これの続きです。

EMIの歴史を紹介する中で、国別のクオリティー差はあるのか?
というお題で終わっていましたので、実際に比べてみます。
英Columbiaと仏Patheでの音質比較
EMI関連は、基本は英国のレコードで評価するべきだと思いますが、例えばアーティスト、作曲家、録音場所がフランスで行われていれば、仏のほうがオリジナルでは?という考えは当然あると思います。
ただし前にも書きましたが、フランス録音でも、英国から録音技師が向かい、マスターを英国に持ち帰るケースも多くあるそうです。この辺は今となっては調べようがないですが…。
ここで、このレーベルでは最も思い入れのあるレコードを1枚取り上げます。
Samson Francois - Ravel: Concerto in G Major, Concerto For The Left Hand
Columbia - SAX 2394
Columbia - SAXF 136

クラシックに興味を持つキッカケの1つが、このサンソン・フランソワのラヴェルです。最初にCDを買って、後にレコードを買いました。当初は英Columbiaの再発しか持っていませんでした。
演奏は、フランス人のラヴェルをフランス人ピアニスト、オケはパリ音楽院管弦楽団、指揮はアンドレ・クリュイタンスという布陣です。1959年のセッションで、ラヴェル演奏の定盤とされてきた1枚です。
その後、仏Patheのセミサークル相当となるCVB 836を入手し、その音が悪くなかったので初版も入手しました。英盤はSAX 2394、仏盤はSAXF 136でいわゆる棒付きジャケです。さらに仏Columbiaの第2版にあたるSAXF 836もあり、こちらはブルー&シルバー相当の位置づけになります。
2つある協奏曲のうち、左手の序盤で交互に何度か聴き比べてみました。
今までの経験上、パテ盤はキリッとしていて、どちらかと言えば腰高なイメージを持っていました。実際、セミサークル相当のCVB 836はそのような傾向を感じます。
SAXF 136を聴くと、CVBに比べると濃い音に変わります。線は細いですが、切れ味はCVBのほうがありますね。SAX 2394との比較だと、初版同士で比べると思ったほどの大きな差はありません。強いて言えば、やはり英盤のほうが重心が低いでしょうか。
盤の材質の問題なのか、英コロムビアの初期盤は、見た目がきれいでもノイジーなレコードが多くあります。仏盤のほうがノイズが少ないことが多いです。
良質な英初版をコレクションできる経済力がある人は、それが間違いないと思いますが、パフォーマンスでいうと、仏2版以降も悪くはないと思います。
今回は比較したレコードがラヴェルとフランソワにパリ音楽院管弦楽団でしたので、一般的な作品だともっと英盤有利だと思われます。
クラシックレコードのオリジナル盤が持つ魅力と、簡単な見分け方をまとめました。ぜひ、あなたのコレクション鑑定にご活用ください。
