Qobuzで96kHzの先行配信を聴いて内容の良さに惚れ込み、CDは見送ってLPを発表と同時に予約しました。2023年5月、Edition Recordsからのリリースです。
Gretchen Parlato & Lionel Loueke – Lean In
Edition Records – EDNLP1216

グラミー賞ノミネート経験を持つボーカリスト、グレッチェン・パーラトと、ベナン共和国出身のギタリスト兼ヴォーカリスト、リオネル・ルエケによる初のデュオ共同名義作です。2人は2001年にUCLAのセロニアス・モンク・インスティテュート・オブ・ジャズで出会い、2003年に相次いでニューヨークへ拠点を移しました。以来、互いのプロジェクトに頻繁に参加し合い、ライブでも共演を重ねてきた関係です。
UCLA時代に音楽民族学を専攻したパーラトのバックグラウンドは、本作の音楽的な幅に色濃く反映されています。英語、ポルトガル語、ベナンのフォン語が行き交い、ブラジル、西アフリカ、ポップス、R&Bの要素が自然にひとつの流れに溶け込んでいきます。
基本はパーラトの歌とルエケのギター、そして2人のボーカル・パーカッションによる最小限のデュオ編成です。「If I Knew」「Lean In」「Walking After You」など数曲では、パーラトのパートナーでもあるドラマーのマーク・ジュリアナと、ベーシストのバーニス・トラヴィスが加わります。パーラトの声の存在感と、ルエケの細やかなアルペジオやクリック系のボイスパーカッションが互いに隙間を埋め合い、静かな密度の高い音楽が続きます。
録音は2022年3月、ロサンゼルスのLucy's Meat Marketにて、エンジニアのピート・ミンが担当。マスタリングはニューヨークのBass Hit Recordingでデイヴ・ダーリントンが手がけています。プロデュースはパーラトとルエケ自身。
前作と同じようにカラーヴィニールは想定内でしたが、レコードの音がとても良いですね。96kHzの配信と比べても、ボーカル、ギターの質感、空間の広がりなど文句無しです。内容、録音ともにお勧めの一枚です。