1964年にワルシャワ音楽院の学生たちが結成したポーランドのヴォーカル・ジャズ・グループ、ノヴィ・シンガーズ。グループ名のNOVIは「New Original Vocal Instruments」の略で、声そのものを楽器として扱うというコンセプトを掲げていました。本作は彼らの3枚目のアルバムで、ショパンのピアノ曲をアカペラで再解釈するという野心的な企画です。
Novi Singers - Novi Sing Chopin
Muza - SXL0755

1971年3月から6月にかけてワルシャワのPolskie Nagraniaスタジオで録音された本作は、プレリュード、マズルカ、ワルツ、スケルツォ、バラードなどショパンの代表的なピアノ作品全11曲を収録しています。
録音時のメンバーはEwa Wanat、Bernard Kawka、Janusz Mych、Waldemar Parzyńskiの4人。Swingle Singersがバッハを歌ったことで知られますが、ノヴィ・シンガーズはそれをショパンで試み、スウィング感のあるジャズ的解釈を加えています。
私がこの辺のコーラス・グループを集めていたころは、まだクラシックにはまる前でした。
元曲が分かるようになった今聞いてみても、原曲にほとんど気づきません。ピアノ独奏を4人のコーラスで忠実に再現しても面白くないでしょうが、元曲の面影があまりないですね…。とはいえ、4人の声だけでここまで音楽的な厚みを作り出せるのは見事です。アカペラという制約の中で、ショパンの旋律をあくまで素材として自由に再構築しているところに、このグループの実力が表れています。
ノヴィ・シンガーズは1978年にDownbeat誌で「best international vocal group」に選出されるなど、国際的にも高い評価を受けました。本作もリリース直後からカルト的な人気を獲得し、ポーランドを代表するヴォーカル作品として知られています。
Muzaのレコードは古い順に青色ラベル、黒、白と続きます。このレコードは青が初出です。黒はよく見かけますが、青に出会うまで少し時間がかかりました。TidalとQobuzで普通に聴けるのでCDは未所有です。