1977年に米国で設立されたTelarc(テラーク)レーベルの中からおすすめのSACDを10枚紹介します。
今回のSACDレーベル特集はアメリカのTelarc編です。
テラーク・インターナショナル・コーポレーション(Telarc International Corporation)はサウンド・エンジニアのジャック・レナーと音楽プロデューサーのロバート・ウッズにより、1977年にオハイオ州クリーブランドに創設されたインデペンデント・レコード・レーベル。設立当初よりデジタル録音を採用している。
初期はクラシック音楽のレーベルであり、シンシナティ交響楽団やクリーヴランド管弦楽団等の有名な楽団を録音していた。後にジャズやブルース、カントリー・ミュージックも取り扱うようになる。
現在はコンコード・ミュージック・グループの傘下にある。コンコードの配給はユニバーサル ミュージック グループが行っており、日本での発売も同社の日本支社がしている。
テラーク・インターナショナル・コーポレーション - Wikipedia
同レーベルはデジタル録音です。
初期のレコードは、一部のオーディオファイルにもてはやされましたが、現在は不遇というか、あまり注目されていないレーベルになってしまった気がします。
実際には、後期のSACDには優秀作品が多く、SACDを語る上では外せないレーベルの1つです。
【レーベル別SACD特集】Telarc(テラーク)編
初期はクラシックがメインでしたが、後期はポピュラー系の作品も取り扱っていますので、クラシック以外の作品も含めて紹介します。
Lang Lang - Rachmaninov: Piano Concerto No. 3, Scriabin: Etudes
Telarc – SACD-60582
ラン・ランはテラークからデビューしました。
これも初期作品の1つ。
演奏も録音も最高峰とは言えないかもしれませんが、「あれ、もしかして何かすごいかも?」と期待してしまうような作品です。ピアノが出しゃばらずにオケとうまく融合しています。
Jesus Lopez-Cobos - Music of Turina and Debussy
Telarc – SACD-60574
ロペス=コボスはテラークの看板指揮者の1人で多くの作品を残しています。
トゥリーナの作品は珍しいというか、ほとんど録音がないと思いますが、ここでのお勧めはドビュッシーのイベリアです。
いわゆる空間が見えるような録音です。
Norman Mackenzie - Vaughan Williams: Mass in G Minor, and Other A Cappella Works
Telarc – SACD-60654
ノーマンマッケンジーは、アトランタ交響楽団合唱団と室内合唱団の複数のグラミー賞を受賞しています。
合唱作品で、どれも音場が広く深いです。
Paavo Jarvi - Britten: Young Person's Guide, Four Sea Interludes, Elgar: Enigma Variations
Telarc – SACD-60660
同レーベルのSACDでは一番入手難です。
嶋護氏に紹介されたことで人気が出た気がします。
おすすめは、4つの海の間奏曲です。
ヤルヴィのSACDは全て所有していますが、基本的に全部買って損は無いです。
ダイナミックレンジ、音場の深さとか、SACDというフォーマットを最大限使いこなしているような感じがします。
Paavo Jarvi - Stravinsky: Petrouchka, The Firebird Suite & Scherzo a La Russe
Telarc – SACD-60587
ヤルヴィは1枚に絞りきれ無いのでもう1つ紹介します。
ストラヴィンスキーのペトルーシュカや火の鳥は曲の構造的に、オーディオ向けのデモでもよく使われます。
自分の手元にもレコードを含めて大量に所有していますが、その中でも指折りの録音であり、テラークを代表する優秀録音。
この作品のエネルギー感をうまく録音できている作品は意外と多く無い気がします。
多くは破綻してしまったり、エネルギーがスポイルされてしまう印象が多いのですが、とてもうまくまとめています。
Michael Murray - Saint-Saens; Symphony No. 3 Organ, Encores A La Francaise
Telarc – SACD-60634
同レーベルを語る上では米サウンドストリーム社の録音も外すわけにはいきません。
当時としては最高峰だった、サンプリング周波数50kHzのサウンドストリーム社製の4チャンネルデジタル録音機を採用したシリーズは、今でも人気が高くほとんどがプレミア価格で取引されています。
ジャケットに大きく50Khz Master Transfer Toと書かれているので直ぐに分かります。
このシリーズも8割くらいは入手していますが、自分の中では後期のテラーク録音のほうが圧倒的に好きで、世間的評価が高い割には超絶優秀録音には未だ出会っていません。
もちろん録音時期を考えれば検討しているのでしょうが…。
本作も通常CDと比較すれば、このサウンドストリーム盤の方が良いです。
有名なオルガンですが、作品自体は好みでは無いです。
Jerry Goldsmith - Film Music of Jerry Goldsmith
Telarc – SACD-60433
映画音楽集。
元の映画に思い入れが無いのでアレコレ言えませんが、ゴージャスなサウンドです。
Randy Brecker & Michael Brecker - Some Skunk Funk
Telarc – SACD-63647
あまりこの手の音楽を好んで聴きませんが、ビッグバンド系の(録音的な)お勧めということで。
Tierney Sutton - Something Cool
Telarc – SACD-63548
テラークに女性ヴォーカル作品はそれほど多くはありません。
ティアニー・サットンは何枚かSACDを残しています。彼女の作品の中でも本作が一番好きです。
Michel Camilo - Live at the Blue Note
Telarc – 2SACD 63574
2003年NYのBlue Noteで演奏されたライブ盤。2枚組です。
チャールズ・フローレス(ベース)、オラシオ・エル・ネグロ・エルナンデス (ドラム)によるトリオ構成。
超絶技巧系のジャズ・ピアノです。柔らかくしなやかな演奏。
以上10枚紹介してみました。
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