Istvan Kertesz - Dvorak: Symphony No. 8

ケルテスのドヴォルザークというと、ウィーンフィルと入れた第9番「新世界より」ばかりが取り上げられがちですが、その後ロンドン交響楽団と第1番から第9番までの全集を残しています。

ハンガリー出身の指揮者が短い生涯の中で成し遂げた、ドヴォルザーク交響曲全集としては最初期の完成形です。今回ステレオサウンド企画で第8番がSACD化されたので、速攻で購入しました。

ロンドン響との全集の中では一番よく聴くレコードで、SACDのリリースを心待ちにしていた1枚です。

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Istvan Kertesz - Dvorak: Symphony No. 8

Decca - SXL6044
Stereo Sound - SSHRS-058/059

SXL6044

録音は1963年2月、ロンドンのキングスウェイ・ホール。エンジニアはアーサー・リリー、プロデュースはレイ・ミンシュルという、Decca黄金期の布陣です。カプリングの「スケルツォ・カプリチオーソ」も同時期の録音で、ステレオサウンドのSACDにも収録されています。

手持ちは英オリジナルのED1盤。マトリクスは3G/3Gです。何度か買い直していますが、ずっと3G/3Gでした。これより古い番号があるかは分かりません。

ちなみに、ケルテス/ロンドン響のドヴォルザーク交響曲で英オリジナルがED1なのは、この第8番と第7番だけで、他はED2が初出です。全集は後追いで録音されたため、初期の2タイトルだけがED1世代に間に合った、ということになります。

ステレオサウンドのSACDはノイズフロアが下がって、すっきりくっきりという方向性です。オリジナルLPのような濃密な空気感とは別物ですが、細部の見通しのよさは明確なアドバンテージです。

以前、知人のお宅でこの作品のSpeakers Corner盤のレコードと比較させていただいたことがあるのですが、オリジナルと比べると寝ぼけた音に感じました。それと比較すると、ステレオサウンドのSACDはかなり善戦している、というのが私の率直な感想です。Speakers Corner盤と比べて、ケルテスの造形感やLSOの管楽器の存在感がしっかり伝わってきます。

第8番は、第9番「新世界より」ほど知名度はないものの、形式的にはむしろ冒険的で、叙情的な旋律と即興的なエピソードが自由に交錯する魅力的な作品です。

ケルテスの指揮は推進力と歌心のバランスがよく、LSOの木管の明るい響きと、やや荒々しいホルンの鳴りっぷりがドヴォルザークの民族色によく合っています。

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