
オーディオシステムのチェックにボーカル作品を使う人は多いと思います。人の声は聴き慣れているため判断しやすく、ロック・ポップスと比べると録音の良い作品が多い点も理由の一つです。
クラシックはホールトーンや残響を含めた空間ごと録音するのに対して、ボーカルを含むほとんどのジャンルはパートごとに録音しエンジニアが合成する形が主流です。マルチトラック録音は各パートの鮮明さに優れる反面、自然な空気感や定位の再現という点ではクラシックとは異なる聴き方が必要です。
女性ボーカルを中心に、オーディオチェック・リファレンス盤として実際に使っている10枚を紹介します。
高音質ボーカルCD10枚
Ann Sally - fo:rest

アン・サリーの初期3枚はアコースティックな作風で、日本語の歌をチェックとしてよく使います。本作はその路線に回帰した作品で、以降は自身のサイトでの直販となりました。一時廃盤でしたが現在は購入できます。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Livingston Taylor - Ink

1曲目冒頭の口笛の質感に注目して聴いています。音数が少なくシンプルな構成のため、音と音の間の静寂感を確認するのにも適しています。SACDも出ていますが、CDでも十分優秀録音です。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Kelly Sweet - We Are One

デビューアルバム。2枚目以降は打ち込みを多用した路線に変わってしまいましたが、本作はアコースティックな質感が際立っています。おすすめはRaincoatと、原曲の面影がないほどアレンジされたエアロスミスのカバー曲Dream Onです。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Sara K - Are We There Yet?

手持ちはXRCD版です。アコースティックな作品ですが強弱の「強」がよく出る録音で、楽器の質感の方に耳がいきます。メタル系のツィーターだと部分的に神経質な音がします。うるさくならずに再生できるかどうかを確認するのに使っています。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Peter Fessler - Here's That Rainy Day

ハイトーンの伸びやかな歌声で、作品も録音も自然体という印象です。日本のCelesteレーベルからのリリース。過去の作品を丁寧に再発するレーベルで、取り上げ方が好みで一時期まとめて集めていました。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Alison Krauss - Forget About It

カントリー色の強い彼女の作品の中では最もポピュラーな1枚です。SACDも所有していますが、CDの完成度が高く大きな差異は感じません。内容・録音ともに鉄板のリファレンス盤です。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Silje Nergaard - Silje Nergaard

ノルウェーのシルイェ・ネルゴール。2枚組CDで、1枚目が過去作品のアコースティックバージョン、2枚目が新曲の構成です。おすすめは1枚目です。近年の作品はレコードも販売されており、本作のアナログ化も期待しています。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Corrinne May - Fly Away

高音質系女性ボーカルのコンピレーションとして人気のBest Audiophile Voicesシリーズの中でも強い印象を残していたコリン・メイのアルバムです。収録時ほど録音は良くありませんが、歌い手としての魅力は十分伝わります。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
矢野 顕子 - Home Girl Journey

矢野顕子のピアノ弾き語りアルバム。シンプルな作品ですが、ピアノの質感が際立っています。SACDシングルレイヤーも存在しますが、自分の環境では大きな違いは感じませんでした。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
V.A. - テイチクアワー 一五一会

絶対にジャケ買いしないCDですが、ネタとして中古で安く見つけたら手に取る価値があります。一五一会という楽器をモチーフにしたオムニバスで、やや演歌色が強いです。録音エンジニアが素晴らしく、音質は折り紙付きです。石川さゆりはオーディオファイルにはおなじみでしょうか。
◯ 新品入手可能 △ 廃盤だが比較的入手しやすい ✕ 入手困難
Roon
SACD
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