Elis Regina - ...Em Pleno Verão

1970年、ブラジルは軍政令第5号(AI-5)の発令から間もない厳しい弾圧の時代にありました。カエターノ・ヴェローゾやジルベルト・ジルといったトロピカリアの中心人物が逮捕・亡命を余儀なくされる中、エリス・レジーナは祝祭的な輝きに満ちた本作を世に送り出しています。

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Elis Regina - ...Em Pleno Verão

Philips - 811 467-1

811 467-1

当時のブラジル音楽界は、ボサノヴァの第一波が過ぎ去り、トロピカリアは弾圧を受け、商業的にはホベルト・カルロス率いるポップ・ロック運動「ジョーヴェン・グアルダ」が市場を席巻していました。

エリスはジョーヴェン・グアルダに批判的であったことで知られていますが、本作ではあえてホベルト&エラズモ・カルロスの「As Curvas da Estrada de Santos」を取り上げています。この選択は、確立されたサンバやボサノヴァの枠を超え、新たな時代に対応するためのレパートリーの転換を示すものでした。

プロデュースはNelson Motta、アレンジはErlon Chavesが担当しています。Mottaはエリスのイメージ刷新を意図しており、楽曲提供者にはカエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、ジョルジ・ベン、トム・ジョビン、そしてTim Maiaと、ジャンルの垣根を越えた顔ぶれが並びます。Tim Maiaとのデュエット「These Are the Songs」は、ポルトガル語と英語が交錯する異色の一曲で、本作の象徴的なトラックの一つです。

太陽を連想させるジャケットの印象そのままに、テンポの良い楽曲が並び、歌唱には力強さとロック的な躍動感があります。

オリジナル盤はR 765.112 Lでモノラル録音です。ステレオの初出は1983年の811 467-1(8)で、以降も再発が続いています。

エリス・レジーナは1982年、36歳の若さで急逝しました。短いキャリアの中で数多くの作品を残していますが、本作はその転換点に位置する重要な一枚です。国民的シンガーとして映像も多数残されています。

アルバムとは違うバージョンです
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