Miss Abrams and the Strawberry Point 4th Grade Class

1970年、カリフォルニア州ミルバレーの小学校から生まれた一曲のシングルが、全米チャートを駆け上がりました。教師と生徒たちが歌う素朴なソフトロックは、グラミー賞ノミネートにまで至り、その勢いのまま制作されたのが本作です。

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Miss Abrams and the Strawberry Point 4th Grade Class

Reprise - MS2098

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本作の中心人物Rita Abramsは、オハイオ州クリーブランド出身のソングライター兼教師です。

クリーブランド音楽院でクラシックピアノと音楽理論を学んだ後、1968年にカリフォルニアへ移住し、ミルバレーのStrawberry Point小学校で教壇に立ちました。1969年のクリスマス、園児たちのために書き下ろした「Mill Valley」が、すべての始まりでした。

転機となったのは、プロデューサーErik Jacobsenとの出会いです。The Lovin' SpoonfulやNorman Greenbaumを手がけた人物で、Abramsは自宅でテープを聴かせる機会を得ます。当初は園児たちで録音を試みたものの仕上がりに難があり、最終的にWally Heider Studiosで3年生のクラスとプロの環境で録り直されました。1970年6月にReprise Recordsからシングルとしてリリースされると、Billboard Hot 100で90位、Adult Contemporaryチャートで5位を記録し、グラミー賞にもノミネートされています。

シングルのヒットを受けて、翌年進級した4年生の名義で制作されたのがこのアルバムです。Abrams自身が手がけた楽曲は、自然への賛美や日常の幸福感を子供たちの視点で誠実に描いています。政治的なメッセージや観念的な言葉はなく、目の前の世界への肯定感に満ちた内容です。

プロジェクトには時代を象徴する才能も集まりました。

プロモーション写真はAnnie Leibovitzが撮影し、1970年7月4日のミルバレー独立記念日パフォーマンスは若き日のFrancis Ford Coppolaが映像化しています。子供たちの愛らしいコーラスはもちろん、楽曲の完成度が高く、バックを固めるミュージシャンも一流です。

アルバム全体に統一感があり、企画盤の枠を超えた洗練された仕上がりとなっています。

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