ネオアコを熱心に集めていた頃、コレクターの間で都市伝説として語り継がれる幻のアルバムが3枚ありました。Tempest、Two People、そしてこのSullivansです。
Tempestのアルバムは幸運にも入手できましたが、Two Peopleに関しては「存在するらしい」という噂のみで、ジャケットすら拝んだことがある人はいません。Sullivansには2ndアルバムの噂がありましたが、こちらも同様に、その存在を確認できたことはありませんでした。
今回、その1stアルバムに未発表曲を加えた形で、待望の初CD化が実現しました。
The Sullivans - Somewhere Songs
Firestation - FST116

1986年にリリースされたセルフタイトルのミニアルバム全8曲に、コンピレーション収録曲や未発表デモなど8曲を加えた全16曲を収録。ベルリンのインディー・ポップ・レーベル、Firestation Recordsからの公式リイシューです。
The Sullivansは、Jo Clack(ギター・ボーカル)を中心とする英国のインディー・ポップ・バンドで、活動は短命に終わりました。しかし、残された音源が放つ魅力は唯一無二です。物憂げなボーカルと繊細で煌びやかなギターアルペジオが織りなすサウンドは、当時の英国インディーシーンの空気を色濃く反映しています。The Stone Rosesの前座としてDingwallsのステージに立ち、BBC Radio 6のSteve Lamacqにも取り上げられるなど、知る人ぞ知る存在でした。
いわゆる王道のネオアコが持つ溌溂としたイメージとは一線を画し、内省的で洒落た独特の気品が漂います。
淡々としたリズムの上を滑るように展開するメロディは、どこか寂しげでありながらも聴き手の心に寄り添う温かみを感じさせます。オリジナル作品では冒頭と末尾の曲が頭一つ抜けている印象ですが、追加された8曲も安定したクオリティを誇り、寄せ集め感は皆無。まるで元々一つの作品であったかのような統一感があります。
CDは限定300枚、LPも200枚限定でのリリース。
個人的に再発LPには食指が動かないため、今回は見送るつもりです。「Blue Train」や「French Impressionists」がCD化された時よりも感慨深いのは、一体なぜなのでしょうね。
Roon
SACD
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