現在使用しているスピーカーには満足していて、当面買い替えの候補はありません。
これまではJodelica Tuning Standの浮遊感のあるサウンドを気に入って使っていましたが、以前からずっと探していたSolidsteel(ソリッドスティール)のスピーカースタンドを偶然オークションで見つけ、入れ替えを決意しました。

Solidsteel SS-6の特徴

Solidsteelはイタリアのオーディオファニチャーブランドで、「To Serve Music and Nothing Else」をスローガンに掲げています。SSシリーズはブックシェルフスピーカー向けのスタンドで、SS-5(高さ525mm)、SS-6(625mm)、SS-7(725mm)の3モデルが100mm刻みで用意されています。
実はオーディオラックも同社の製品を使っています。Quadraspireのラックから変更した際、まるで機器のグレードがひとつ上がったかのような音質の向上に驚きました。Solidsteelの製品は組み立て式ではなく、職人の手で溶接された完成品です。棚の増設や高さ調整はできませんが、その堅牢な構造が音に直結しているのは間違いありません。
このラックでブランドへの信頼が確固たるものになり、スピーカースタンドもいつかはSolidsteelで、とずっと探し続けていました。
三脚構造とデカップリング
SSシリーズの外観上の最大の特徴は三脚(トライポッド)構造です。四本脚は設置面の微細な凹凸で必ずガタつきが生じますが、三脚は物理的にガタつくことができない構造です。常に完璧な接地が保証されるため、スピーカーの振動を安定して受け止められます。
そしてこのスタンドの音の核となるのが、天板と支柱を3つの鋼球で支える独自のデカップリング構造です。重量で振動を抑え込むのではなく、スピーカーをスタンドから巧みに分離させることで、スピーカー本来の自由な響きを引き出します。天板にはMDF素材が使われており、スチールフレームとは異なる共振特性を持たせることで、特定の周波数での鳴きを抑えています。
音質 ー 芯がありつつ開放的で歌う
サウンドは期待通りでした。Jodelicaがスピーカーの存在を消し、ふわりと音が浮かび上がるタイプだとすれば、Solidsteelは適度な音の芯を残しつつ開放的で、スピーカーをよく歌わせるスタンドです。
低域はタイトに引き締まり、ブーミーな響きがありません。中高域の見通しも良く、背景の静けさが際立ちます。不要な反射面を最小限に抑えた三脚のフレーム構造が、スピーカー周囲の気流を阻害せず、開放的な音場表現に繋がっているのだと思います。
国産の剛性だけしっかりした鳴かないスタンドと比較すると、その変化量に驚くはずです。
カスタムパーツ備忘録
オークションで手に入れたのは支柱と天板だけのジャンク品でした。本体は格安でしたが、スパイクやボールベアリングといった重要パーツが欠品しており、それらをひとつひとつ揃えていくと、最終的にパーツ代のほうが本体より高くなってしまいました。
ただ、長年探し続けたスタンドを自分の手で完成させていく過程は非常に満足度の高いものでした。もし中古品などを手に入れる機会があれば、参考にしてください。
スパイクとスパイク受け
スパイクは8mm径です。AETのものを選びました。
スパイク受けはSoulnoteにしました。山本音響とカーボンも試しましたが、これがしっくりきました。
スティールボールとアルミパイプ
天板と支柱間のデカップリングに使うボールです。
この手のボールは、Finite ElementeのCeraBaseを使っていた時代にいろいろと実験した経験があり、すぐに手配できました。オリジナルはスチール球ですが、経験を踏まえてセラミックボール(窒化珪素)にしています。ターンテーブルのベアリングボールにも同じ素材のサイズ違いを使っており、オリジナルより静かに回ります。
サイズ:3/8(9.525mm)セラミックボール(窒化珪素)等級:G3
購入先: 有限会社舟辺精工
中央のアルミパイプは無くても良いかとも思いましたが、一応付けました。
アルミ丸パイプ 直径13mm 厚み2mm
購入先: 鉄板市場
アルミパイプと天板間のOリングも用意しました。
Oリング NBR-70-1 (1A) S-9 <線径φ1.5mm × 内径φ8.5mm>
購入先: Oリング.com
天板の特注
オリジナルの天板はスピーカー本体よりも大きく、はみ出す感じが美観的にしっくりこないため、スピーカーにぴったりのサイズで制作しました。
オリジナルの天板はMDFだと思います。すごく軽くてカンカン鳴きますが、結果的に抜けの良い好ましい音になるので、これもトータルの音作りのセンスなのでしょう。
そこでオリジナルを尊重し、重厚なものよりも響くタイプの木材を選ぶことにしました。楽器にも使われる無垢板スプルースで、自然塗料カラー(ダークブラウン)を選択。オリジナルと同じように底面が小さくなるカットにしています。

購入してから完成形になるまで時間はかかりましたが、とても満足しています。将来スピーカーを変更した場合は、天板だけまた作り直すつもりです。
入手について
このスピーカースタンドはおそらく30年近く生産され続けている製品です。多少の変更はあるかもしれませんが、それだけ完成された設計と考えてよいと思います。
残念ながら2025年現在、日本にSolidsteelの正規代理店はありません。過去に取り扱いが再開された時期もありましたが、現在は再びなくなっています。新品の入手は困難で、中古市場やオークションで探すか、海外ショップからの個人輸入になります。本国イタリアや米国のショップも調べましたが、日本への発送に対応していないケースが多く、根気が必要です。
Roon
SACD

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