UpTone Audio - EtherREGEN

導入してから時間が経ってしまい、当時の印象が曖昧になっていますがスイッチングハブを入れ替えました。
EtherREGEN

それまでは、Silent Angel N8を使っていました。

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Silent Angel N8:オーディオ向け 次世代ネットワークスイッチ Silent Angel N8は、オーディオファン向けの高品質ネットワークスイッチです。Thunder Data社が開発し、8ポートのギガビットイーサネット、高品位なクロック、低ノイズ設計、オプションの外部電源などの特徴を持ちます。標準的なスイッチと比べて音質向上が期待でき、高音質を追求するオーディオファンにおすすめします。

Silent Angel N8は特に不満もなく、価格上位のDELAのS100と比較したときも、N8の方が普通に良かったですし、倍近いOEMモデルには筐体以外の違いが見いだせず触手は動きませんでした。

EtherREGEN所有者のオーディオルームで聴く機会があったこと、製品コンセプトと技術的背景などに共感して購入しました。

本国サイトから購入しました。
今のところ10Mクロックを導入する予定はないですが、注文時にインピーダンスは50Ω指定しました。
(75Ω出力の10Mクロックで良い製品を知らないため)

目次

UpTone Audio EtherREGEN

製品特徴

EtherREGEN 技術背景
主な特徴は下記のとおり

  • ノイズに対する徹底的な対策
  • 10Mクロック入力あり
  • Aサイドはギガビットで4つのRJ45端子、1つのSFPポートあり
  • アース端子あり
  • Bサイドは1つのRJ45端子、こちらはAサイドとは電気的に絶縁、プレーヤー用として100M設計

Back to technical features:

EtherREGEN has two isolated data/power/clock domains. Each isolated domain is re-clocked using 10GHz-capable ultra-low-jitter (less than 0.8 picoseconds) differential flip-flops.

The clocking system runs from an advanced, programmable, jitter-attenuating clock synthesizer with four differential outputs. It is referenced to an ultra-low-jitter/phase-noise Crystek CCHD-575 oscillator. Importantly, the clock distribution system (for the switch chip, the special Ethernet format conversion chips, and the high-speed flip-flops) is run differentially throughout. Special conversion buffers are positioned just millimeters from chips that require single-ended clocks.

Even the magnetics of the four Gigabit ‘A’-side ports are special. We chose an RJ45 module that utilizes 12 transformer cores in each port (most Ethernet ports have 2~6 cores), and ground their center-taps through capacitors in a way that blocks port-to-port AC leakage currents.

To support its performance, the power networks of the EtherREGEN are as sophisticated and costly as the rest of the design. We use 12 of the world’s lowest-noise, lowest-impedance integrated voltage regulators—the famous Linear Technology LT3045 and LT3042. Supporting both the voltage regulators and the data chips are 195 low-inductance, X7R and X5R capacitors sized and selected by their derating curves.

The EtherREGEN incorporates two newly introduced Ethernet transceiver chips—one on each side of the ADIM™. These advanced chips were very new at the time of design; UpTone was among the first OEM manufacturers in the world to engineer a product using them.

The main processor is an advanced, flexible, and fully managed switch processor—with integrated high quality PHYs and support for all current IEEE network protocols.

参考: EtherREGEN

SFPポートも付いているので、マスターデータを保存しているPCにSFPのカードでも刺してみようかとも思いましたが、同社ではSFPは全く推奨していません。

いわく、コストが大して変わらないので付けた。
SFP端子のあるルーターを持っている人はともかく、このために新規で光ケーブルを引っ張る必要はないと言っています。

もともと完全なガルバニックアイソレーションができている、EtherREGENには光絶縁をするメリットが無いということのようです。

接続構成

メーカーでは、通常のスイッチと、オーディオプレーヤーの間にEtherREGENの接続を推奨しています。

私が知人宅で聴いたのもこの方法で、オーディオ用スイッチで定評のあるテレガードナーのM12 SWITCH IE GOLDからプレーヤー直と、EtherREGEN経由での比較でした。
明らかにEtherREGEN経由の方がノイズレスで滑らかな印象を受けました。

私は別のスイッチを使っていません。

現在の構成

Aポート

  • 下記3系統(いずれもLANアイソレーター経由)
  • 無線LAN子機(NEC WG1200CR)
  • Roon Coreおよび音源の保管庫(Synology DS720+)
  • マスターデーターを保存しているPC(自作 WIN10)

Bポート

  • ラズパイI2S DAC

Aポートとは完全にガルバニックアイソレーションできていることから、BポートのLANアイソレーターは撤去しました。

ここだけ100M 4芯タイプのイーサネットケーブルを使用しています。
オーディオメーカーだと、Crystal CableやSiltechが4芯タイプとして有名です。

実際に音もかなり良かったですが、予算的に導入できず…。

今世の中に売っているケーブルの99%はカテゴリ5e以上のギガビット対応、8芯のケーブルです。100M 4芯のケーブルはかなりレアですが、スリーエムで売っているのを発見してとりあえずそれを使っています。余計な通信をしない、低ノイズというメリットはあると思います。

手持ちの中途半端なオーディオ用イーサネットケーブル(カテゴリ7)よりは良かったです。
参考: 3M™ 産業用イーサネットケーブルアッセンブリ

また、電源はとりあえずエーワイ電子のアナログ電源、12Vにしました。
思うことがあって、スイッチングに変えるかもしれません。

アース端子について

Bポート側にアース端子が付いていますが、このアース端子はA端子側と導通があります。
Bポートはガルバニックアイソレーションされていて、アースは導通されません。

A端子側のケーブルには全てLANアイソレーターを繋いでいるので、このグランド端子にアースを落としてもアイソレーターで遮断されるため繋いでいません。

発熱について

本国のフォーラムでも話題になっていますが、とにかく熱くなります。

使用しているすべてのオーディオ機器で一番熱いです。
いちおう、基板上の発熱が均一になるように設計しているので、熱は持つが心配ないという公式発表を信じて、24時間365日動かしています。
いまのところノートラブルです。

クロックについて

インターナルで使用しています。
外部クロック入力はデフォルトだと75Ωになりますが、注文時に50Ωも指定できます。

今は未使用なので、気持ち的に終端プラグを付けています。
入力に使う意味があるのか分かりませんが、聴感上は少し良くなったのでそのまま付けています。

下記製品を付けています。

設計者によるホワイトペーパーを紹介しておきます。

これはネットワークオーディオというよりもデジタルオーディオを行う上でとても面白い内容です。
参考: UpTone-J.Swenson_EtherREGEN_white_paper(PDF)

2022/05/21 追記 外部クロックを導入しました。

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【意訳】John Swensonによるマスタークロックの論文 Uptone AudioのJohn Swenson氏のマスタークロックに関する論文の意訳。正弦波と矩形波、インピーダンス、ケーブル、フィルターについての考え方

音質傾向

それまで使っていたSilent Angelや某所で比較したテレガートナー M12 GOLD SWITCHと比べると、雑味が無く滑らかで静かという印象です。

Silent Angelも名前の通り、ノイズ対策にこだわった製品でSNは高いと思いますが、表現がより丁寧になりました。

M12 GOLD SWITCHは、厚化粧でやや演出が入るので、その音作りに共感できるかが大きいと思います。

音色の好みは触れませんが、M12 GOLD SWITCHとプレーヤーの間にEtherREGENをつなげても、キメが細かいなめらなか音になりました。
この変化を体験して、購入に踏み切りました。

メインのプレーヤーがギガビット必須の機器でなければ、お勧めです。

UpTone Audio EtherREGEN まとめ

UpTone Audio - EtherREGEN
画像
総合評価
( 4.5 )
メリット
  • 徹底的なノイズ対策により、高音質を実現
  • 10MHzクロック入力に対応し、さらなる音質向上の可能性
  • Aサイドはギガビット対応のRJ45端子x4、SFPポートを搭載、柔軟な接続が可能
  • Bサイドは100MのRJ45端子x1、ガルバニックアイソレーション済みで、オーディオプレーヤー専用
  • 高品質な部品を使用(LT3045/LT3042電圧レギュレーター、Crystek CCHD-575オシレーターなど)
  • 最新のイーサネットトランシーバーチップを採用
  • 外部クロック入力のインピーダンスを50Ωか75Ωから選択可能
  • 電源とクロックのアップグレードにより、さらなる性能向上の余地あり
デメリット
  • 発熱が多いため、設置場所に注意が必要
  • 日本の代理店がないため、本国からの直接購入が必要
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