
白ラベル、プロモ盤の音質は良いのか検証してみました。
昔から気になっていましたが、今まで取り上げていませんでした。
ある程度サンプルがそろったので、自分なりにまとめてみます。
プロモ盤白ラベルのレコードは、音が良い?
白ラベルとは以下のようなレコードです。
これは以前に紹介した、Pisano & Ruff

同じく以前紹介したMiss Abrams and The Strawberry Point 4th Grade Class

クラシックでも白ラベルがあります。
米マーキュリー

英デッカ

デッカには白ラベル以外のプロモ盤も存在します。

EMIはシールタイプが多い印象です。今回このタイプは除外します。

一般的なレコード製造工程
- マスター音源をラッカーディスクにカッティング(いわゆるラッカー盤)
- ラッカー盤は柔らかいため、表面に銀コーティングし、さらにニッケルメッキを施した上で剥離する。この金属盤がメタルマスター(マスタースタンパーとも呼ぶ)。
ラッカー盤から型を取っているので、通常のレコードとは反対の凸形状になっている。
- メタルマスターにメッキをして剥離すると、通常のレコードと同じ凹のスタンパーができる。これをマザースタンパーという。最大10枚程度。
- マザースタンパーをさらにメッキして剥離した凸のスタンパー(こちらも最大10枚程度)が、レコードのプレス機に取り付けられる。
ダイレクトカッティングとは、通常は録音・編集して作成されるマスター音源を、その場でミックスダウンしてラッカー盤を製作する手法を指します。
1つのスタンパーからプレスできるレコードはおよそ2000枚程度と言われています。
つまり1つのラッカー盤から生まれるレコードは、最大でマザースタンパー10枚 × プレス機に付けるスタンパー10枚 × 2000枚として、20万枚程度になります。
レコードの1stプレスとは
大きな括りでの1stプレスとは、最初に製作されたラッカー盤から作られたレコードを指します。
2世代目のラッカー盤から製造されたレコードが2版、以下3版…と続きます。
レーベルごとにルールは異なると思いますが、マトリクス番号の末尾の数字が何回目のラッカー盤かを示しているケースが多いようです。何らかの理由でそのラッカー盤が使用されないケースもあるため、1/1の次が2/4というように数字が飛ぶことも珍しくありません。
再発盤の場合はマスターテープ自体が劣化しているケースが多いこと、ラッカー盤を製作するカッティング技師や機械が変わっていることが、音質が大きく変わる主な要因です。
クラシックのレコードはラベルで判断する場合が多く、ED1・ED2と表記しますが、マトリクスまで言及しない販売店も多いです。

プロモ盤の音質を検証する
プロモ盤は一般流通の前に製作される場合が多いため、初期マザーおよび若いスタンパーを使用しているケースが多いと考えられます。
レコード製造工程を考えると、録音当時のマスター音源を使い、然るべき技師がカッティングしたラッカー盤から製造されたレコードを重宝するのは自然な流れです。
ただし、場合によっては2回目のラッカー盤の方が出来が良いケースもあるでしょう。
また、1つのスタンパーから2000枚程度のレコードが製造されると考えると、1枚目と2000枚目では音質に差が出るのは想像に難くありません。
さすがに何枚目のプレスかを知る術はありませんが。
結局は、手元のレコードを実際に聴いて判断するしかありません。
チョン・キョンファのレコードで比較してみました。

このレコードは10枚以上購入しています。
基本的にA-B比較して良い方を残し、悪い方は手放しています。
過去に購入したレコードのマトリクス番号を古い順に挙げると、
2W/2W
4W/2W(白プロモ)
4W/2W
5W/3W(白プロモ)
5W/3W
7W/3W
8W/4W
9W/5W
10W/5W
10W/6G(蘭プレス)
10W/7G(蘭プレス)
となっています。
実際にはこの中でダブりもあります。
データを見ると、白プロモ盤は初期のプレスではありますが、必ずしも最初期ではないことが分かります。
このレコードでは2W/2Wではなく、4W/2Wの白プロモを手元に残しています。
盤質も含めた総合的な観点から最良と判断したためです。
このレコードだけで白プロモが優秀と結論付けるつもりはありませんが、一つの参考データとして紹介しました。
昔はプロモ盤(サンプル盤)というと通常盤より安く買えるイメージでしたが、いつ頃からか希少性が意識されるようになり、高騰している印象があります。
個人的には無理にプロモ盤を狙う必要はないと思いますが、同じ値段で売っていればプロモ盤を選びます。
Roon
SACD
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