
CDを生み出し、SACDを生み出したレーベル、Philips(フィリップス)。ソニーとともにDSDフォーマットを共同開発した、まさにSACDの本家本元です。
フィリップスにはDSD録音とPCM録音の両方のSACDがあります。比べてみると、柔らかく自然なDSD、メリハリがありオーディオ的なPCMという違いは感じます。SACD化しても元の録音フォーマットの違いは残ります。
Philips(フィリップス)とは
1950年、オランダでクラシック音楽のレコードレーベルとして設立されました。
ソニーとともにCDの規格策定を行い、1982年に世界初のCDプレーヤーを発売した企業としても知られています。その両社が再びタッグを組んで生み出したのがSACDとDSDフォーマットでした。1999年のSACD登場にあたっては、フィリップスの録音センター(バールン)がDSDと5.1chサラウンドの録音技術開発の中心的な役割を果たしています。
レーベルとしてはブレンデル、内田光子、ムローヴァ、ゲルギエフなど多くの名演奏家の録音を残しました。
1998年にユニバーサル傘下となり、2007年にクラシック部門がデッカに吸収。2009年にはPhilipsロゴがすべてDeccaに置き換わりました。ただし、バールンの録音センターは元スタッフがPolyhymnia International(録音・マスタリング会社)とPentatone Records(SACD専門レーベル)として独立し、フィリップスのDSD録音の伝統は現在も受け継がれています。
Philips おすすめSACD 10選
Alfred Brendel - Mozart: Piano Sonatas K281, 282 & 576
Philips – 475 6199

ブレンデル晩年の録音。技巧的にもかなり高い水準だと思いますし、フィリップスの柔らかいサウンドとブレンデルのピアノは相性が良いと感じます。
DSD録音
Mitsuko Uchida - Schubert: Piano Sonata in E Major, D568 & 6 Moments Musicaux, D780
Philips – 470 603-2

「死ぬ時にはシューベルトを弾いていたい」と語る内田光子による、シューベルト生誕200年を祝した2001年録音。穏やかで丁寧な演奏です。
DSD録音
Akiko Suwanai - Poem
Philips – 475 6189

個人的にはもう少し熱いほうが好きですが、フランス作品ということもあり、これが王道の演奏なのかもしれません。
かなり高い技巧だと思いますが、何か印象に残らない感じがあります。
DSD録音
Andrea Bocelli - Sentimento
Philips – 470 620-2

アンドレア・ボチェッリはクラシック以外でも活動をしていて、サラ・ブライトマンとの「Time to Say Goodbye」での共演は有名です。
個人的にマゼールはデッカのイメージしかありません。フィリップスに残したSACDはこれだけだと思います。
PCM48kHz/24bit録音
Viktoria Mullova - Beethoven & Mendelssohn: Violin Concertos
Philips – 470 629-2

メンデルスゾーンは同じフィリップスからネヴィル・マリナー指揮でもリリースされています。個人的にはマリナー指揮のほうが好きな演奏ですが、録音水準はどちらも高いです。
ムローヴァのSACDはこれ1枚だけだと思います。
DSD録音
Valery Gergiev - Rimsky-Korsakov: Scheherazade
Philips – 470 618-2

ゲルギエフはフィリップスに多くのSACDを残しています。
中でもこのシェエラザードは冒頭の音が出た瞬間から圧倒的なエネルギー感で捻じ伏せられます。
PCM48kHz/24bit録音
Seiji Ozawa - New Year's Concert 2002
Philips – 470 615-2

2002年のニューイヤーコンサート。ウィーンフィル、ウィーン楽友協会でのライブ録音です。
ポピュラーな楽曲が多くて分かりやすいのと、会場の雰囲気もよく伝わる華やかな演奏。
PCM48kHz/24bit録音
Jaap van Zweden - Beethoven Complete Symphonies
Philips – 476 028-2

5枚組の全集です。
ズヴェーデンはオランダの指揮者ですが、フィリップスに残したSACDはこれだけかもしれません。EXTONにはたくさんの録音を残しています。
DSD録音
Ivan Fischer - Dvorak: Symphonies Nos. 8 & 9
Philips – 464 640-2

最新のハイレゾ録音と比べると少し丸いというか、クリアな感じはありませんが、自然な空間表現でDSDの良さがよく表れています。
ドヴォルザークの8番、9番は数えきれないほどのリリースがありますが、その中でも上位に入る名盤です。Channel Classicsからジャケ違いの同内容が再販されています。
DSD録音
Ivan Fischer - Budapest Live
Philips – SACD-138

非売品です。どのような経緯で制作されたものなのか知りません。中古では割と見かけます。
多くの作品を残しているイヴァン・フィッシャー&ブダペスト祝祭管弦楽団のオムニバス盤。入手性が良ければ最初の1枚に紹介したいところですが…。
DSD録音
以上10枚紹介しました。
SACDの世界はまだまだ奥深く、他のレーベルにも素晴らしいディスクが数多く存在します。 以下の完全ガイドで、その世界のさらなる魅力に触れてみてください。

Roon
SACD
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