Jon Batiste - Beethoven Blues

Jon Batisteが2024年にVerve / Interscopeからリリースしたソロピアノ作品です。

「Batiste Piano Series, Vol. 1」と銘打たれた本作は、ベートーヴェンの代表作を素材にブルースやニューオーリンズの語法で再構築した楽曲と、Batiste自身のオリジナル曲を織り交ぜた全11曲で構成されています。

5度のグラミー賞と1度のアカデミー賞を受賞しているJon Batisteは、ジュリアード音楽院でクラシックの訓練を受け、ルイジアナの音楽的風土に根を持つピアニスト・作曲家です。2022年にはカーネギーホールの委嘱作「American Symphony」を初演しており、ジャンルを横断する独自の音楽観を一貫して提示し続けています。

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Jon Batiste - Beethoven Blues

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Jon Batiste - Beethoven Blues

本作の構想は、2023年のCNN・Chris Wallaceによるインタビューが発端になったと伝えられています。

番組内でBatisteがピアノに向かい、「Für Elise」をその場でブルースに変容させてみせたところSNSで大きな反響を呼び、かねてから温めていたこのアルバムの制作が動き出したという経緯です。

収録曲は、ベートーヴェン由来の素材(「Für Elise - Batiste」「Symphony No. 5 Stomp」「Moonlight Sonata Blues」「7th Symphony Elegy」「Ode to Joyful」「Waldstein Wobble」「Für Elise-Reverie」)と、Batiste自身のオリジナル(「Dusklight Movement」「American Symphony Theme」「5th Symphony in Congo Square」「Life of Ludwig」)が交互に配置された構成になっています。原曲のフレーズからブギウギやストライドへと滑り込み、コンゴ・スクエアやニューオーリンズの空気へと場を移しながら、再び沈思的な独白へと戻っていく流れが無理なく繋がれています。

Jon Batisteは有名アーティストということもあり、Roonのおすすめで度々耳にしていました。すべての作品を熱心に追っているわけではないのですが、本作はとりわけ惹かれるものがあり、Qobuzの96kHz/24bitでよく聴いていました。CDは所有していません。

その後LPがあることを知り購入したところ、ピアノの音の厚みはLPの方があり、全体の質感もこちらの方が好ましく感じられました。デジタルにはデジタルの良さがありますが、本作に関してはLPの方が私の好みに合います。

ベートーヴェンの作品を自身の解釈で再構築したアルバムという位置づけですが、個人的にはオリジナルの「American Symphony Theme」が特に好きです。ベートーヴェン由来の楽曲と並べて聴くことで、Batisteが何を受け継ぎ何を自分のものとして差し出しているのかが、この一曲に凝縮されているように感じます。

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