
「SACDをPCに取り込みたい」と思って調べたものの、対応するリッピングソフトが見つからず困っていませんか?
実は、SACDはCDと違い、PCのドライブとソフトだけではリッピングできません。SACDをリッピングするには、対応した特定のブルーレイプレーヤー(実機)が必要です。
この記事では、SACDリッピングに対応した全機種リストと、機種ごとの具体的な取り込み手順を解説します。リッピングしたデータはDSDファイルとしてPCに保存でき、プレーヤーの生産終了に左右されず音楽を楽しめるようになります。
この記事で分かること
- SACDがPCソフトだけではリッピングできない理由と、必要な機材
- リッピングに対応したブルーレイプレーヤーの全機種リスト
- 機種別の具体的なリッピング手順
SACDはPCソフトだけではリッピングできない
SACDにはPit Signal Processingという独自のコピーガードが施されており、PCのBlu-rayドライブではデータの読み取り自体ができない仕組みになっています。そのため、CDリッピングのようにPCにソフトをインストールするだけでは取り込めません。
では、どうやってリッピングするのかというと、特定のブルーレイプレーヤーのファームウェアを利用し、プレーヤーとPCをネットワーク接続して、データを吸い出す方法を使います。
この方法に対応しているのは、すべて生産終了済みのモデルです。中古市場での入手が前提になりますが、現時点で最も確実かつ安全なSACDリッピングの手段です。
PS3(プレイステーション3)は使えないの?
過去には初期型PS3(ファームウェア3.55以前)を改造してリッピングする方法もありましたが、現在は現実的ではありません。該当する本体の入手が極めて困難で、故障率も高く、改造の手間とリスクに見合いません。
特別な理由がない限り、ブルーレイプレーヤーを中古で入手する方法をおすすめします。
SACDリッピング対応BDプレーヤー 全機種リスト
SACDリッピングに使えるブルーレイプレーヤーの全機種を一覧にまとめました。
すべて生産終了品のため、中古市場での入手が基本です。予算や探しやすさに合わせて最適な一台を見つけてください。
| モデル | 発売年 | 国内流通 | 定価 | AutoRip スクリプト | 中古で探す |
ArcamCDS27 | 2015 | 未発売 | - | A5 | |
ArcamUDP411 | 2015 | 未発売 | - | A5 | |
Azur 752BD | 2013 | OPEN | A5 | ||
CambridgeCXU | 2015 | OPEN | A5 | ||
DenonDBT-3313UD | 2012 | 120,000円 | A3 | Amazon | |
ElectrocompanietEMP 3 | 2013 | 未発売 | - | A5 | |
UD7007 | 2012 | 150,000円 | A3 | Amazon | |
MSBUniversal Media Transport V | 2015 | 950,000円 | A5 | ||
MSBSignature UMT V | 2015 | 1,650,000円 | A5 | ||
BDP-103 | 2012 | OPEN | A5 | Amazon | |
BDP-103D | 2013 | OPEN | A5 | Amazon | |
BDP-105 | 2012 | OPEN | A5 | Amazon | |
BDP-105D | 2013 | OPEN | A5 | Amazon | |
PioneerBDP-80FD | 2014 | 未発売 | - | A4 | |
BDP-160 | 2013 | OPEN | A4 | Amazon | |
PioneerBDP-170 | 2014 | OPEN | A4 | Amazon | |
Pioneer MCS-FS232 | 2014 | 未発売 | - | A3 | |
PioneerBD32 MKII | 2014 | 700,000円 | A5 | ||
BDP-S390 / BDP-BX39 | 2012 | 未発売 | - | A1-neo | |
BDP-S490 | 2012 | 未発売 | - | A1-neo | |
![]() Sony BDP-S590 / BDP-BX59 | 2012 | OPEN | A1-neo | Amazon | |
BDV-E190 | 2012 | 未発売 | - | A1-archaic | |
BDP-S4100 | 2013 | 未発売 | - | A1-neo | |
SonyBDP-S5100 / BDP-BX510 | 2013 | OPEN | A1-neo | Amazon | |
![]() Sony BDP-S790 | 2012 | 未発売 | - | A2-neo | |
SonyBDV-NF720 | 2013 | 未発売 | - | A2-archaic | |
SonyBDP-A6000 | 2013 | 未発売 | - | A2-neo | |
SonyBDP-S6200 / BDP-BX620 | 2014 | OPEN | A3 | Amazon | |
SonyBDP-S7200 | 2014 | 未発売 | - | A3 | |
SonyBDP-S6500 / BDP-BX650 | 2015 | OPEN | A6 | Amazon | |
SonyBDP-6700 * | 2016 | OPEN | A6 / A6-archaic | Amazon | |
UHP-H1 | 2016 | 未発売 | - | A6 / A6-archaic | |
YamahaBD-S677 | 2014 | 未発売 | - | A4 |
迷ったらコレ!中古で探せるおすすめの3台
どの機種を選べば良いか迷ったら、国内で比較的入手しやすく、情報も多いこの3台から検討してみてください。
Pioneer - BDP-160
最初にリッピング対応機種として話題になった製品です。情報が多くトラブル対応がしやすいため、入門に最適。後継機のBDP-170より中古価格も落ち着いています。
Sony - BDP-S6200
パイオニアと比べて中古の流通量が多く、価格も手頃な場合が多い一台です。
DENON - DBT-3313UD
オーディオメーカーらしい物量が投入されたモデル。リッピングデータの音質にまでこだわりたい方におすすめです。
SACDリッピングの具体的な手順と必要なもの
対応プレーヤーを入手したら、以下の手順でリッピングを行います。
準備するもの
- SACDリッピングに対応したBDプレーヤー
- PC(Windows, Mac, Linux)
- USBメモリ
- プレーヤーとPCを接続するためのLANケーブル (Wi-Fiでもできます)
PC側の事前準備
FAT32でフォーマットし、短いラベル名にする
ブルーレイプレーヤーの設定
- プレーヤーをネットワークに接続し、IPアドレスを確認してメモします(後で使います)。
- 設定で「クイックスタート」をON、「自動再生」はOFFにします。
以下はモデルによって操作方法が異なります。
A1neo & A2neo
- プレーヤーの電源を入れ、USBフラッシュドライブを挿入。
- トレイが自動的に開きます。
- 10秒以内にディスクをトレイに置く。
- プレーヤーは特別なモードになり、フロントパネルに「OFF」または「LOAD」と表示されます。
- ISOリッピングが開始され、ディスクの回転音とUSBフラッシュドライブのLEDが点灯します。
- リッピングが終了すると、ディスクは排出されます。
- 電源を切ります。
A3 & A6
- SONYプレーヤーはSLEEP MODE(=電源を切る)で、
DENON、MARANTZ、PIONEERプレーヤーはONのままにし(=AWAKE MODE)、USBメモリーを挿入する - トレイが自動的に開きます。
- 10秒以内にディスクをトレイに置くと、トレイは自動で閉じます。
- ISOリッピングが開始されます。ディスクの回転音とUSBフラッシュドライブのLEDの動作を確認してください。
- リッピングが終わり次第、ディスクが取り出されます。
A4 & A5
- プレーヤーの電源を入れ、USBフラッシュドライブを挿入します。
- トレイが自動的に開きます。
- 10秒以内にディスクをトレイに置く。
- ISOリッピングが開始されます。ディスクの回転音とUSBフラッシュドライブのLEDの動作を確認してください。
- リッピングが終わり次第、ディスクが取り出されます。
A1-archaic、A2-archaic、A6-archaic
「クイック起動」オプション[=スリープモード]がない、またはIRコマンドを無視するモデル
- トレイが自動で開きます(スロットインドライブはガラガラというノイズを出すだけです)。
- ディスクを10秒以内にトレイの上に置くと、トレイは自動で閉じる(スロットドライブメカニズムの場合は、空のイジェクトを試みるガラガラ音が聞こえたらすぐにディスクをスライドさせてください)。
- ディスクが認識されるまで待ち、STOPボタンの直後にPLAYボタンを押す。
- プレーヤーの電源を入れ、USBフラッシュドライブを挿入します。
- プレーヤーのオンスクリーンディスプレイメニューからSACDチャンネル出力設定(2CH <-> MultiCH)を変更します(30秒以内)。
- ディスクの回転音とUSBメモリーのLEDの点灯を確認してください。
- リッピングが終わり次第、ディスクが取り出されます。
リッピングの実行
CドライブにSACDというフォルダーを作ると仮定します。
先ほどのフォルダーにsacd_extractをダウンロードし、解凍します。
解凍したsacd_extract.exeファイルを保存。
参考: https://www.videohelp.com/software/sacd-extract
事前準備で作成したフォルダーに移動。
Cドライブに「sacd」という作業用フォルダを作成した場合を例に、コマンドプロンプトで下記のように入力します。
cd C:\sacd 次に、フォルダー内のsacd_extract.exeを起動します。
.\sacd_extract -i 192.168.x.xx:2002 -P -I192.168.x.xxはブルーレイプレーヤーのIPアドレスです
デフォルトではISOファイルで保管されますが、下記コマンドを追加することでDSFのステレオで保存するなど、設定を変更できます。
Usage: sacd_extract [options] [outfile]
-2, --2ch-tracks : Export two channel tracks (default)
-m, --mch-tracks : Export multi-channel tracks
-e, --output-dsdiff-em : output as Philips DSDIFF (Edit Master) file
-p, --output-dsdiff : output as Philips DSDIFF file
-s, --output-dsf : output as Sony DSF file
-I, --output-iso : output as RAW ISO
-c, --convert-dst : convert DST to DSD
-C, --export-cue : Export a CUE Sheet
-i, --input[=FILE] : set source and determine if "iso" image,
device or server (ex. -i192.168.1.10:2002)
-P, --print : display disc and track information
作成したフォルダー内(Cドライブのsacd)にISOファイルが保存されます。
macOS / Linuxの場合もsacd_extractのバイナリをターミナルから同様に実行できます。コマンドの書式はWindows版と基本的に同じです。
リッピング後の作業
リッピングで作成されたISOファイルは、DSDファイルに変換して再生するのが便利です。
以下の記事を参考に、再生しやすいDSFファイルへの変換や、タグ情報の編集を行ってください。
SACD ISOからDSFファイルへの変換

DSFファイルのタグ編集

まとめ
SACDのリッピングはPCソフト単体では不可能ですが、対応するブルーレイプレーヤーを使えば、大切な音源をDSDファイルとしてPCに取り込めます。
対応機種はすべて生産終了品のため、中古での入手が前提です。まずは比較的探しやすいPioneer BDP-160やSony BDP-S6200あたりから探してみてはいかがでしょうか。
SACDの世界はまだまだ奥深く、他のレーベルにも素晴らしいディスクが数多く存在します。 以下の完全ガイドで、その世界のさらなる魅力に触れてみてください。

Roon
SACD

Cambridge
Denon
Electrocompaniet
MSB
MSB
Pioneer
Pioneer
Pioneer
Sony
Sony
Sony
Sony
Sony
Sony
Sony
Yamaha
