今回は、アメリカの高音質レーベル、Living Presenceの名前でも有名なMercury(マーキュリー)編です。
これらの作品は当然レコードがオリジナルです。
オリジナルの米盤は素晴らしい音質ですが、現在ミント盤を入手するのは非常に困難です。
SACDも多くは廃盤ですが、まだ入手しやすい作品も多くあります。
SACDは3トラック・テープから制作されていて、ステレオ以外にオリジナルの3chも収録されています。
私はステレオ環境しかないのでマルチでは聴けません。
レーベル別SACD特集 - mercury(マーキュリー)編
DECCAやEMIが複数の優秀なエンジニアを抱えていたのに対して、マーキュリーは1つのチームで録音制作を行っていました。絶対的なタイトル数は少ないですが、おしなべて優秀録音です。
マーキュリー・レコード(Mercury Records)は、1945年にアメリカ合衆国イリノイ州シカゴで設立されたレコード会社である。設立当初はインディーズとしてスタートし、1961年以後はメジャー・レーベルの子会社となった。マーキュリー、ポリドールは、ポリグラムの傘下となった。レコード業界の合併による巨大企業グループ化の流れで、ユニバーサル ミュージック グループの傘下にあり、イギリスに形式上の本部を置く。アメリカでは、名称とロゴはバック・カタログとリイシューにのみ使われている。
参考: マーキュリー・レコード – Wikipedia
作品数、アーティスト数が少ないため10枚選ぶのは、苦労しました。
Byron Janis - Mussorgsky: Pictures at an Exhibition
Mercury – 475 6620
このレーベルでは欠かせないピアニスト、バイロン・ジャニスによる展覧会の絵です。
ピアノソロと、ドラティ指揮、ミネアポリス交響楽団によるオーケストラ版を収録しています。
お勧めはピアノバージョン。弱音の表現が素晴らしいです。
Byron Janis - Rachmaninov: Piano Concertos Nos. 2 & 3
Mercury – 470 639-2
ラフマニノフのピアノ協奏曲、特に2番と3番は定番ですので無数に録音がありますが、レコード時代を代表する優秀録音の1つ。特に3番がお勧めです。
Janos Starker - Bach: Suites for Solo Cello
Mercury – 470 644-2
これも定番のシュタルケル、チェロ無伴奏です。2枚組。
SACDでもカラッとした切れ味のある録音です。
通常盤CDとは音の厚みがまったく違います。
Janos Starker - Dvorak: Cello Concerto, Bruch: Kol Nidrei, Tchaikovsky: Variations on a Rococo Theme
Mercury – 475 6608
もう1枚シュタルケルの作品を。
ドラティ指揮、ドヴォルザークのチェロ協奏曲。
鮮度の高い音でありながら、うるさくなるギリギリのところでうまく録音されています。
Frederick Fennell - Screamers
Mercury – 475 6619
フレデリック・フェネル指揮、イーストマン・ウィンド・アンサンブルによる、サーカス・マーチ名曲集。
このジャンルは、子供のころを想起してしまい、録音に意識が行きずらいですが、優秀録音の1つです。
Howard Hanson - Hanson: Symphony No. 1 Nordic, No. 2 Romantic, Song of Democracy
Mercury – 475 6181
ハワード・ハンソンによる、自作、自演。
交響曲2曲を収録しています。ジョン・ウィリアムズの先駆けのような、映画音楽っぽい曲です。
Antal Dorati - Tchaikovsky: The Nutcracker, Serenade
Mercury – 475 6623
ドラティ、ロンドン響による、くるみ割り人形。
その後、フィリップスで再録もしています。
軽快でテンポのよい演奏。
Antal Dorati - Enesco: Roumanian Rhapsody No. 1, Liszt: Hungarian Rhapsodies Nos. 1 - 6
Mercury – 475 6185
こちらも、ドラティ、ロンドン響による作品。エネスコのルーマニア狂詩曲第1番、リストのハンガリー狂詩曲集。
RCAのストコフスキーによる優秀録音盤もありますが、ドラティの方が作品として完成度が高いと思います。
Paul Paray - Chabrier: Espana, Suite Pastorale, Fete Polonaise, Overture Gwendoline, Danse Slave & Roussel: Suite in F
Mercury – 475 6183
ポール・パレー、デトロイト交響楽団によるシャブリエ集。
音色の豊富さ、色彩感あふれる優雅な作品。
Paul Paray - Berlioz; Symphonie Fantastique
Mercury – 475 6622
こちらも、ポール・パレー、デトロイト交響楽団。
無数にある幻想交響曲の中でも代表的な優秀録音の1つ。
以上10枚紹介しました。