Pete Jolly - Herb Alpert Presents Pete Jolly

1968年、A&Mレコードの共同創設者Herb Alpertがプロデュースしたピアノジャズ作品。ウエストコースト・ジャズの洗練と、当時のA&Mサウンドを象徴するポップな感覚が見事に融合した一枚です。

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Pete Jolly - Herb Alpert Presents Pete Jolly

A&M - SP-4145

SP4145

Pete Jolly(本名Peter Ceragioli Jr.)は、3歳でアコーディオンを始め、7歳でCBSラジオに出演した早熟の音楽家です。

1950年代初頭にロサンゼルスへ移り、Shorty Rogersのバンドに参加してウエストコースト・ジャズシーンの中心人物となりました。昼はスタジオミュージシャンとして「Get Smart」「M*A*S*H」「Dallas」など数百の映画・テレビ作品に参加し、夜はChuck Berghofer(b)、Nick Martinis(dr)との固定トリオでジャズクラブに立ち続けるという二重生活を、40年以上にわたって貫いた人物です。

Herb Alpertは、サンセット大通りのクラブ「Sherry's」で演奏するJollyを見出し、A&Mに迎え入れました。Jollyはアルパートお気に入りのピアニストとして、1968年の全米No.1ヒット「This Guy's in Love with You」の冒頭ピアノを弾くなど、レーベルの重要な録音に貢献しています。本作はその信頼関係から生まれた、A&Mでの最初のリーダー作です。

アレンジと指揮はMarty Paich、エンジニアにはPhil Spectorとの「Wall of Sound」で知られるLarry LevineとThorne Nogarが起用されています。リズムセクションはEarl Palmer(dr)、John Pisano(gt)、Chuck Berghofer(b)。Paichのアレンジはブラスやストリングスに埋もれることなく、Jollyのピアノを前面に押し出す抑制の効いたもので、作品の魅力を引き立てています。

選曲も幅広く、Bacharach作「Windows of the World」で軽快に幕を開け、「Dindi」ではボサノヴァの情緒を漂わせます。Motownヒット「Dancing in the Street」のジャズ解釈や、ソフトロックの定番「Love So Fine」のカバーも秀逸です。亡き友人に捧げた「For Carl」は、夜に小音量で聴きたくなるような静謐な佳曲です。

いわゆるジャズの緊張感よりも、リラックスした空気を楽しむタイプの作品で、流通量も多く手頃な価格で入手しやすい一枚です。

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