どんなシステムで聴いても一定以上の音質で楽しめる作品と、良い音で鳴らすことが難しい作品があります。
ふだんオーディオチェック用として使っているクラシック作品を10枚紹介します。アナログ時代の名盤再発系はあえて外し、デジタル録音時代の作品に絞っています。
選んだ基準は3点です。録音の情報量が多いこと、楽器や声の定位・空間表現が明確であること、現行盤として入手しやすいこと。クラシックに馴染みがなくても、オーディオチェック用として十分に楽しめる作品ばかりです。
クラシック優秀録音CD10枚
Irina Mejoueva - Debussy Piano Works
ピアノ作品の優秀録音にドビュッシーが多いのは、その複雑な和音の構造と無関係ではありません。
イリーナ・メジューエワは、打鍵の強さと明確さを前面に出した演奏が特徴です。ジャケットの印象とは異なり、芯のある音で鳴ります。音の粒立ちと余韻の消え方をチェックするのに最適で、おすすめのトラックは「沈める寺」です。ハイレゾ版もあります。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Stephen Hough - Franck: Piano Music
英国ハイペリオンレコードはピアノ作品を中心としたクラシック専門レーベルです。スティーブン・ハフは同レーベルを代表するピアニストの1人です。
メジューエワとは対照的に、弱音の表現に注目して聴いています。ピアニッシモの再現性、音が消えていく過程をシステムがどこまで描けるかを確かめるのに使っています。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Alina Ibragimova - Paganini: 24 Caprices
同じくハイペリオンから。アリーナ・イブラギモヴァのパガニーニです。
無伴奏ヴァイオリンのみで24曲を収録した作品で、あらゆる演奏技術が詰め込まれています。弓の圧力変化による音色の移り変わり、重音の分離感をチェックするのに適しています。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Pieter Wispelwey - Bach: 6 Suites per violoncello solo senza basso
バッハの無伴奏チェロ組曲。ウィスペルウェイは2回録音しており、これは1998年の1回目です。
淡々と丁寧に進む演奏ですが、オーディオ的な聴きどころは多いです。チェロ本体の共鳴、空間の倍音成分、録音空間の広がりと奥行きを確認するのに使っています。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Janine Jansen - 12 Stradivari
ストラディヴァリが遺した12挺の名器を1枚のアルバムで聴き比べるという、企画としても録音としても異色の作品です。
同じヴァイオリンでも楽器が変われば音色が変わることを、再生システムがどこまで描き分けられるかを試せます。通常CDに加えてMQA-CD版もリリースされています。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Parkanyi Quartet - Ravel & Debussy: String Quartets
Praga Digitalsはチェコのレーベルで、室内楽の新録を精力的にリリースしていました。録音は玉石混淆ですが、本作は弦楽四重奏を代表する優秀録音の1枚です。
4本の弦楽器がどの位置でどの高さに定位しているか、各パートの分離と溶け合いをチェックするのに使っています。
創業者が亡くなったため、事実上、流通在庫のみです。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Hilliard Ensemble - Gesualdo: Tenebrae
英国の男声カルテット、ヒリヤード・アンサンブルによるルネサンス期の無伴奏合唱です。
ECMレーベルらしいヒンヤリとした空間表現が内容に合っています。歌い手の位置関係と高さ方向の再現性を確認するのによく使います。無調の響きは最初こそ戸惑いますが、慣れると癖になる美しさです。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Martin Grubinger - Drums 'n' Chant
低音再生の限界を知るための作品です。
打楽器が生み出す超低域は、再生システムによって聴こえ方が大きく変わります。サブウーファーなしのフルレンジでは太刀打ちできないレベルです。低域の量感と締まりを同時に確認できる、オーディオデモ向きの1枚です。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Olivier Latry - Barber, Poulenc & Saint-Saens
サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」は、オーディオファイルには定番の作品です。
アナログ時代はEMIのフレモー盤(TWO404)、同じくEMIのプレートル盤(ASD585)を推します。デジタル時代はこのSACDです。オルガンの最低音域と弦・管楽器との対比が、システムの帯域バランスを如実に示します。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Gustavo Dudamel - Berlioz: Symphonie Fantastique
幻想交響曲はオーディオデモとしてよく使われる作品の1つです。
第4・5楽章の低域は再生システムによって聴こえ方が大きく変わります。CDでのリリースはなく、96kHz/24bitのハイレゾファイルを推奨します。
CDでは多分出ていません。96k/24bitのファイルがお勧めです。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Roon
SACD
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