10MHzマスタークロックジェネレーターおすすめ6選|50万円以下を徹底比較

10M Master Clock

マスタークロックの効果や「なぜクロックで音が変わるのか」という技術的な仕組みについては、以下の記事で論文をベースに詳しく解説しています。

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本記事では「実際にどのモデルを選ぶべきか」に集中します。対象は、外部10MHzクロック入力を持つDACやネットワークプレーヤーをお使いで、50万円以下で最適な一台を探している方です。この記事を読めば、ご自身のシステムと予算に合った候補を2〜3台に絞り込めるようになります。

大前提 ー お使いの機器に「外部クロック入力」はありますか?

この記事で紹介するマスタークロックジェネレーターは、お使いのDACやネットワークプレーヤー、CDプレーヤーなどに「10MHz外部クロック入力端子」(通常はBNC端子)がなければ使用できません。

全てのデジタル機器に内蔵クロックはありますが、外部からのクロックを受け入れる機能は、ある程度以上のグレードの製品に限られます。購入を検討する前に、まずはお使いの機器の背面や仕様書を確認してください。

目次

10MHzマスタークロックの選び方【3つの着眼点】

クロック自体の精度や安定性は当然重要ですが、ここでは同じ価格帯の製品を比較する際のポイントとして、「出力波形」「発振器」「インピーダンス」の3つの着眼点を解説します。

出力波形(正弦波 と 矩形波)

  • 正弦波 (サイン波)
    高周波ノイズが少ないクリーンな波形です。一つの有効な手法として、比較的安価な正弦波クロックと、Mini-Circuits社のバンドパスフィルター「BLP-10.7+」のような外部フィルターを組み合わせる方法があります。これにより、低コストで高い効果を期待できます。
  • 矩形波 (スクエア波)
    信号の立ち上がりがシャープな波形です。伝送には高品質なケーブルと、受け手側(DAC等)の高い性能が求められますが、理想的な条件下では最高の性能を発揮します。

なお、正弦波と矩形波のより詳細な技術的背景や、ノイズへの影響(位相ノイズ)については、以下の記事で詳しく解説しています。

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発振器(水晶発振器 OCXOが現代の主流)

オーディオの音質に直接影響するのは、ジッターや位相ノイズといった「短期安定度」です。この点で、現代では高品質な「水晶発振器(OCXO)」が主流となっており、本記事で紹介するモデルもすべてOCXOを採用しています。

かつて最高級クロックの代名詞であったルビジウム発振器は、長期的な周波数のズレなさでは水晶を圧倒しますが、音質に最も重要な短期安定度では最高品質のOCXOに及ばない場合があることや、寿命の問題から、現在のオーディオ用クロックでは採用例が少なくなっています。

インピーダンスと接続端子(50Ω/75Ω, BNC/SMA)

お使いのDAC等が要求するインピーダンス(50Ωまたは75Ω)と、クロックの出力を合わせることが重要です。特に矩形波の場合は、厳密に合わせる必要があります。接続には一般的にBNC端子が使われますが、より高周波特性に優れるSMA端子を採用するハイエンド機もあります。

おすすめ10MHzマスタークロック|厳選6モデル比較

主要モデル スペック比較表

スクロールできます
SMSL G1SMSL
G1
画像NMODE
X-CL3MKII

画像TEAC
CG-10M-X
画像
MUTEC
REF10 nano
画像SOULNOTE
X3
ref10MUTEC
REF10
税込定価78,500円176,000円220,000円OPEN
実勢価格 約28.6万円
385,000円OPEN
実勢価格 約45.6万円
クロックOCXO
(SCカット)
OCXOOCXOOCXOOCXOOCXO
精度周波数精度 ±3ppb非公表周波数精度
+/-0.1ppm
周波数精度
< ± 0.01 ppm
非公表周波数精度
< ± 0.01 ppm
波形矩形波矩形波正弦波矩形波矩形波矩形波
出力50Ω/75Ω切替 BNC×450Ω BNC x450Ω BNC x450Ω BNC x2
75Ω BNC x2
50Ω SMA x150Ω BNC x2
75Ω BNC x6
出力レベル3.3Vpp5.0Vpp0.5Vrms2 Vpp1.0Vpp2 Vpp
サイズ mmW200 × H47.9 × D186mmW420 × H73 × D260W290 × H84.5 × D248.7W198 × H44 × D300W430 × H111 × D376W198 × H88 × D300
電源内蔵+外部DC対応アダプター内蔵内蔵内蔵内蔵
備考SCカットOCXO、位相ノイズ -105dBc/Hz @1Hz44.1~768KHzの周波数出力も可能アナログメーターで発振安定状態を表示15V DC外部電源を使用可能SCカット超低位相雑音OCXOを採用-166dB 以下というノイズフロアを実現
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10MHz マスタークロックジェネレーター比較表

選択肢の一つとしてのガレージ製品

私は、手頃な正弦波のクロックを入手し、フィルターを通して使う方式を採用しています。

購入したのは、中古のOCXO「Morion MV89A」を搭載したガレージメーカー製の製品で、これにMini-Circuits社のバンドパスフィルター「BLP-10.7+」を組み合わせています。クロックの性能は電源の質にも大きく左右されるため、電源周りも強化しています。

SMSL - G1 定価 78,500円(税込)

矩形波
中国のオーディオブランドSMSLが初めて投入した10MHzマスタークロックです。通信グレードのSCカットOCXOを搭載し、1Hz時の位相ノイズ-105dBc/Hzという数値を公表しています。50Ω/75Ωの切替に対応したBNC出力を4系統備え、内蔵のトロイダルトランスリニア電源に加えて外部DC電源にも対応。この価格帯では突出した充実度です。

SMSL - G1
画像
総合評価
( 3.5 )
メリット
  • おすすめの用途:10万円以下で本格的な外部クロックを導入したい場合。SMSLのDAC(D200など)との組み合わせにも最適。
デメリット
  • 導入時の考慮点:出力は矩形波のみ。正弦波を試したい場合はTEAC CG-10M-Xなどを検討してください。また発売間もない製品のため、長期的な評価はこれからです。

CDの音質がこうも異なるとは。低域のウッドベースがぐんと深くなり、高域のドラム金属音が静かになった。チャンネルデバイダーの設定がかなり変わった。

引用元: Amazon

NMODE - X-CL3MKII 定価 176,000円 (税込)

矩形波
1bitアンプで知られるNMODEの多機能クロックです。10MHz出力に加え、DDSで分周した44.1kHz〜768kHzのワードクロックも出力可能。外部からさらに高品位な10MHzを入力することもできる拡張性の高さが特徴です。波形は矩形波です。

NMODE - X-CL3MKII
画像
総合評価
( 4 )
メリット
  • おすすめの用途:複数のデジタル機器を同期させたい場合。将来的に、より上位のクロックを追加するステップアップも視野に入れているシステム。
デメリット
  • 導入時の考慮点:多機能な分、設定項目も多くなります。10MHz出力に特化したモデルと比較すると、やや複雑に感じる可能性があります。

外部クロックは対応製品が限られるのと、情報が少ない為微妙に敷居が高いですが、やってみると効果が実感できるためハマります。ネットでは色んな表現を見ますが、個人的には音の分離が進むのに一体感が損なわれない、という感想を持っています。

引用元: 価格コム

X-CL3MKⅡ単体での音の評価は出来ないので、クロックを送る相手機器CDプレーヤー(K-03X)との総合評価になります。
X-CL3MKⅡのクロックをK-03Xに送ると、K-03Xは本来の音質を保ちながら、表現力が向上しナチュラルな雰囲気で定位感も良くなります。
各楽器の微妙なニュアンスが聴き取れ、今までのK-03Xよりも生々しく、リアル感が増しました。

引用元: 価格コム

TEAC - CG-10M-X 定価 242,000円 (税込)

正弦波
Esotericの技術を受け継ぐ、TEACのロングセラーシリーズの最新作。国産大手ならではの信頼性と安定した性能が魅力。出力は50ΩのBNC端子4系統で、波形は正弦波です。アナログメーターで発振器の安定状態を確認できるのもユニークです。

国産大手でまともなネットワークプレーヤーを出しているのは、ティアック位だと思います。
前モデルより出力バッファーアンプ回路、電源回路などの細部を リファインし、更なる高音質を追求。

TEAC - CG-10M-X
画像
総合評価
( 3.5 )
メリット
  • おすすめの用途:安心して長く使える製品を求める場合。Esotericブランドの技術思想に魅力を感じるシステム。
デメリット
  • 導入時の考慮点:位相雑音性能に疑問 (数値を公表していない)。

MUTEC - REF10 nano オープンプライス / 実勢価格 約28.6万円

矩形波
プロ用機器で評価の高いドイツのMUTEC社による、人気モデルREF10の小型版です。電源を外部アダプター式にすることで価格を抑えつつ、中核となるOCXOは上位機譲りの高品質なものを採用。出力は50Ωと75Ωを各2系統備え、波形は矩形波です。

Mutec - REF10 Nano
画像
総合評価
( 4.5 )
メリット
  • おすすめの用途:省スペースで本格的な音質向上を目指す場合。50Ωと75Ωの両方の出力が必要なシステム。
デメリット
  • 導入時の考慮点:電源は外部アダプター式のため、より高品位なDC電源へのアップグレードで、さらなる音質向上が期待できます。

前に使っていたNmode(X-CL3MKⅡ)よりもノイズレベル(1Hz)が16db+αは改善されるので購入しましたが、使用初期では顕著な差(効果)は感じられませんでした。
その後、2ヶ月程を経過し、わずかながら音質の改善効果がみられます。
ACアダプターも使用可能で、IfiのiPOWER ELITE(変換アダプターを使用)を試しましたが、通常電源との差をあまり感じませんでした。
しかし、2ヶ月経過後に改めて試してみると、ACアダプターの特性なのか、
通常電源よりパワー感は減少するものの、静けさを感じる様になりました。

クロックジェネレーターは、スペックだけで評価するのは難しく、
音質的な相性も存在している様に思います。
エージングが進み、更に音質が改善されるのを期待しています。

引用元: 価格コム

SOULNOTE - X3 定価 385,000円 (税込)

矩形波
日本のハイエンドブランド、SOULNOTEの製品です。同社独自の伝送方式"ZERO LINK"の性能を最大限に引き出すために開発されました。出力は50ΩのSMA端子1系統のみと割り切った仕様ですが、その音質評価は非常に高いです。波形は矩形波です。

Soulnote - X-3
画像
総合評価
( 5 )
メリット
  • おすすめの用途:SOULNOTE製品、特に同社独自の伝送方式"ZERO LINK"を導入しているシステム。
デメリット
  • 導入時の考慮点:出力がSMA端子1系統のみと非常に割り切った仕様のため、汎用性は高くありません。

プリメインアンプ、スピーカーがS-3referenceに対して力不足かと思いますが、大満足です。
S-3Ver2.0でCD再生、PCとUSB接続でAmazon MusicHDを聴いていた時は中低音が目立ちドンシャリ感がする音でしたが、X-3導入し有償でS-3referenceにしてから、特にAmazon MusicHDの音が良い方向に変化し、CD再生の音は広がり解像度が増し、演奏とボーカルの位置関係が見えるような感じになりました。
その後、Z-3とオーディオハブなどを追加導入し、CD,SACDをDSD128で5.6MHz 1bit 音源にリッピングしてネットワークレンダラーアプリfidataを使用して聴いてます。ハブとZ-3はメタルLANケーブルで接続するより、SFP光LANケーブルで接続したほうが音の解像度が増します。ボーカル、演奏楽器の細かい音の余韻がより良く素晴らしくなります。

引用元: 価格コム

MUTEC - REF10 オープンプライス / 実勢価格 約45.6万円

矩形波
現代の10MHzマスタークロックのリファレンス機として名高いモデルです。圧倒的な低ノイズ性能と、50Ωと75Ω合わせて8系統という豊富な出力が特徴。このクラスになると、100万円以上の機器と組み合わせても、外部クロックの恩恵がはっきりと分かります。波形は矩形波です。

MUTEC - REF10
画像
総合評価
( 4 )
メリット
  • おすすめの用途:ハイエンドシステム全体の同期を取り、そのポテンシャルを最大限に引き出したい場合。
デメリット
  • 導入時の考慮点:価格は高価ですが、その性能は確かなものです。システムの最終段に近いアップグレードと考えるのが良いでしょう。

導入後に後悔しないための接続・運用のヒント

ケーブルについて

矩形波の場合はインピーダンスをそろえる必要があります。また、高い周波数帯で減衰の少ないケーブルを選択します。多くのオーディオメーカー製ケーブルは75Ωですが、50Ωの製品も存在します。
正弦波の場合はインピーダンスのマッチングはそれほど重要ではありませんが、もちろん揃えられる方が良いです。

50Ωの製品は多くはありませんが、有名どころを紹介しておきます。

電源について

クロックの精度は電源の質に大きく左右されます。特にアダプター電源のモデルは、オーディオ用のクリーンな電源にアップグレードすることで、大きな音質向上が期待できます。

手頃なGaN(窒化ガリウム)電源でも、標準アダプターからの改善が期待できます。

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設置場所と振動対策

心臓部である発振器(OCXO)は物理的な振動に敏感です。プレーヤーやスピーカーの振動が伝わらない、安定した場所に設置してください。

発展 ー ネットワークスイッチとの連携による相乗効果

10MHzマスタークロックは、DACやCDプレーヤーだけでなく、高品質なネットワークスイッチと組み合わせることでも真価を発揮します。 特に、クロック入力に対応したUpTone Audio社のEtherREGENのような機器と同期させることで、ネットワークオーディオ全体の精度が向上し、音源が持つ情報をさらに引き出すことが可能です。

EtherREGENと10Mクロックを組み合わせた際の具体的な音質変化については、以下の実機レビュー記事で解説しています。

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まとめ ー 最高の音楽体験への最後のピース

この記事では、50万円以下で購入できる10MHzマスタークロックの選び方とおすすめモデルを紹介しました。

選び方のポイントは「出力波形」「発振器」「インピーダンス」の3つ。その上でご自身のシステムと予算に合わせて候補を絞り込むのが確実です。

迷ったら、まずはSMSL G1で外部クロックの効果を体感してみるのがおすすめです。SCカットOCXOを搭載しながら10万円以下という価格は、最初の一台として十分な性能と手頃さを両立しています。

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