
Mp3tagは、MP3・FLAC・WAV・M4Aなどの音楽ファイルのタグを編集・自動取得できるWindows用の無料ソフトです。公式サイトから直接配布されており、広告やバンドルソフトは含まれていません。
この記事では、インストールと日本語の文字化けを防ぐ初期設定から、DiscogsやApple Musicを使ったタグの自動取得、トラック番号の連番化、ファイル名の一括変換まで、実際の操作手順を画像付きで解説します。
この記事でわかること
- Mp3tagの安全なインストール方法と日本語化
- 曲名やアルバム名を一括で自動取得する方法(Discogs・Apple Music)
- 日本語の曲名が文字化けするのを直す設定
- ファイル名とタグを相互変換する方法
- アルバムアートの一括設定、トラック番号を連番にする方法
- 歌詞の埋め込み方法
STEP 1 ダウンロード・インストール・初期設定
Mp3tagとは?安全性と動作環境
Mp3tagは、音楽ファイルのメタデータ(タグ)編集に特化したソフトウェアです。MP3はもちろん、FLAC、M4A/MP4、WAV、AIFF、DSFなど、主要なファイル形式に幅広く対応しています。再生機能を持たない「タグ編集専門ツール」であるため、動作が安定しており高機能です。
配布元はドイツの開発者による公式サイト(mp3tag.de)のみです。
広告・バンドルソフト・スパイウェアの類は一切含まれておらず、長年にわたって多くのユーザーに使われている信頼性の高いツールです。Windows版は無料、macOS版は有料で提供されています。
ダウンロードとインストール
必ず公式サイト(mp3tag.de)からインストーラーをダウンロードします。
インストーラー版とMicrosoft Store版の2種類があります。
- インストーラー版(推奨):公式サイトからダウンロードし、標準インストール(Standard)で進めます。後述するApple Music連携スクリプトなど、拡張機能を使うにはこちらが必要です。
- Microsoft Store版:インストーラー不要でストアから入手できます。ただし一部の拡張機能が使えない場合があります。
日本語文字化けを防ぐ必須の初期設定
インストール後、Mp3tagを起動したらまず以下の設定を必ず行ってください。これを怠ると日本語タグが文字化けする原因になります。

- メニューバーから「ツール」→「オプション」を選択します。
- 左側のツリーから「タグ」→「Mpeg」を選択します。
- 右側の「書き込み」セクションで、「ID3v2.3 UTF-16」を選択します。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
この設定は、日本語などのマルチバイト文字を正しく扱うための世界標準であり、ほとんどの再生環境で文字化けが起こらなくなります。
画面の見方と基本操作の「型」
操作は以下の簡単な流れを覚えるだけです。
- 読込
編集したい音楽フォルダを、画面中央へドラッグ&ドロップ。 - 選択
中央のリストから編集したいファイルを選択(Ctrl+Aで全選択)。 - 編集
画面左側の「タグパネル」に、アルバム名などを入力。 - 【最重要】保存
フロッピーディスクのアイコンをクリックするか、Ctrl+Sキーで保存します。これを忘れると、編集内容がファイルに反映されません。
STEP 2 【実践】タグとアートワークの完全自動取得
手作業は不要です。「Discogs」と「Apple Music」と連携し、タグ情報とアルバムアートを自動で取得しましょう。一度設定すれば、今後の作業が劇的に楽になります。
Discogsとの連携 ー レア盤にも強い、最も確実な方法
Discogsは世界最大の音楽データベース兼マーケットプレイスであり、特にリリースごとの詳細な情報(レコード番号、バーコード、国別の盤など)が充実しています。

初回のみDiscogsアカウントとの連携許可が求められます


Apple Musicとの連携 ー J-POPなど国内盤に強い、手軽な方法
Apple Musicの膨大なライブラリ情報をMp3tagで活用するための設定は、多くのユーザーにとって非常に価値が高い機能です。これは標準機能ではなく、有志が作成したスクリプトを導入することで実現します。
参考: [WS] Apple Music
前準備・連携スクリプトの導入
.zipファイルを解凍します。中には「.src」という拡張子のファイルが含まれています
Apple Music Web.incと Apple Music#&Japan Japanese.srcをコピーします。
日本語のデータベース以外を利用することも可能です。
ファイル名を指定して実行に以下を入力します。%appdata%\Mp3tag\data\sources
Mp3tagの「sources」フォルダ内に先ほどのファイルを貼り付けます。
これで事前準備は完了です。
Apple Musicでタグ取得のワークフロー


タグが自動取得できないときの対処法
DiscogsやApple Musicで目的の作品が見つからない場合は、以下を確認してください。
- Discogsのアカウント連携が切れている:「タグを取得」→「Discogs」を選んだ際に認証画面が表示されたら、再度ログインして連携し直します。
- Apple Musicのスクリプトが古い:スクリプトはコミュニティでアップデートされることがあります。上記リンクから最新版を再取得してください。
- マイナーなクラシック音源など:DiscogsにもApple Musicにも収録されていない場合があります。その場合は後述の「クラシック音楽のタグを調べるには」を参照してください。
STEP 3 一括編集テクニック
アルバムアート(ジャケット画像)を一括で設定する
手元にあるジャケット画像ファイルを、アルバムの全曲に一括で埋め込む方法です。
- アルバムの曲をすべて選択します。
- ジャケット画像ファイル(JPEGやPNG)を、エクスプローラーなどから画面左下の四角いアートワーク欄にドラッグ&ドロップします。
- アートワーク欄に画像が表示されたことを確認したら、
Ctrl+Sで保存します。
これで、選択したすべての曲に同じアートワークが一括で埋め込まれます。
【ヒント】 一部のプレイヤーとの互換性を高めるため、埋め込むのと同じ画像ファイルをアルバムのフォルダ内にFolder.jpgという名前で保存しておくことを推奨します。
トラック番号を連番にする(自動ナンバリングウィザード)
2枚組のアルバムを1つにまとめたり、1枚のアルバムを複数に分割する際に便利です。
- 連番にしたいトラックを正しい曲順で選択します。
- メニュー「ツール」→「自動ナンバリングウィザード」(
Ctrl+K)を選択します。 - 「トラックナンバーを0で始める」のチェックを入れることを強く推奨します。
チェックを入れると、トラック番号が「01, 02, ... 10」のように2桁で統一されます。一部の再生ソフトは番号を文字として認識し、「1, 10, 2」のように誤った順番で並べ替えることがあります。2桁(0埋め)に統一することで、あらゆる環境で正しい曲順が保証されます。 - 設定を確認し、「OK」をクリックすれば完了です。
ファイル名とタグを相互変換する
Mp3tagには、タグの内容からファイル名を生成する機能と、その逆(ファイル名からタグを読み込む)機能の両方があります。
タグ → ファイル名に変換する
タグ情報をもとにファイル名を自動で整形できます。
- 変換したいファイルを選択します。
- メニュー「変換」→「タグ - ファイル名」(
Alt+1)を選択します。 - 書式文字列にルールを入力します。例えば
%track%. %title%と入力すると、「01. 曲名.mp3」という形式でファイル名が生成されます。$num(%track%,2)を使うと番号を2桁で揃えられます。
ファイル名 → タグに変換する
ファイル名に曲名情報が含まれている場合、それをタグとして取り込めます。
- 変換したいファイルを選択します。
- メニュー「変換」→「ファイル名 - タグ」(
Alt+2)を選択します。 - ファイル名の構造に合わせた書式文字列を入力します。例えばファイル名が「01. タイトル.mp3」であれば、
%track%. %title%と入力することでトラック番号とタイトルを自動で取り込めます。
「アクション」機能 ー 定型作業をワンクリックで終わらせる
「アクション」とは、複数のタグ編集操作を一つの命令として記録し、再利用できる機能です。
文字種・大文字/小文字の整形(Case Conversion)
ファイル名やタグの見た目を統一するためのアクションです。「アクション」ウィンドウで新規アクションを作成し、アクションの種類として「文字種変換」を選択します。フィールドにTITLEや_FILENAMEなどを指定し、変換の種類を以下から選びます。
Sentence case: 文の先頭のみ大文字lower case: すべて小文字UPPER CASE: すべて大文字Mixed Case: 各単語の先頭を大文字
不要なタグフィールドの一括削除
ダウンロードした音源などには、COMMENTやENCODEDBYといった不要な情報が含まれていることがあります。
- アクションの種類:
フィールドを削除 - 削除するフィールド(セミコロン区切り):
COMMENT;ENCODEDBY;WWW;
このアクションを実行すれば、指定したフィールドがすべての選択ファイルから一括で削除されます。
特定の文字列を一括で削除する
「[2022 remaster]」など共通の文字列を複数ファイルからまとめて取り除きたい場合は、「置換」アクションを使います。
- 対象ファイルを選択し、メニュー「アクション」→「アクション」を開きます。
- 新規アクショングループを作成し、アクションの種類として「置換(Replace)」を選択します。
- 以下の通り設定します。
- フィールド:
TITLE - 元の文字列: 削除したい文字列を正確に入力(例:
[2022 remaster]) - 以下の文字列に置換する: 空欄のまま
- フィールド:
「元の文字列」に任意のテキストを入力して実行するだけで、あらゆるケースに対応できます。
歌詞を埋め込む(UNSYNCEDLYRICSタグの活用)
foobar2000やMusicBeeといったプレイヤーでは、プラグインを導入することでMp3tagで埋め込んだ歌詞を表示できます。Roon以外の環境で歌詞を管理したい場合や、マイナーな楽曲の歌詞を手動で登録したい場合に有効です。
- 歌詞を追加したい曲を選択し、
Alt+Tで「拡張タグ」を開きます。 - 「フィールドを追加」を選び、フィールド名に「
UNSYNCEDLYRICS」と入力します。 - 「値」の欄に歌詞を貼り付け、「OK」をクリックし、最後に
Ctrl+Sで保存します。
STEP 4 特定の環境・問題を解決する高度な知識
Mp3tagで完璧に整えられたタグ情報は、Roonのような高度な音楽ライブラリソフトと組み合わせることで、その真価を最大限に発揮します。

ファイル形式の選択論 ー WAV、AIFF、FLACの長所と短所
利用する再生ソフトによって、最適なファイル形式は異なります。
- iTunes / Apple Music ユーザー → AIFFまたはALAC
AppleのソフトはWAVのタグを読み込まないため、Apple製フォーマットのAIFF(非圧縮)かALAC(可逆圧縮)が最適です。 - Roon ユーザー → WAVも選択肢に
RoonはWAVのタグを問題なく認識できるため、音質を最優先するならWAVも有力な選択肢です。 - 様々な環境で使いたいユーザー → FLAC
オープンな規格で互換性が非常に高く、音質を損なうことなくファイルサイズを削減できる最もバランスの取れた選択肢です。
自動取得できないクラシック音楽のタグを調べるには
DiscogsやApple Musicでも情報が見つからないマイナーなクラシック音源の場合、以下の専門データベースを参照して手動で入力するのが確実です。
IMSLP
無料の楽譜ライブラリですが、作品の正式名称や楽章構成を調べるための「辞書」として非常に優れています。曲名を手入力する際の最も信頼できる情報源の一つです。
参考: IMSLP
NAXOS Music Library
クラシック専門の音楽配信サービスですが、膨大な楽曲データとアートワークを保有しています。Amazonなどに見当たらない国内盤の情報が見つかることもあります。
参考: NAXOS Music Library
【専門ガイド】クラシック音楽とRoon連携を極めるには
クラシック音楽をRoonなどで本格的に管理する場合、「作品(Work)」と「楽章(Part)」のタグ付けが、ライブラリの価値を最大限に引き出す鍵となります。異なるアルバムにある同じ作品(例:クライバー盤とカラヤン盤の「運命」)をグルーピングして聴き比べるといった、高度な音楽体験が可能です。
WORK/PARTタグの管理に不可欠な「MusicBrainz」の活用法や、具体的なタグ付けの手順については、以下の専門ガイドで詳しく解説しています。

STEP 5 よくある質問(FAQ)
Mp3tagは安全なソフトですか?
公式サイト(mp3tag.de)から直接入手すれば安全です。広告・バンドルソフト・スパイウェアは含まれていません。ウイルス対策ソフトが警告を出すことがありますが、これは誤検知です。必ず公式サイトからダウンロードしてください。
タグを編集すると文字化けする
初期設定が原因です。「オプション」→「タグ」→「Mpeg」で、書き込み形式が「ID3v2.3 UTF-16」になっているか確認してください。
Mp3tagで編集したのに、iTunes / Apple Musicでタグが反映されません。
主に2つの原因が考えられます。
- ファイル形式の問題
編集対象のファイルがWAV形式の場合、Appleのソフトウェアは埋め込まれたタグを正しく読み込みません。ALACやAIFF形式に変換してください。 - データベースの同期問題
Apple Music / iTunesの内部データベースが古い情報のままになっている可能性があります。ライブラリから該当トラックを一度削除し(ファイルは削除しない)、再度インポートし直すと強制的に最新のタグ情報が読み込まれます。
Mac版とWindows版の違いは何ですか?
中核機能は同じですが、Windows版は無料、Mac版は有料です。
クラシック音楽の作曲家や演奏家はどのタグに入れれば良いですか?
Roonなどのモダンな再生環境で最適に表示させるための推奨は以下の通りです。拡張タグダイアログ(Alt+T)から追加できます。
COMPOSER: 作曲家(例:Ludwig van Beethoven)ARTIST: 主たる演奏者。複数の演奏者がいる場合はA; Bのようにセミコロンで区切ります。ALBUM ARTIST: アルバム全体を代表するアーティスト。協奏曲ならソリスト、オペラなら指揮者を指定するなど柔軟に運用します。CONDUCTOR: 指揮者ENSEMBLE: オーケストラや楽団名SOLOIST: ソリスト(独奏者)
まとめ
Mp3tagは、音楽ライブラリの管理に欠かせない定番ツールです。インストールと初期設定さえ済ませれば、DiscogsやApple Musicとの連携で大半のタグ情報は自動取得できます。ファイル名変換やアクション機能を活用すれば、大量のファイルも短時間で整理できます。
整然とした音楽ライブラリは、日々の音楽体験をより豊かにしてくれます。
Roon
SACD

コメント
コメント一覧 (3件)
いま、チェックしてみたら現在はV.3.4まで更新されていますね。一部タグの取得範囲が更新されているようですが、V3.xxであれば問題なく使えると思います。
私は問題なく使用できていますので。
現時点で最新のファイルは、下記リンクからダウンロードできます。
https://community.mp3tag.de/uploads/short-url/vc8sjWz3z2COPCMbEUq7oj56orb.zip
コメントありがとうございます。
以前からApple Musicでタグ情報取得されていましたか?
一回Apple側の仕様変更でタグが取得できない期間がありましたが、有志の方が新しいスクリプトを開発し、現在は普通に使えるようになっています。
他の紹介サイトだと旧スクリプトの情報で止まっている可能性があります。
その際の経緯は記事上では省略していますが、リンクに載せているApple Music for MP3Tag v3.0a.zipが、対応済みのスクリプトなので、これをダウンロードすれば普通に使えると思います。
ある時期から取得できなくなっている場合は、旧いスクリプトですので、リンク先のV3.0a.zipに上書きしてください。
私の環境では問題なく使用できています。
こんにちわ、はじめまして。
MP3Tagは普段から使っていますが、CDデータベースの登録がうまくできず、毎回手入力をしていたので、このサイトにたどりつき、分からないながらも、張り切って設定している所です。
しかし、アップデート事が気になりました。
今回取得したZipファイル( ❝ダウンロード: Apple Music for MP3Tag v3.0a.zip❞ )のアップデートに備え、 ❝AppleMusic❞ 内を探してみましたが、ファイルの入手先が見つけられませんでした。
もし可能でしたら、検索の際のカテゴリやキーワード等をお教えいただけると、とても助かります。
それとも、更新作業等は必要ないのでしょうか?
無知で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。