現在使用しているスピーカーには満足していて、当面買い替えの候補はありません。
これまではJodelica Tuning Standの浮遊感のあるサウンドを気に入って使っていましたが、以前からずっと探していたSolidsteel(ソリッドスティール)のスピーカースタンドを偶然オークションで見つけ、入れ替えを決意しました。

Solidsteelのスピーカースタンドについて

実は、オーディオラックも同社の製品を使用しています。
Quadraspireのラックから変更した際、まるで機器のグレードが一つ上がったかのような音質の向上に驚きました。Solidsteelの製品は組み立て式ではなく、職人の手で溶接された完成品です。そのため棚の増設や高さ調整はできませんが、その堅牢な構造こそが良い音に関係しているのは間違いないでしょう。
このラックでブランドへの絶大な信頼を寄せていたため、スピーカースタンドもいつかはSolidsteelで、と探し続けていました。本国イタリアや米国のショップからの個人輸入も考えましたが、日本へは発送してくれず、諦めていました。
ジャンク品からのスタート
そんな折、オークションに支柱と天板だけのジャンク品が出品されているのを発見し、迷わず飛びつきました。本当は高さ70cmのモデルが理想でしたが、そんな贅沢は言えません。
スタンド本体は格安でしたが、スパイクやボールベアリングといった重要なパーツが欠品しており、それらを一つひとつ揃えていくと、最終的にパーツ代のほうが本体よりも高くなってしまいました。しかし、長年探し続けたスタンドを自分の手で完成させていく過程は、非常に満足度の高いものでした。
サウンドは期待通りでした。Jodelicaの軽やかさとはまた違う、Solidsteelならではのエネルギーバランス、そして開放感と力強さが両立したサウンドは、まさに私が求めていたものです。
このサウンドの核となるのが、天板と支柱を3つの鋼球で支える独自の「デカップリング」構造です。重量で振動を抑え込むのではなく、スピーカーをスタンドから巧みに分離させることで、スピーカー本来の自由な響きを最大限に引き出してくれます。
スピーカースタンド、カスタムパーツ備忘録
ここからは、私が揃えたパーツの備忘録です。もし中古品などを手に入れる機会があれば、参考にしてください。
スパイクと、スパイク受け
スパイクは8㎜径です。AETのものを選びました。
スパイク受けはSoulnoteに
山本音響とカーボンも試しましたが、これがしっくりきました。
天板と支柱間のスティールボール、パイプについて
ここからは自作の世界です。
まず、オリジナルのパーツ構成はこの画像を参考にしました。
スタンドの支柱と天板の間にスティールボール3個使用します。
この手のボールは、Finite ElementeのCeraBaseを使用していた時代にいろいろと実験した経験があるので、すぐに手配できました。
今までの経験を元にセラミックボールにしました。
ターンテーブルのベアリングボールもこれのサイズ違いを使用しています。オリジナルのセラミックボールよりも静かに回りますね。
サイズ:3/8(9.525mm)セラミックボール(窒化珪素)等級:G3
購入先: 有限会社舟辺精工
次に真ん中のアルミポールです。
これは無くても良いかなとも思ったのですが、一応付けました。
アルミ丸パイプ 直径13mm 厚み2mm
購入先: 鉄板市場
上記アルミパイプと天板間のオーリングも用意しました。
Oリング NBR-70-1 (1A) S-9 <線径φ1.5mm × 内径φ8.5mm>
購入先: Oリング.com
スピーカーに合わせた天板を特注
最後に天板です。
オリジナルの天板はスピーカー本体よりも大きくて、はみ出している感じが美観的にどうもしっくりこないので、ぴったりサイズで制作しました。
オリジナルの天板はMDFだと思います。すごく軽くてカンカン鳴きます。
これは支柱もそうですが、結果的に抜けが良い好ましい音になるのでトータルの音作りのセンスだと思います。
そこで天板はオリジナルを尊重し、重厚なものよりも響くタイプの木材で作ることにしました。
楽器でも使われる無垢板スプルース、自然塗料カラー(ダークブラウン)を選択。オリジナルと同じように底面のほうが小さくなるようなカットにしました。
その時の指示書(というか落書きがこれ)
この時点では真四角のカットで底面を小さくしていません。

購入してから完成系になるまで時間も掛かりましたが、とても満足しています。
将来的にスピーカーを変更した場合は、天板だけまた作り直すつもりです。
購入を検討している方へ
残念ながら2025年現在、日本にSolidsteelの正規代理店はありません。過去に取り扱いが再開された時期もありましたが、現在は再びなくなってしまいました。そのため、新品の入手は困難ですが、私のように中古市場やオークションで探すか、海外のショップから個人輸入するしかありません。
このスピーカースタンドはおそらく30年くらい生産され続けていると思います。多少の変更箇所はあるかもしれませんが、それだけ完成された製品と考えて良いと思います。
国産の剛性だけしっかりした鳴かないスタンドと比較すると、その変化量に驚くと思います。
コメント