レコード洗浄機おすすめ6選|超音波式・バキューム式の選び方と比較

レコード洗浄機の比較

新品・中古を問わず、買ったレコードは必ず洗浄してから内袋に入れています。新品でも盤に残った離型剤がチリパチノイズの原因になるからです。

現在メインで使っているのはトークシステムのUS-60V(超音波+ブラシ式)で、片面2分・水温37度・ドライウェル2〜3滴という設定に落ち着いています。この記事では、手軽な手洗いから本格的な洗浄機まで、実際に試してきた方法と製品を整理します。

目次

まず知っておきたい:洗浄方法の選び方

本格的な洗浄機には「超音波式」と「バキューム式」の2方式があります。どちらが優れているというものではなく、得意な汚れと使い勝手が異なります。

超音波式 vs バキューム式の違い

比較項目超音波式バキューム式
洗浄原理ミクロの泡で、溝の底から汚れを剥離洗浄液で汚れを溶かし、液体ごと吸引
得意な汚れ離型剤、カビなど、こびり付いた汚れホコリ、指紋の油分など、表面的な汚れ
ランニングコスト安い(主に精製水)高い(専用の洗浄液が必要)
汎用性基本的に水洗い(一部例外あり)様々な洗浄液を試せる
動作音比較的静か(乾燥ファンを除く)大きい(KEITHMONKSは例外)
乾燥時間がかかる(自然乾燥またはファン)早い(吸引と同時にほぼ乾燥)

究極を言えば「超音波で溝の底から汚れを浮かせ、その汚れた液をバキュームで完全に吸い取る」二刀流が理想です。ただし現実的には、まず1台選ぶことになります。

目的別・現実的なおすすめの選び方

  • 溝の奥の根本的な汚れ(離型剤・カビ)を取りたい → 超音波式
  • 様々な洗浄液を試しながらスピーディに洗いたい → バキューム式
  • 全自動で手間をかけたくない → HumminGuru HG-01(超音波・全自動)
  • まず洗浄効果を体験したい・コストを抑えたい → 水洗いキットまたはWEWU

レコード洗浄機おすすめ6選

価格の安い順に紹介します。

スクロールできます
WEWU超音波洗浄機超音波洗浄機HG-01HG-01PFT-VC1PFT-VC1US-60VUS-60VPRODIGYPRODIGYDegritter MkⅡDegritter MkⅡ
メーカーWEWUHumminGuruPERFECTIONトークシステムKEITHMONKSDegritter
方式超音波超音波バキューム超音波+ブラシバキューム超音波
洗浄力★★★☆☆★★★☆☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★★
手軽さ★★☆☆☆★★★★☆★★★☆☆★★☆☆☆★★★☆☆★★★★★
乾燥なしありありなしありあり
主な特徴格安洗浄から乾燥まで全自動日本製ブラシと超音波拭き残しがない圧倒的な洗浄力、静音性
購入先AmazonAmazon楽天生産完了ビックカメラ楽天

WEWU ― 超音波洗浄を低価格で試したいなら

オーディオ専用機ではなく、汎用の超音波洗浄機にレコード用アタッチメントを組み合わせた製品です。乾燥機能はなく、長期的な耐久性にも不安はありますが、超音波洗浄の効果を最小コストで体験できる入口として割り切って使うのであれば選択肢になります。

WEWU 超音波洗浄機 レコード クリーナー セット (Aセット)
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総合評価
( 3.5 )
メリット
  • 超音波洗浄機としては圧倒的に安価で、導入のハードルが低い。
  • 一度に複数枚のレコードを同時に洗浄できる。
  • レコード以外のアクセサリー類の洗浄にも使える汎用性がある。
デメリット
  • 乾燥機能がなく、洗浄後の手間がかかる。
  • オーディオ専用設計ではないため、長期的な耐久性やサポートに不安が残る。
  • 動作音が比較的大きい。

HumminGuru HG-01 ― 全自動で手間をかけたくないなら

超音波洗浄から乾燥まで全自動で完結する手軽さは、この価格帯では唯一の選択肢です。洗浄液をろ過する機能がないため複数枚洗うと水が濁りやすい点は注意が必要ですが、毎回水を替える運用で対応できます。洗浄性能よりも「続けられる手軽さ」を重視するならこれです。

HumminGuru - HG-01
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総合評価
( 4 )
メリット
  • 超音波洗浄から乾燥までを全自動で行い、非常に手軽。
  • コンパクトでスタイリッシュなデザイン。
  • 全自動機としては比較的リーズナブルな価格設定。
デメリット
  • 洗浄液をろ過する機能がないため、複数枚洗浄すると水が汚れやすい。
  • プラスチック製のパーツが多く、耐久性に懸念を持つユーザーもいる。

PERFECTION PFT-VC1 BLANC PUR NEO ― 国産バキューム式の現行定番

日本製のバキューム式洗浄機です。バキューム時の動作音は覚悟が必要ですが、洗浄液を確実に吸い上げる基本性能は信頼できます。輸入が途絶えたVPIの後継として、バキューム式の現行定番になりつつある1台です。付属のクリーニングブラシは単体でも購入できる優秀なもので、デンターシステマ系の極細タイプです。VPIユーザーにもすすめられます。

PERFECTION - PFT-VC1 BLANC PUR NEO
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総合評価
( 4 )
メリット
  • 日本製ならではの、しっかりとした作りと信頼性。
  • 静電気が起きにくい素材を採用している。
  • 付属のクリーニングブラシが非常に優秀。
デメリット
  • バキューム(吸引)時の動作音が非常に大きい。
  • プラッターの逆回転機能が無い。

トークシステム US-60V ― 超音波+ブラシの二段構え(生産完了・私の使用機)

現在私が使っているモデルです。超音波とブラシを組み合わせた方式で、設定は片面2分・向きを変えてもう2分・水温37度・2Lの水にドライウェル2〜3滴が今のところ一番しっくりきています。

水槽に汚れがたまるのが気になるため、レーベルカバー(CLP02)を付けた状態で水道水で洗ってから超音波洗浄に移しています。同時に洗うのは10枚までにしています。残念ながら現在は生産完了で入手困難です。

トークシステム(ベルドリーム) - US-60V
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総合評価
( 4 )
メリット
  • 超音波の力に加え、物理的なブラシも併用することで、極めて高い洗浄力を発揮する。
  • レコードの向きを変えることで、正逆両方向からの洗浄が可能。
  • 水の温度を調整するヒーター機能がある。
デメリット
  • 乾燥機能が無いので、自然乾燥が必要。
  • 現在、生産完了で入手が困難。
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乾燥台はこれを使っています。

KEITHMONKS PRODIGY ― 溝単位で吸引する静粛なバキューム式

英国KEITHMONKSの日本限定モデルです。内周から外周に向かって溝を一本ずつトレースしながら吸引するため、一般的なバキューム式で起きやすい拭き残しをほぼ解消しています。バキューム式にしては動作音も静かで、竹製の筐体もユニークです。同社のクリーニング液は光学ディスク用のものを愛用しています。これが先に日本に来ていたら購入していたと思います。

KEITHMONKS - PRODIGY “JAPAN LIMITED” RECORD CLEANING MACHINE
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総合評価
( 4 )
メリット
  • 内周から外周に向かってトレースすることで溝ごとに吸引が可能。盤面に薬液が一切残らない。
  • CDやDVDなどの光学系メディアのクリーニングもできる。
  • コンパクトで、竹製の筐体がユニーク。
デメリット
  • 洗浄液は塗布するだけなので溝奥の汚れは取り出しづらい。
  • 溝ごとに吸引していくため、洗浄にやや時間がかかる。

Degritter MkⅡ ― 超音波洗浄機の現時点での頂点

120kHzの強力な超音波と、フィルターで洗浄液を常にクリーンに保つシステムを組み合わせた超音波洗浄機です。乾燥まで自動で完結し、静音性も高く、デザインも洗練されています。価格は6製品中最高ですが、超音波洗浄機としての完成度は現時点でこれを超えるものはありません。専用洗浄液以外は推奨されていない点は注意が必要です。

Degritter - Degritter MkⅡ
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総合評価
( 5 )
メリット
  • 強力な超音波洗浄(120kHz)と、特許技術の乾燥システムによる圧倒的な洗浄・乾燥能力。
  • 洗浄液を常にろ過し、クリーンな状態を保つフィルターシステムを搭載
  • 静音性が非常に高く、デザインも洗練されている。
デメリット
  • 価格が非常に高価。
  • 専用の洗浄液以外は推奨されていない。

手軽な手洗いクリーナー2選

洗浄機を導入する前の入口として、あるいは洗浄機の前処理として使える方法です。

レイカ バランスウォッシャー ― 塗布・拭き取り式の入口

専用液を塗布してクロスで拭き取る方式です。表面のホコリや指紋には効果的で、準備不要でいつでも使えます。ただし拭き取りが不完全だと洗浄液の成分が溝に残ってノイズ源になるリスクがあり、溝の奥の離型剤やカビを完全に除去するのは難しいです。

レイカ バランスウォッシャー
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総合評価
( 3 )
メリット
  • 準備や後片付けが非常に手軽で、思い立った時にすぐ使える。
  • 専用液の洗浄能力が高く、表面的なホコリや指紋の油分には効果的。
  • コストが比較的安く、洗浄を始める最初のステップとして導入しやすい。
  • 電気を使わないため、どこでも静かに作業できる。
デメリット
  • 拭き取りが不完全だと、洗浄液の成分と汚れが溝に残り、新たなノイズ源になるリスクがある。
  • 溝の奥にこびりついた離型剤やカビを、完全に除去するのは難しい。
  • 拭き取る際に、クロスで盤面に微細な傷をつける可能性がゼロではない。

水洗い(NAGAOKA CLP02)― ランニングコストゼロの安全な方法

レーベルをカバーで保護しながら水道水で洗い流す方法です。洗浄液が盤面に残る心配がなく、目に見えるホコリや軽いカビを物理的に落とせます。汚れがひどい場合は中性洗剤も使えます。乾燥に時間と場所が必要な点が難点ですが、超音波洗浄の前処理として組み合わせるのにも適しています。

NAGAOKA LPレコードラベル保護プロテクター CLP02
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総合評価
( 3.5 )
メリット
  • 水道水で洗い流すため、洗浄液が盤面に残る心配が全くない、最も安全な方法の一つ。
  • 目に見えるホコリや、軽いカビなどを物理的に洗い流す効果が高い。
  • 汚れがひどい場合、中性洗剤の使用もできる。
  • ランニングコストがほぼかからない。
デメリット
  • レコードを完全に自然乾燥させるための時間と、安全な場所が必要。
  • 水だけでは、頑固な離型剤や油性の汚れを分解するのは難しい。

【実測】洗浄前後の比較データ

実際に超音波洗浄機で洗浄した前後の状態を比較しました。

溝の汚れはどこまで落ちたか(マイクロスコープ比較)

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洗浄前
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洗浄後

使用したレコードは元々の状態が良かったため、家庭用のマイクロスコープでは劇的な差の視覚化は難しいです。洗浄の真価はミクロン単位の離型剤や溝の底にこびりついた微細な汚れの除去にあります。

チリパチ音はどれだけ減ったか(録音データ比較)

洗浄前

洗浄後

使用したレコードはEMI ASD3081(白黒切手初版)、クリスティーナ・オルティス(ピアノ)、パーヴォ・ベルグルンド(指揮)、ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲。ディスクユニオンで盤質B・2,000円の中古盤です。録音データはノーマライズのみで他は未加工です。実際のリスニングでは録音データ以上の改善効果が感じられます。

レコード洗浄で得られる3つの効果

  1. 音質の向上:ホコリ・カビ・離型剤が除去されることでチリパチノイズが減り、スタイラスが溝の情報を正確にトレースできるようになる
  2. 静電気の減少:適切な洗浄と乾燥で盤面の静電気がリセットされ、保管中のホコリ再付着を抑えられる
  3. カートリッジの保護:汚れた溝でスタイラスを走らせるのは針の摩耗を早める。定期的な洗浄が高価なカートリッジの寿命を延ばす

まとめ

どの洗浄機を選ぶかより、「洗わずに使い続ける」ことのほうが盤とカートリッジへのダメージは大きいです。まず始めるなら水洗いキットかWEWUで十分で、手間をかけたくなければHumminGuru、洗浄力を上げたくなったタイミングでバキューム式や上位の超音波機に移行するのが現実的な順序だと思います。

洗浄後は必ず新しい内袋に移し替えてください。汚れた内袋に戻してしまうと洗浄の効果が半減します。内袋の選び方については別記事で詳しく解説しています。

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