ドイツのオーディオファイル向けレコード会社、Stockfisch-Records(ストックフィシュ・レコーズ)からSACD10枚紹介します。
今回はドイツのStockfisch-Records(ストックフィシュ・レコーズ)です。
1974年創立のドイツのインディ・レーベルで、アコースティック・ギターの作品を中心に、オーディオファイル向けの作品をリリースしています。
地元ということもあり、欧州最大のオーディオショウ、High End Munichのデモ音源として、同レーベルの音源は良く使われています。
Stockfisch Records is a German independent record label, aimed at audiophile fans of guitar-oriented singer-songwriter music and was formed in 1974 by Günter Pauler. Based in Germany, the main focus is European artists, but there are also American musicians working with Stockfisch, some of them expatriates living in Germany.
Stockfisch releases vinyl editions of albums and Direct Stream Digital-recordings released as hybrid Super Audio CDs.
Stockfisch Records - Wikipedia
今でもSACDの比率が多いレーベルです。
過去の廃盤作品も、一部ですがDSD64でダウンロード販売されています。
参考: Stockfisch-Records
レーベル別SACD特集 - Stockfisch-Records編
アコースティック・ギター、ロック作品が中心です。クラシック作品もいくつかあるので紹介します。
Sara K - Hell or High Water-Mehrka
Stockfisch – SFR 357.4039.2
初期はCheskyからのリリースでしたが、晩年はStockfischからいくつかの作品を残しました。このレーベルを代表するアーティストの1人です。
2005年に亡くなった、ギタリスト、クリス・ジョーンズとの最後の録音です。
彼女自身も2009年にミュージシャンとしての活動を引退していますが、クリス・ジョーンズの影響は大きかったと思います。
ライブ盤が一番好きですが、SACDではリリースが無いのでこの作品を紹介します。
Allan Taylor – All Is One
Stockfisch – SFR 357.4078.2
英国のシンガーソングライターです。
Stockfischに多数の作品を残しています。どれも音質は優れていますが、作品として抑揚があまりないというか、単調な印象はあります。
収録曲のSkyという曲は冒頭の低域とか、遥か右上に展開する音場など、オーディオ的には面白い作品です。
Brooke Miller - Familiar
Stockfisch – SFR 357.8076.2
カナダ出身のシンガー・ソングライター。
12歳の時にはパンクバンドのヴォーカルとして活動していたそうです。
全米フィンガースタイル・ギター・チャンピオンシップで2回優勝したDon Ross がサポートしています。
Don Rossは彼女の旦那です。
影響を受けたアーティストとして、次のような名前を出しています。
Leon Redbone, Ricki Lee Jones, Bonnie Raitt, Bruce Cockburn, Ani DiFranco, Joni Mitchell and The Police.
Bassface Swing Trio - Plays Gershwin
Stockfisch – SFR 357.4045.2
ダイレクトカットSACD。
最初良く分かりませんでした。
要約すると、録音はアナログで行われ、そこから信号は3つに分けられます。
レコードの制作はノイマンのカッティングマシン、VMS-80に直接送られます。
CD用のPCM音源、SACD制作用のDSD64音源は、それぞれNEXUS 28-bit (PCM)、emmLabs ADC8 Mk IV(DSD)を用いて無加工で制作されています。
ここでのダイレクトというのは、それぞれのフォーマットで編集が無いという意味合いです。
Direct-Cut SACD
Blue Chamber Quartet - First Impressions
Stockfisch – SFR 357.4046.2
TAS Audiophile Demo Discにもノミネートされた優秀録音。
ブルーチェンバーカルテットは、ヴィブラフォン、ピアノ、ハープ、コントラバスという構成です。もともと、クラシックの分野で活動していた4人が、楽器を演奏する喜びを表現することを目的とし、クラシックのルーツとジャズの要素を融合させた音楽を作りました。
Patrick O'Byrne - Ravel: Miroirs & Gaspard De La Nuit
Stockfisch – SFR 357.4049.2
パトリック・オバーンは、ニュージーランドの主要なピアノ・コンクールで優勝。東京、スペイン、イギリスでも国際コンクールで入賞し、1983年のホセ・イトゥルビ国際コンクールで審査員全員一致の第1位を獲得しています。
現在は大学のピアノ教授として活動しているようです。
他のレーベルでも数枚の録音はあるようですが、この作品しか手元にありません。
Direct-Cut SACD
Gergely Boganyi - Chopin: The Complete Nocturnes
Stockfisch – SFR 357.4051.2-1/2
ゲルゲイ・ボガーニはハンガリー出身のピアニスト。
1996年のフランツ・リスト・ピアノ・コンクールで第1位を受賞。
ピアノ演奏とともに、カーボン複合材を主に使用したプレステージB-262や大型のグランドプレステージB-292などの革新的なピアノ設計者としても知られています。
コンサートグランドピアノ、FAZIOLI(ファツィオリ) F308を使用。
Direct-Cut SACD
The Spirit of Gambo - The Galaxy Recordings
Stockfisch – SFR 357.4042.2
17世紀のヴィオラ・ダ・ガンバのための音楽。ヴァイオリン、チェロとの伴奏による演奏。
録音には、ベルギーのGalaxyスタジオの大きなコンサートホールが使用されました。
スタジオは巨大な鋼鉄のバネで吊り下げられており、3Hzまでの低周波を吸収、外来音は100dB以上減衰する仕様です。
Direct-Cut SACD
V.A. - AYA Authentic Audio Check
Stockfisch – SFR 357.9011.2
AYA (Are You Authentic?) は、クルマで本物の音楽体験を提供することを目的とした会員制の団体です。
テスト信号を含む、オーディオチェック用のデモ音源が豊富に収録されています。
ミュンヘン・ハイエンドショウでも良くかかる、Track4 Percussion-Ensemble - (Improvisation) Tiefbassをはじめとした、オーディオファイルが喜びそうな音源が収録されています。
V.A. - Stockfisch DMM-CD/SACD
Stockfisch – SFR 357.5900.2
同社が新しいフォーマットとして、掲げているDMM-CD/SACDです。
レコードの音を目指したSACDです。
ダイレクト・メタル・マスタリング(DMM)は、通常レコードのカッティングに使われる手法です。
まず、銅の円盤に直接カッティングし、これをマザー盤とします。
(通常のカッティングで使われる、ラッカー盤と、マスター盤を省略。)
ノイマンのカッティングマシン、VMS-82がオリジナルレコードプレーヤーとして使用される。
カッティングを終えたマザー盤は、真空吸着でしっかりと保持されたまま旋盤の上に置かれる。こうすることで、ピックアップスタイラスのトラッキングに影響を与えるような上下左右の動きがないディスクになる。
再生にはBroadcast TONDOSE TSD-15の特別バージョンであるEMT TSD-15ピックアップ、EMT 997ピックアップアームにEMT JPA66が使われ、Meitner EMM LAbs adc 8 MK IVを通じてDSD64信号を作成しています。
他のSACDと比べても、違いは感じることができると思います。
また、ここに収録されている、Track1 Chris Jones - No Sanctuary Hereはオーディオデモの定番ですが、SACDフォーマットで聴くことができる貴重な作品です。
DMM-CD/SACD
以上10枚紹介しました。
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