
レコードの音質を最大限に引き出すために、適切なクリーニングは欠かせません。新品レコードでもプレス時の残留物が付着していることが多く、クリーニングで音質が向上します。また、定期的なクリーニングはカートリッジ針の寿命を延ばし、大切なレコードを長く楽しむことができます。
この記事では、超音波式やバキューム式など、各種レコードクリーニングマシンの特徴と選び方を、実際の使用経験を交えて詳しく解説。予算や使用環境に応じた最適な1台の選び方をご紹介します。
レコードを洗うことの重要性
レコードクリーニングは、音楽愛好家にとって欠かせない重要な作業です。その理由は主に以下の3つです:
1. 音質の向上
新品レコードでもプレス時の剥離剤が残っていることが多く、クリーニングで音質が向上します。また、静電気によって集まったほこりも取り除くことができ、より良い音質で音楽を楽しむことができます。
2. ノイズの低減
中古レコードでよく聞かれるチリパチノイズの多くは、溝に詰まった汚れが原因です。適切なクリーニングでこれらのノイズを大幅に低減できることがあります。ただし、レコード盤面の傷に起因するノイズは、クリーニングでは改善できません。
3. カートリッジの保護
レコード盤の汚れは針先に付着し、時間とともに固まってしまいます。これによりカートリッジの寿命が大幅に短くなってしまう可能性があります。定期的なクリーニングでカートリッジを保護し、長く使用することができます。
本記事では、これらの重要性を踏まえた上で、各種クリーニングマシンの特徴や選び方を詳しく解説します。予算や使用環境に応じた最適な方法が必ず見つかるはずです。
洗浄方式の違い
超音波方式とバキューム式
クリーニングマシンは大きく分けると、超音波方式とバキューム式があります。
どちらの方式にも一長一短があります。理想は超音波洗浄後のバキュームです。
超音波式
バキューム式

導入したのは超音波タイプです。
レコード洗浄機を購入する際に自分で調べたり、実際に使ってみて感じたことを紹介します。
おすすめのレコードクリーニングマシン
価格の安い順に紹介します
ナガオカ - CLP02
オフィシャル: NAGAOKA - レコードクリーニング用ラベルプロテクター CLP02
一番簡単なクリーニング方法です。
レーベルカバーをつけて水でバシャバシャ洗います。
カビがひどい場合は中性洗剤を少しだけ付けて洗っています。
このクリーニング方法だけで十分という人もいます。

WEWU - 超音波洗浄機 レコード クリーナー セット

アマゾンなどで買える格安超音波レコード洗浄機です。
この製品は実物を見たことはありませんが、レビューをみるとおおむね好評のようです。
オーディオメーカーのものと比べると格安なので、気軽にクリーニングマシンを使ってみたい方には良いと思います。

HumminGuru - Ultrasonic Vinyl Record Cleaner

HumminGuru(ハミングール)はKickstarterで資金調達に成功し、販売されました。
シンプルなデザイン、低価格ということもあり、その時点で一部で話題になりました。
超音波洗浄、乾燥まで行うことができます。
PERFECTION - PFT-VC1 BLANC PUR NEO
Made in Japanのレコードクリーナー。
以前に、for SMiLE labブランドで出ていたクリーナーが、PERFECTIONチームの共同開発でモデルチェンジしました。
輸入が途絶えた、VPIに変わるバキューム式定番クリーナーになりそうです。
単品販売もしている、クリーニングブラシ<超極細>はこの手のタイプでは一番優秀です。
VPIユーザーにもおすすめです。
いわゆるデンターシステマ系の極細です。
トークシステム(ベルドリーム) - US-60V
私はトークシステム製を購入しました。
ベルドリームでも同内容の製品がありますが、こちらが本家でベルドリームが販売代理を行っています。
片面2分、向きを変えてもう2分、温度37度にして洗っています。
水槽に汚れがたまるのが嫌なので、レーベルカバーを付けた状態で水道水で洗ってから超音波洗浄を行っています。また、同時に洗うのは10枚までにしています。
2Lの水に対してドライウェルを2-3滴加えています。
水にいろいろ混ぜて実験もしましたが、これが一番しっくりします。

また、レコードの乾燥台はこれを使っています。
KEITHMONKS - PRODIGY “JAPAN LIMITED” RECORD CLEANING MACHINE
オフィシャル: PRODIGY “JAPAN LIMITED” RECORD CLEANING MACHINE

最近日本に上陸した英国のクリーニングマシンです。
もっと昔からあればこれを購入していたと思います。
レコードの溝単位で吸引するため、ベルベットなどを使った一般的なバキュームタイプの拭き残り問題をほぼ解消しています。また、バキューム音も静かです。
また、同社のクリーニング液はとても優れています。私は光学ディスク用のクリーニング液を愛用しています。
HANNL - Mera Professional
オフィシャル: HANNL Mera Professional
バキューム式タイプの王様です。
ブラシのセット後に開始ボタンを押すだけで洗浄から吸引まで可能なオートモードも搭載。
もちろんマニュアルでこだわりのクリーニングも可能です。

レコードクリーニング まとめ
- 音質向上:新品レコードでもクリーニングで音質が改善する
- 中古レコードのチリパチノイズにも効果あり、ただし傷起因のノイズには効果はない
- カートリッジの長寿命化:針先の汚れ付着を防ぎ、寿命を延ばす
- 静電気対策:ほこりの付着を減らし、再生時のノイズを軽減
- クリーニング方式の比較
超音波式:ランニングコストが安く、表裏同時洗浄可能だが、基本的に水しか使えない。
バキューム式:任意のクリーニング液を使用できる。洗った汚れをバキュームで吸い取る、ランニングコストが高い、バキューム音がうるさい - 理想的な方法:超音波洗浄後のバキューム乾燥
- 手軽なクリーニング方法
レーベルカバーを使用した水洗い:簡単で効果的な方法
中性洗剤の使用:カビなど頑固な汚れに効果的 - クリーニングマシンの選び方
方式の選択:バキューム式と超音波式の2種類があり、それぞれの特徴を考慮する
予算:高価な専用機から格安の中華製まで幅広い選択肢がある
機能:自動化の程度、逆回転機能、乾燥機能など、必要な機能を検討 - クリーニング後の注意点
新しい内袋への交換:クリーニング効果を持続させるために重要
適切な保管:クリーニング後のレコードを清潔な環境で保管
洗ったレコードは新しい内袋に入れましょう。
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