SACDフォーマットの本家本元、Philips(フィリップス)のおすすめSACDを10枚紹介します。
SACDが誕生して20年以上経過しています。
多くのメジャーレーベルはSACDのリリースを辞めています。
新譜でSACDをリリースしているのは、インディーレーベルが中心です。
現状は新譜よりも、過去のリマスター作品のSACD化の方が多いかもしれません。
SACDより上位のフォーマット、DSD256やDXD録音は珍しくありませんし、ディスクプレーヤーの生産数が少なくなっている現状で、SACDというパッケージメディアにこだわる必要はほとんどありません。
ただし、過去にリリースされたSACDは無数にありますので、その中から主要なレーベルの作品を10枚ずつ紹介していきます。
レーベル別SACD特集 - Philips(フィリップス)編
最初は、SACDの本家本元の1つ、フィリップスです。
現在DSD録音を行っているインディーレーベルのいくつかは、ここから派生したスタッフが興した会社もあります。
フィリップスは98年にはユニバーサル傘下に、2007年にはクラシック部門はデッカの傘下、2009年にはPHILIPSロゴの表示が全てDECCAに置き換わりました。
参考: フィリップス・レコード – Wikipedia
フィリップスでもDSD録音とPCM録音の作品があります。
比べてみると、柔らかく自然なDSD、メリハリがありオーディオ的なPCMという感じはします。
SACD(DSD)化した場合でも元の録音の違いは感じます。
Alfred Brendel - Mozart: Piano Sonatas K281, 282 & 576
Philips – 475 6199
ブレンデル晩年の録音。
技巧的にもかなり高い水準だと思いますし、個人的にフィリップスの柔らかいサウンドとブレンデルのピアノは相性が良いと感じます。
DSD録音
Mitsuko Uchida - Schubert: Piano Sonata in E Major, D568 & 6 Moments Musicaux, D780
Philips – 470 603-2
「死ぬ時にはシューベルトを弾いていたい」と語る内田光子がシューベルト生誕200年を祝した2001年録音。
穏やかで丁寧な演奏。
DSD録音
Akiko Suwanai - Poem
Philips – 475 6189
個人的にはもう少し熱い方が好きですが、フランス作品ということもあり、これが王道の演奏なのかもしれません。
かなり高い技巧だと思いますが、何か印象に残らない感じがあります。
DSD録音
Andrea Bocelli - Sentimento
Philips – 470 620-2
アンドレア・ボチェッリはクラシック以外でも活動をしていて、サラ・ブライトマンとのTime to Say Goodbyeでの共演は有名ですね。個人的にマゼールはデッカのイメージしかありません。フィリップスに残したSACDはこれだけだと思います。す。
PCM48kHz/24bit録音
Viktoria Mullova - Beethoven & Mendelssohn: Violin Concertos
Philips – 470 629-2
メンデルスゾーンは同じフィリップスからネヴィル・マリナー指揮でもリリースされています。個人的にはマリナー指揮のほうが好きな演奏ですが、録音水準はどちらも高いです。
ムローヴァのSACDはこれ1枚だけだと思います。
DSD録音
Valery Gergiev - Rimsky-Korsakov: Scheherazade
Philips – 470 618-2
ゲルギエフはフィリップスに多くのSACDを残しています。
中でもこのシェエラザードは冒頭の音が出た瞬間から圧倒的なエネルギー感で捻じ伏せられます。
PCM48kHz/24bit録音
Seiji Ozawa - New Year’s Concert 2002
Philips – 470 615-2
2002年のニューイヤーコンサート。ウィーンフィル、ウィーン楽友協会でのライブ録音。
ポピュラーな楽品が多くて分かりやすいのと、会場の雰囲気も良く伝わる華やかな演奏。
PCM48kHz/24bit録音
Jaap van Zweden - Beethoven Complete Symphonies
Philips – 476 028-2
5枚組の全集です。
ズヴェーデンはオランダの指揮者ですが、フィリップスに残したSACDはこれだけかもしれません。
EXTONにはたくさんの録音を残しています。
DSD録音
Ivan Fischer - Dvorak: Symphonies Nos. 8 & 9
Philips – 464 640-2
最新のハイレゾ録音と比べると少し丸いというか、クリアーな感じはありませんが、自然な空間表現でDSDの良さが良く表れています。
ドヴォルザークの8番、9番は数えきれないほどのリリースがあると思いますが、その中でも上位に入る名盤です。
当作品は、Channel Classicsからジャケ違いの同じ内容が再販されています。
DSD録音
Ivan Fischer - Budapest Live
Philips – SACD-138
非売品です。
どのような経緯で制作されたものなのか知りません。中古では割と見かける作品です。
多くの作品を残しているイヴァン・フィッシャー&ブダペスト祝祭管弦楽団のオムニバス盤。入手性が良ければ最初の1枚に紹介したいところですが…。
DSD録音
以上10枚紹介しました。
第2弾はグラムフォン特集です。
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