1987年、英国のインディーレーベルPure Trash Recordsからひっそりとリリースされたルシンダ・シーガー(Lucinda Sieger)のデビュー・シングル「Sunset Red」。発売当時は大きな話題にはならなかったものの、後年再評価が進み、再発盤がリリースされるに至りました。
私も、2001年にリリースされた再発盤のCDを買って初めてこの曲を聴きました。それから、オリジナルの12インチ、そして7インチも入手しました。
Lucinda Siegerの1stアルバム「I Believe」が再発されたのを知ったのは店舗でした。発売当時は油断して買い逃してしまい、必死で探したCDです。本人ともコンタクトを取りました。ちょうど2ndアルバム「Heart In The Sky」が発売される直前で、2ndアルバムが発売された時に1stアルバムと一緒にサイン入りでいただきました。届いた時には別ルートで入手できた後だったのでダブりましたが、いまだにサイン入りとあわせて2枚持っています。
その後、1stアルバムとSunset Redをカップリングした編集盤CDもリリースされました。こちらは未確認ですが、未発表曲として収録されている「Sunset Red (Unreleased early Demo)」は、7インチバージョンのことでしょうか。
Lucinda Sieger - Sunset Red
Pure Trash - PTR3

Sunset Redは彼女の代表作であり、ネオアコ・シーンにおけるお洒落系の元祖とも言える名曲です。アコースティックを基調に、スキャット調のボーカルやバイオリンを効果的に取り入れた構成が特徴的で、非常に洗練されています。適度なスピード感と都会的な雰囲気を持ち、ネオアコ、サバービア方面でも絶賛されました。橋本徹氏の選曲リスト「Suburbia Suite; Evergreen Review」にも選出されています。
「Sunset Red」のレコーディングには意外なメンバーが多く参加しており、1980年代後半のロンドンの音楽シーンの豊かな人脈が凝縮されています。
バッキング・ボーカルとして、Strawberry Switchbladeのジル・ブライソン(Jill Bryson)が参加しています。当時のUKインディー・ポップや、いわゆるC86と呼ばれるシーンとのつながりを感じさせます。
バックバンドContinental Cartoonには、後に英国エレクトロニック・ミュージック・シーンを牽引するLeftfieldのニール・バーンズ(Neil Barnes)、A Man Called Adamのスティーヴ・ジョーンズ(Steve Jones)が在籍していました。また、Jamiroquaiの初期メンバーとして「Emergency on Planet Earth」に参加するニック・ヴァン・ゲルダー(Nick Van Gelder)も名を連ねています。初期のシーガー作品に見られる打ち込みを多用したサウンドは、こうしたメンバー構成を見ると納得できます。
2024年にはアーティストNOA NOAによるカヴァーが7インチ・シングルとしてリリースされるなど、Sunset Redは今聴いても新鮮さを失わず、むしろノスタルジックな魅力を増しています。一番レアだった7インチ・バージョンが再発CDに収録されているとしたら、複雑な気持ちではありますが。
Roon
SACD
コメント