
ニューヨークを拠点とするオーディオファイル・レーベル、Chesky Records(チェスキー・レコーズ)。自然な音場感と空間表現に定評があり、オーディオファンには馴染みの深いレーベルです。
SACDはほとんど廃盤になっています。気長に探してみてください。
Chesky Recordsとは
デヴィッドとノーマンのチェスキー兄弟によって設立されたレーベルです。
デヴィッド・チェスキーは元々ジャズピアニスト・作曲家で、初期のキャリアではコロンビアからアルバムをリリースしていました。しかし大手レーベルの制作環境 ー 50本ものマイクを使う録音手法 ー に疑問を抱いたことが、自身のレーベル設立のきっかけになったそうです。「人はそんなふうに音楽を聴かないし、そういう録り方をされるとミュージシャンの演奏も変わってしまう」という考えが出発点でした。
録音は教会やコンサートホールなど残響の美しい空間で、ライブ一発録り。マルチトラックによるポストプロダクションやオーバーダブは行わず、実際の空間の響きごと収録するスタイルを貫いています。マンハッタンのセント・ポール教会やブルックリンのハーシュ・センターが主な録音会場です。
ジャンルはジャズ、クラシック、ポップス、ワールドミュージックと幅広く、McCoy Tyner、Ron Carter、Rebecca Pidgeonなど著名アーティストの録音も残しています。
2007年にはハイレゾ音源のダウンロード販売サイトHDtracksを立ち上げ、2012年からはダミーヘッドを使ったBinaural+録音にも取り組んでいます。
Chesky Records おすすめSACD 10選
Jen Chapin – Revisions: Songs of Stevie Wonder
Chesky Records – SACD 347

海外のオーディオデモでよく耳にする作品の1つ。
スティーヴィー・ワンダーのカバー集です。
1曲目の「You Haven't Done Nothin'」をよく使います。シンプルな構成で、各楽器の音の厚みや鮮度のチェックに向いています。
Rebecca Pidgeon – The Raven
Chesky Records – SACD 205

このレーベルで最も有名な作品の1つだと思います。
「Spanish Harlem」という曲をチェックにたまに使います。低音の量感とか各楽器の位置関係が分かりやすいです。
Livingston Taylor – Ink
Chesky Records – SACD 253

これも超有名な作品です。
1曲目の口笛の定位と質感、音と音の間の静寂感。高域のひずみ感のチェックにも使えます。正直なところ、通常CDでも何の不満もない優秀録音盤です。
SACDの優位性はあまり感じません。マルチ収録されているのでマルチ環境には別のメリットがあると思いますが。
Christy Baron - Steppin'
Chesky Records – SACD 227

クリスティ・バロンによるロック/ポップスのカバー集。Beatlesの「Tomorrow Never Knows」をはじめとして、原曲の雰囲気を感じない大胆なアレンジも多いですが、アルバムとしての統一感があります。
Marta Gomez - Cantos De Agua Dulce
Chesky Records – SACD285

マルタ・ゴメスはコロンビアのシンガーソングライターです。ラテン系アルバムのSACDはあまり多くないかもしれません。
音質的に突出している感じはないものの、破綻がなくまとまりの良い作品です。
Sam Yahel, Ari Hoenig, Mike Moreno, Seamus Blake – Jazz Side of The Moon
Chesky Records – SACD 338

名前のとおり、ピンクフロイドの「狂気」をジャズにアレンジしたカバー作品。オルガン奏者サム・ヤヘルを中心に、ギター、ドラム、サックスという編成です。
George Coleman, Mike Stern, Ron Carter, Jimmy Cobb – 4 Generations of Miles
Chesky Records – SACD 243

熱心にマイルスを聴いていないのでどうこう語れませんが、かつてマイルスのバンドに参加していた4人によるプロジェクト。収録曲はほとんど50年代の曲から構成されています。
Peter Guth - Essence of Viennese Music
Chesky Records – SACD 255

ペーター・グート(Vn&指揮)、リンツ・ブルックナー管弦楽団によるウィーン音楽集。
クラシックに馴染みのない方でも聴いたことがある定番曲ばかりです。
Ars Antigua Austria - Biber & Schmelzer: Music and Dance from the Viennese Court
Chesky Records – SACD 262

古楽アンサンブル、アルス・アンティクヮ・アウストリアによる17世紀ウィーン宮廷の音楽と舞曲集。
音場感はほどほどですが、楽器の音色や明瞭感が素晴らしいです。
David Chesky - Area 31
Chesky Records – SACD 288

デヴィッド・チェスキー自身が作曲したヴァイオリン協奏曲とフルート協奏曲を収録。
オーディオ的に面白い作品です。同レーベルの最初の1枚としてもよいと思います。空間の広さ、音の強弱、音色感などチェック要素がたくさんあります。
以上10枚紹介しました。
SACDの世界はまだまだ奥深く、他のレーベルにも素晴らしいディスクが数多く存在します。 以下の完全ガイドで、その世界のさらなる魅力に触れてみてください。

Roon
SACD
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