)」→「インポート設定(Import Settings)」を開きます。
  2. 「メタデータ設定(Metadata preferences for tracks)」の項目が、各タグ情報の優先順位を決める場所です。
Import Settings

推奨設定:「ファイル優先」と「Roon任せ」の使い分け

「ファイル(Prefer File)」を強く推奨する項目

ジャンル (Genre) 自分の分類ルールを最優先させるため、必ず「ファイル」に設定します。

VERSIONタグなど、独自に追加するカスタムタグ

「ファイル(Prefer File)」を推奨する項目

アルバムタイトルアーティスト名リリース日レーベルカタログ番号など。Discogs連携で所有している盤の正確な情報を取得するため、Roonによる自動修正を防ぐ意味でもファイル優先が安全です。

録音エンジニアなどのクレジット情報はどうなるか

「ファイル優先にすると、Roonが自動付与するクレジット情報がなくなるのでは」と思われるかもしれませんが、そうではありません。録音エンジニア、プロデューサー、参加ミュージシャンといった詳細なクレジット情報は、インポート設定とは別のレイヤーでRoonが自動付与します。

ファイル優先で設定した正確なアルバム情報を土台にRoonが正しくアルバムを識別し、その上にRoon自身のデータベースからクレジット情報を追加表示する仕組みです。自分のタグ管理とRoonの自動情報付与は両立します。

Mp3tagとRoonのタグ対応表と推奨する管理方針

どのタグがRoonのどこに表示されるか、どこまで自動取得できるかを整理します。

スクロールできます
Mp3tagでのタグ名Roon上での表示・役割Discogs自動取得推奨する管理方針
GENREジャンル○ 可能手動で編集・階層化する。Discogsの情報は参考にしつつ、自分のルールを最優先。
VERSIONバージョン(アルバム名の横)× 不可手動で入力必須。「[SHM-CD]」など、盤種やリマスター情報を入力する。
YEARリリース日◎ 可能Discogsで取得後、手動で確認・修正。その盤が発売された年。
ORIGYEARオリジナルリリース日○ 取得できる場合ありDiscogsで取得後、手動で確認・修正。最初にそのアルバムが世に出た年。
LABELレーベル◎ 可能Discogsで取得後、表記揺れを統一。「Universal Music」と「Universal」などを揃える。
PUBLISHER(Roonではほぼ参照されない)○ 可能LABELタグに統一することを推奨。
CATALOGNUMBERカタログ番号◎ 可能Discogsで取得。基本的には修正不要。
ALBUMARTISTアルバムアーティスト◎ 可能Discogsで取得。コンピレーション盤などで必須。
ARTISTアーティスト◎ 可能Discogsで取得。基本的には修正不要。
COMPOSER作曲家○ 可能Discogsで取得後、表記揺れを統一。
CONDUCTOR指揮者○ 可能Discogsで取得後、表記揺れを統一。
ORCHESTRAオーケストラ○ 可能Discogsで取得後、表記揺れを統一。

基本的な考え方

  1. Discogsで基本情報を自動取得し、入力の手間を省く。
  2. Discogsの情報が不正確、または自分のルールと違う部分(GENRELABELの表記揺れなど)を手動で修正・統一する。
  3. Discogsでは取得できない情報(VERSIONなど)を手動で追加する。

混乱しやすい3つのタグペアを整理する

タグ管理で特に混乱しやすい3つの組み合わせについて、違いと推奨する使い方を説明します。

ARTISTALBUMARTIST:アルバムの代表者は誰か

  • ARTIST:そのトラックを演奏しているアーティストを指します。
  • ALBUMARTIST:そのアルバム全体を代表するアーティストを指します。

通常のアルバムARTISTALBUMARTISTも同じアーティスト名で問題ありません。

コンピレーションアルバムの場合:各トラックのARTISTにはそれぞれの演奏者を入れ、全トラックのALBUMARTISTには共通で「Various Artists」と入力します。これにより、Roonが一枚のコンピレーションアルバムとして正しく認識します。

フィーチャリングの場合ARTISTに「Artist A feat. Artist B」、ALBUMARTISTには「Artist A」と入力するのが一般的です。

LABELPUBLISHER:Roonが参照するのはLABEL

RoonにおいてはLABELタグに情報を統一するのが正解です。

  • LABEL:Blue Note、Deccaなど、いわゆるレコードレーベルの名称です。Roonがアルバム情報として表示し、クリックして探索できるのはこちらです。
  • PUBLISHER:楽曲の著作権を管理する会社を指し、一般のリスナーがライブラリ管理に使うことは稀です。

Discogsから情報を取得した際にPUBLISHERタグにもレーベル名が入ることがありますが、Roonはここを基本的に参照しません。Mp3tagでLABELタグに正しいレーベル名を入力し、PUBLISHERタグは空にするか削除することを勧めます。

YEARORIGYEAR:リリース年とオリジナル年の使い分け

  • YEAR:そのメディアがリリースされた年を入力します。1980年のアルバムの2024年リマスター盤であれば「2024」と入れます。
  • ORIGYEAR:そのアルバムが最初にリリースされた年を入力します。上記の例では「1980」と入れます。

Roonはこれらを解釈し、アルバム画面に「オリジナルリリース日」と「リリース日」として分けて表示します。この2つを正確に入力しておくことで、ライブラリのソートが正しく機能します。

Mp3tagとDiscogs連携でタグ入力を効率化する

Apple Music連携とDiscogs連携の違い

Mp3tagはApple Music(iTunes Store)のデータベースにも連携できますが、Roonのライブラリ管理という目的ではDiscogsの利用を勧めます。

Apple Music連携:メジャーなアルバムの基本的なタグを素早く取得するのに向いています。ただし、取得できるのは「代表的なバージョン」の情報です。

Discogs連携:世界中のユーザーが登録したリリースごとの情報が蓄積されており、「日本盤初回プレス」「2024年リマスターSACD」といった特定の盤種まで正確に特定できます。録音エンジニアや参加ミュージシャンといった詳細なクレジット情報も豊富です。

手軽さを取るならApple Music、盤ごとの正確な情報を求めるならDiscogsという使い分けになります。

Discogs連携の具体的な手順

Mp3tagのインストールから、Discogs連携の設定方法・操作手順については、こちらの記事で解説しています。

Discogsでは取得できない、手動で入力すべきタグ

VERSIONタグ:リマスターや盤種を区別する

「SHM-CD盤」なのか「2024年リマスター版」なのかといった違いは、Discogsの情報だけではRoon上で明確に区別できません。Mp3tagでVERSIONタグを新規に作成し、「[2024 Remaster]」「[SHM-CD]」「[SACD]」といった情報を手動で入力します。Roonのアルバム画面でフォーマットと並んでこの情報が表示され、識別が容易になります。

なお、Roonにはアルバム名に付加した情報をバージョンとして自動認識する機能もあります(設定:「インポート設定」→「アルバムタイトルからバージョン情報を抽出する」)。アルバム名の末尾に[]()で囲った文字がある場合に自動でバージョン情報として読み込まれます。ただし、副題など意図しない括弧がバージョンとして誤認識されることがあるため、専用のVERSIONタグに入力する方法の方が正確です。

バージョン表記
アルバム名の後ろに[SHM-CD]と表記することで、Version欄にもSHM-CDが表記されています

GENREタグの管理:ノイズの排除と階層化

知らないジャンルが増える原因

RoonはファイルのGENREタグだけでなく、STYLEタグも読み込み、両者をまとめて「ジャンル」として表示します。Discogsから情報を取得した際に、意図せずSTYLEタグに「Pop Rock」などの情報が書き込まれ、それがRoonに表示されるのが「知らないジャンルが増える」主な原因です。

画像
Discogsのデータベースを利用していると、STYLEタグの情報も拾っています

Mp3tagでSTYLEタグの情報を確認し、不要であれば削除するか、自分のルールに合わせてGENREタグに統一します。

画像
不要であれば、STYLEタグにあるBaroqueを消去します

ジャンルの階層化とマッピング

Mp3tagで階層化する方法GENREタグに「Rock \\ Hard Rock」のように2つのバックスラッシュ(\)で区切って入力します。

Roonのジャンルマッピング機能:「設定(Settings)」→「ライブラリ(Library)」→「ジャンルマッピング(Edit genre mappings)」から、既存のジャンルの親子関係を設定できます。「Hard Rock」と「Heavy Metal」を「Rock」という親ジャンルの下にまとめる、といった整理が可能です。

ジャンルマッピングの実例

「設定(Settings)」→「ライブラリ(Library)」→「ジャンルマッピング(Edit genre mappings)」を開きます。

画像

例として、Baroqueのカテゴリを変更します。右端のペンマークをタップします。

画像
BaroqueはClassicalの子カテゴリと分かります。
画像
検索窓から"baroque"と検索すると、Genresに該当のBaroqueが出てきます。
画像
Play nowの右隣にあるアイコンをタップすると、Editボタンが出ます。
画像
Editから親階層を決めることができます。
画像
Make top-level genreを選ぶと親階層にできます。
画像
ジャンル一覧にBaroqueが表示されました。

逆に、ジャンル一覧には表示したくないものを子カテゴリに移して非表示にすることもできます。

クラシックの「WORK・PART」タグについて

クラシック音楽のライブラリでは、WORK(作品名)とPART(楽章)を正確にタグ付けすることで、Roonが同じ作品の異なる演奏をまとめて表示できるようになります。詳細はこちらで解説しています。

あわせて読みたい
RoonでクラシックのWORK・PARTタグを整理する|MusicBrainzを使った設定方法 Roonでクラシック音楽の作品・楽章をまとめて表示するには、WORK/PARTタグの整備が必要です。MusicBrainzを基準にしたタグ付けの考え方と、Mp3tagでの具体的な入力手順を解説しています。

まとめ

タグ管理は手間に見えますが、Discogs連携による自動取得と手動編集を使い分けることで、作業量は想定より少なく済みます。整ったライブラリは、録音エンジニアやカバー曲を辿るRoonの横のつながり機能も活きてきます。

Roonの仕組みや導入方法など、基本から使い方まではこちらでまとめています。

あわせて読みたい
Roonとは?仕組み・Roon Ready・始め方・使い方を解説 Roonとは何か、Roon Ready・Roon Testedの違い、Serverの選び方、TIDAL・Qobuzとの連携、ARC、DSP機能まで。導入前に知りたい情報をまとめています。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次