Roonの優れた楽曲管理能力とその使い方を紹介。楽曲から録音エンジニアつながり、カバー作品を調べたり、再生履歴の趣向からおすすめ音源の提示など。
別記事にて、タグ情報について掘り下げてみました。
音楽ファンのための究極の再生ソフト - Roonについて
音楽再生ソフトとしてRoonをメインで使っています。
海外のソフトということもあり、細かな使いこなし情報が少ない気がします。
今回は、Roonが多くの音楽再生ソフトとは違う特別な理由、優れた楽曲管理能力についてと、その使いこなし方を紹介します。
膨大な音楽データを持っている方、TidalやQubozを使用している方には最高のソフトです。
Tidalの導入の仕方は別ページで紹介しています。
この記事は、Roon 1.8 (Build 903)を前提としています。
Roonはコアと呼ばれる処理をするPCが必要です。
WindowsやMACなどでも運用できますが、私はSynologyのDS720+で運用しています。
NASで運用するメリットは、PCの立ち上げが不要で24時間運用できることです。
事前準備
ストリーミングサービスとの連動、音源のマウント、オーディオ機器のセッティングが終わった前提で進めます。
アートワークの表示
Roonは全てを管理する1つのコアに対して、コントローラーはWIN/MACのPCの他、タブレット、スマホなど各種用意されています。
今回はWindowsをコントローラーとして使用します。メニューは英語のままにしています。日本語だと違和感があるため。
Settings → General
画面に表示できるアルバムの大きさを2段階で変更できます。
好みでよいと思います。大きいディスプレイには画像を大きく、小さい画面では小さい設定にしています。
各コントローラー毎に変更できます。
また、スマホは設定できません。
デフォルト
個人的にはもう1段階小さくしたいですが。
タグ情報の表示方法
自分でつけたタグと、Roon側のタグどちらを優先させるか決めます。
こだわりを持ってタグ管理をしている方は自分ルールにしたいでしょうし、適当な人はRoonに丸投げが良いでしょう。
私はもちろん自前タグ優先です。
Mp3tagを使ったタグ編集の仕方を紹介しています。自分でタグを管理したい方にお勧めのソフトです。
Settings → Library → Import Ssettings
UPnP再生の場合は、ジャンルで並び変えて選曲する場合が多いですが、Roonの場合は自分でタグ付けしたジャンル以外に余計なものがくっ付いてきます。
上のチェックがRoonから、下のチェックが自分のタグ情報からジャンルの情報を抽出すると読めますが、実際には下のチェックを入れていても、タグ情報には無いジャンルが付加されてしまいます。
Roonの場合、フォルダから特定の音源にアクセスはできないため、アルバムをソートする際に、アーティスト、アルバムと同じくらいジャンルというカテゴリは重要なので、この辺は残念です。
Metadata Preferences
ここは分かりやすいので省略
Album Version settings
いわゆる名盤系で、いろいろな仕様の再発があるとか、通常CDとXRCDバージョンとか、仕様の違いを表示することができます。
アルバム名の中に[]とか()で注釈を入れると、それがフォーマットと一緒に併記される仕組みです。
Roonを使う前はLuminのアプリを愛用していましたが、Luminの場合、アルバム名が長い場合は真ん中を省略して最初と最後を表示する仕組みです。
そのため、重要な情報、ハイレゾ96/24やDSD128などの情報はアルバム名の最後に記載するようにしていました。
例)Gaucho DSD64
こうすると、同一作品の異なるフォーマットの区別がしやすくなります。
Roonの場合、フォーマットはデフォルトで表示させることができるので、便利です。
合わせてリマスター作品や特定のレーベルのライブ録音など、従来の作品と区別できるようにアルバム名に併記していました。
例)Mahler: Symphony No. 9 [Esoteric]
エソテリック盤はアートワークが違うので、そのままでも分かりますが。
アルバム名に付加した[Esoteric]や[Universal]が表示されているのが分かるでしょうか。アルバム一覧の時もこのタグ情報は表示されるので意外と便利です。
レーベルでソートする
昔から特定のレーベルのCD、LPをそろえるのが癖でした。
作品によっては型番で覚えてることもあります。
CREDITS → Labelをタップします。
レーベル一覧として表示されます。
レーベルのソートは、自分のライブラリ限定です。(TidalやQobuzのお気に入り含む)
また、大文字小文字や、スペースあるなしも別のレーベルとして認識されますので、タグ付け時にルールの統一は必須です。
エンジニアでソートする
これはRoonの醍醐味の1つです。
さすがにタグ情報として録音エンジニアを入れている人はいないでしょう。
何気なく気に入った録音の作品が見つかった時に、エンジニアは誰だろう?とか、他の作品は何があるのかな?
といった横のつながりを提示してくれます。
これはロックバンドのギタリストだったり、色々なソートが可能です。
このソートは、自前の音源に加えて、TidalやQobuzの音源も含めて提示されます。
この点が、Roonにストリーミングサービスが加わる最大の強みです。
任意の作品を選び、クレジットを表示させる
バランスエンジニアの、Erdo Grootをタップしてみます。
手持ちの音源に加えて、ストリーミングサービスから手掛けた作品を提示してくれます。
同一曲の他者演奏(カバー作品含む)を調べる
これも便利な機能の1つです。
好きなピアノ作品の別の演奏者を見つけたり、この曲のオリジナルは誰だったかな?とか同一曲を違うアーティストが演奏しているものを簡単に調べることができます。
この機能は、自分内ライブラリと、ストリーミング内両方検索可能です。
意外とカバーされているRadioheadを使ってみます。
自分のライブラリ内および、ストリーミングサービスも含めた同一曲数が表示されています。
今回はFake Plastic Treesという曲の同一曲を探してみます。
実際にこの曲は、この機能を使って出会いました。
Dream Academyの名曲もカバーしています!
オマケ Roon Radio
これはSpotifyでも近い機能がありますが、自分で選んだ曲が終わった時、今までの再生履歴や、同一作品を再生している人の趣向などを加味して、おすすめの曲をずっと垂れ流す機能です。
BGMとして使う場合に便利です。
現状は、最後の曲に対して同一カテゴリから再生されるイメージです。
例えばずっとピアノ作品とか、女性ヴォーカルとか。
再生曲をリスト表示させると、Radioを使うかどうか選択できます。
また、次に再生する曲が右上に表示されていますので、いやな場合は飛ばすことができます。
機会があれば、オーディオ面でのセッティング方法もゆるく紹介したいと思います。
ファイル再生の入門書としてはこれがおすすめです。
Roonについて まとめ
- Roonとは、音楽ファン向けの究極の音楽再生・管理ソフトウェア
- Roonの使い方:コア(処理を行うPC)とコントローラー(操作用デバイス)の2つの要素で構成
- NASでRoonを運用すると24時間稼働が可能で便利
- アートワークの表示サイズを画面に合わせて調整可能
- タグ情報の表示方法をカスタマイズ可能(自前タグとRoonタグの優先順位設定)
- レーベルでのソート機能により、特定レーベルの音楽を簡単に見つけられる
- エンジニアでのソート機能で、好みの録音エンジニアの作品を探せる
- 同一曲の他者演奏(カバー作品含む)を簡単に検索可能
- Roon Radioは、ユーザーの好みを学習し、おすすめの曲を自動再生
- TidalやQobuzなどのストリーミングサービスと統合可能
- Roon 2.0では、Roon ARC機能により外出先からもローカルライブラリにアクセス可能
- Roonはオーディオ愛好家向けの高音質再生に対応
- 日本語インターフェースにも対応しているが、英語での使用を推奨する声もある
- Roonは、膨大な音楽ライブラリを持つ音楽ファンやオーディオ愛好家に最適な音楽管理・再生ソフトウェアです。高度な楽曲管理能力と豊富な機能により、音楽の新たな楽しみ方を提供します。
コメント
コメント一覧 (7件)
pianoriさま
タグ情報について、別記事にさせていただきました。情報感謝します。
https://eterna825.com/roon-genres
エテルナさま
MP3TagでStyleタグ編集できるのは知りませんでした。情報ありがとうございます!
CD Ripperより断然編集しやすいですね。
おっしゃる通りファイルタグに直接アプローチするのが一番だと思います。
pianori
調べたところ、Mp3Tagで編集できますね。
任意の音源を選択し、タグを編集を押すと、その楽曲のメタデータが表示されます。
その中で、GENRESか、STYLEが該当するようです。
GENREは通常取り扱われるジャンルで、それとは別にGENRESという項目が存在することがあります。
Roonのジャンル一覧で付けた記憶が無いジャンルに関しては、これで潰して行けそうです。
今まではマッピングで振り分けていましたが、根本的な解決はタグ情報自体を管理する方が間違いない気がします。
pianoriさま
なるほど、dB Powerampで編集できるのですね。
最近はリッパーとして使っていませんが、他のリッパーでリッピングしたものや、ダウンロードした音源などでも、自動でStyleタグに情報が入っているものがありますね。
音源情報を拾ってくるときに紐づけされているのだと思います。
少し研究してみます。
エテルナさま
ご返信ありがとうございます。
dB Poweramp CD Ripperはご存じだと思いますが、Styleタグはこのソフトのタグ編集機能 (windowsで右クリック > Edit ID-tags) で編集できます。
しかしこれはMP3Tagのようにたくさんのファイルを読み込んで一括でタグ編集できるようなものではないです。
MP3TagはStyleタグには対応してないようです。
ROONのGenre Mapping機能を活用すればうまくアレンジできそうな気はしています。
pianori
pianoriさま
貴重な情報ありがとうございます。
ちなみに、Styleタグを編集できるソフトは何があるのでしょうか。
リッピングした時に参照しているデータベースから勝手に紐づけされているのかもしれませんね。
時間がある時に少し見てみます。
はじめまして、pianori と申します。
>上のチェックがRoonから、下のチェックが自分のタグ情報からジャンルの情報を抽出すると読めますが、実際には下のチェックを入れていても、タグ情報には無いジャンルが付加されてしまいます。
"タグ情報には無いジャンル" と書いておられるものは、実はファイルタグの Style タグ からのものです。
ROONはファイルタグの Genre と Style の2つのタグを読み取り、それらを一緒くたにジャンルとして表示します。わかりにくいですよね、、、私もつい最近までわかりませんでした。
(以下ナレッジベースより引用)
We know many members have spent significant time grooming the genres embedded in their file's tags, and while Roon imports these genre and style tags into the database automatically, they're not displayed by default. This produces a clean and consistent experience for the majority who do not have clean genre information in their files.