どんなシステムで聴いても一定以上の音質で楽しめる作品と、良い音で鳴らすことが難しい作品があります。
ふだんオーディオチェック用として使っているクラシック作品です。
アナログ時代の名盤再発系はあえて取り上げていません。デジタル録音時代の作品に絞って紹介します。
高音質クラシックCD10枚
Irina Mejoueva - Debussy Piano Works
ピアノ作品の優秀録音にドビュッシーの作品が多いのは、その複雑な和音の世界と大きく関係しています。イリーナ・メジューエワは現役のピアニストでは最も好きな人の1人です。ジャケットのきゃしゃな外見と異なり、打鍵の強さ、明確さを前面に出した作品です。
ハイレゾもあり おすすめは沈める寺です。
Stephen Hough - Franck: Piano Music
英国ハイペリオンレコードは、ピアノ作品が多い事で有名です。
サブスクには対応していないレーベルなので、購入する機会が増えました。
スティーブン・ハフは同レーベルを代表するピアニストの1人で無数にレパートリがあります。
ふだんあまり取り上げられることが少ないフランクのピアノ作品ですが、このアルバムと出会って興味を持つようになりました。
最初に上げたドビュッシーとは反対に弱音の表現に注目して聴いています。
Alina Ibragimova - Paganini: 24 Caprices
続いてこれもハイペリオンから。
アリーナ・イブラギモヴァは大好きなヴァイオリニストの1人です。
彼女も無数にレパートリーがありますが、パガニーニの作品とは相性が良いと思います。
あらゆる演奏技術が詰め込まれた力作。
Pieter Wispelwey - Bach: 6 Suites per violoncello solo senza basso
続いてチェロの無伴奏。
ウィスペルウェイは2回無伴奏を録音しています。これは98年の1回目。
丁寧に淡々とした演奏ですが、空間の倍音成分や音階までオーディオ的なチェック要素も多いです。
チェリストとしては、ウィスペルウェイの作品をもっとも愛聴しています。
Janine Jansen - 12 Stradivari
名匠ストラディヴァリが遺した世界的至宝、12挺の名器を駆使し、12曲の作品ををそれぞれ録音。
1つのアルバムでヴァイオリンの音色の違いを楽しめる内容です。通常CDに加えて、MQA-CDもリリースされています。
Parkanyi Quartet - Ravel & Debussy: String Quartets
Praga Degitalsは、もともとロシアの音楽家がプラハ放送局が録音した放送音源を中心に発売していました。
再発音源にはアンセルメの三角帽子など、DECCAの有名作品もいくつかあります。
途中からチェコの奏者たちを起用した室内楽の新録に切り替わりました。リリース数は膨大にあり、録音内容も玉石混淆ですが、いくつか突き抜けた優秀録音があります。
本作は弦楽四重奏を代表する名録音。
創業者が亡くなったため、事実上、流通在庫のみです。
Hilliard Ensemble - Gesualdo: Tenebrae
ヒリヤード・アンサンブルは、英国の男声カルテットです。主に初期作品を中心としており、この作品もルネサンス期のカルロ・ジェズアルドを取り上げたものです。
いわゆる無調の作品なので、主旋律と副旋律からなる現在の音楽とは当然違和感もありますが、この無伴奏合唱は癖になる美しさで、ECMらしいヒンヤリとした雰囲気も内容に合っています。
歌い手の位置関係と、高さ方向の表現のチェックによく使います。
Martin Grubinger - Drums ‘n’ Chant
低音再生の限界値を知るための作品。凄まじい低音です。
自宅のフルレンジではどうにもなりませんが…。
Olivier Latry - Barber, Poulenc & Saint-Saens
サン-サーンス: 交響曲第3番、いわゆるオルガンもオーディオファイルには定番の作品です。アナログ時代であれば、EMIのフレモー盤(TWO404)を第一に、同じくEMIのプレートル盤(ASD585)を第二に推します。アンセルメやミュンシュよりも良いです。
デジタル時代はこの作品です。SACDです。
Gustavo Dudamel - Berlioz: Symphonie Fantastique
幻想交響曲はオーディオデモとしても良く使われる作品の1つ。
4-5楽章の低域は再生システムによって聴こえ方が変わります。
CDでは多分出ていません。96k/24bitのファイルがお勧めです。
以上10枚紹介してみました。