ドイツ・グラモフォンからリリースされたSACDの中からおすすめ作品10枚を紹介
SACDレーベル特集第2弾はドイツのグラモフォン編です。
最初に断っておくと、グラモフォンにDSD録音のSACDは無いと思います。
PCM 48kHz/24bitとか96kHz/24bitなどで録音し、編集して最後にDSD変換してSACDを作成しています。
大手レーベルですので、名演奏、名録音がたくさんあること、PCMマスターであっても、CD層とのクオリティー差が十分感じられますので、第2弾として取り上げることにしました。
そのグラモフォンも現在はSACDのリリースを行っておりません。
高音質ストリーミング、マスターと同じPCMハイレゾ音源が販売できる環境があるため、SACDというパッケージにこだわる必要が無くなったと思います。
レーベル別SACD特集 – DGG(ドイツ・グラモフォン)編
今回も10枚紹介します。
全てPCM録音です。e-onkyoでPCMハイレゾで販売しているものはリンクも貼っておきます。
ドイツ・グラモフォン(独: Deutsche Grammophon Gesellschaft)は、1898年12月にドイツ・ハノーファーで創設された、世界でもっとも長い歴史を持つクラシック音楽のレコードレーベルである。「イエロー・レーベル」と呼ばれている。
参考: ドイツ・グラモフォン – Wikipedia
Helene Grimaud - Credo
DGG – 474 869-2
グラモフォン移籍後初の録音。
ベートーヴェンと現代作曲家のジョン・コリリアーノとアルヴォ・ペルトという不思議な組み合わせ。
独奏と、合唱団とオーケストラが加わる作品もありバラエティに富んでいます。
この作品が出た当時は、クラシックに興味はありませんでしたが、オーディオ界隈では話題になっていたCDだったのでリアルタイムで買いました。
アルバムタイトルにもなっている最終曲のクレドは、音の洪水で破綻なく再生するのがとても難しい曲です。
PCM96kHz/24bit録音
Martha Argerich & Mikhail Pletnev - Prokofiev: Cinderella Suite, Ravel: Ma mere l’oye
DGG – 474 8682
連弾の作品を多く残すアルゲリッチですが、相手としては最も実力的に均衡しているのが、このミハイル・プレトニョフとの作品です。
明瞭度が高く、静から動への移行する空気感良く分かります。
プロコフィエフのシンデレラの最終曲は、ピアノ作品としては低域のエネルギーがかなり入った録音で、再生能力を測る1つの指標になり得る曲です。
PCM96kHz/24bit録音
Lang Lang - Rachmaninov: Piano Concerto No. 2, Rhapsody on a Theme of Paganini
DGG - 477 5499
ラン・ランによるラフマニノフのピアノ協奏曲2番、パガニーニの主題による狂詩曲です。
ゲルギエフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団。
このパガニーニの主題による狂詩曲が好きで、今でもよく聴く作品です。
ラン・ランの躍動感ある演奏、オケとの一体感も良いと思います。
現在の最新録音と比べると少し混濁した感じも受けますが、一体感、そして何よりも生き生きとした演奏が良いです。
狂詩曲の方は、変奏毎にトラックを細かく分けているため、昔はオーディオ機器、再生ソフトのギャップレス再生対応の可否を調べるのに良く使っていました。昨今はギャップレスできないものはかなり少なくなりました。
PCM96kHz/24bit録音
Mikhail Pletnev - Prokofiev: Piano Concerto No. 3, Rachmaninov: Piano Concerto No. 3
DGG – 477 060-2
ミハイル・プレトニョフのラフマニノフ、ピアノ協奏曲3番、プロコフィエフのピアノ協奏曲3番。ロストロポーヴィチ指揮、ロシア・ナショナル管弦楽団。
超絶技巧の代名詞の様なラフマニノフの3番ですが、テクニックが前面に出ていないというか、技術が高すぎるのかぱっと聞くと何も凄くない普通の演奏に感じます。
細部まで良くコントロールされている知的な演奏だと思います。この演奏に慣れると他の人の作品の粗が良くわかります。
録音も同様で、派手さは無いですが破綻もなくバランスの良い録り方をしていると思います。
PCM48kHz/24bit録音
Hilary Hahn - Bach: Violin Concertos
DGG – 474 639-2
ヒラリー・ハーンによるバッハのヴァイオリン協奏曲。
この作品はどんなオーディオシステムで聴いても一定水準の音質で聴こえる優秀録音です。
SACDのリファレンスとして持っていて損は無いです。
クレジット見ると96k録音ですが、ハイレゾ販売はなぜか192kです。
PCM96kHz/24bit録音
Anna Netrebko - Opera Arias
DGG - 474 640-2
アンナ・ネトレプコによるオペラ・アリア集。
ジャナンドレア・ノセダ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 、 ウィーン国立歌劇場合唱団。声楽は殆ど聴かないジャンルですが、ネトレプコは声に力と色気がありますね。いろいろな意味でゴージャスな作品です
クレジットの表記が無いので録音フォーマットは不明です。
John Eliot Gardiner - Holst: The Planets, Grainger: The Warriors
DGG – 471 634-2
古楽器中心に活動しているガーディナーによるホルストの惑星。
惑星は数えきれないほど録音が多いので、その中で際立った何かがある作品では無いですが、明瞭度は高く録音は良い方だと思っています。
小気味よく少しテンポが早過ぎるように感じる部分と、ゆったりと聴かせようとする部分の対比が印象的です。
派手さは無いですが、ホールトーンが十二分に感じられる作品です。
本作も録音フォーマットは不明。
Esa-Pekka Salonen - Le Sacre du Printemps
DGG – 477 6198
エサ=ペッカ・サロネンは、とりあえず買っておけば間違いない指揮者の1人だと思います。
1曲目、ムソグルスキー、禿山の一夜の冒頭からすごいエネルギーの塊に圧倒されます。グラモフォンのSACDとして最もデモ映えする作品の1つ。
Gilbert Kaplan - Mahler: Symphony No. 2
DGG – 474 594-2
キャプランは、マーラーの2番しか振らない指揮者として有名ですね。
音楽的教育を受けていない素人だった氏は、マーラーの2番の虜になり、指揮することを夢見て30代でショルティに師事。
40代で、自費によるコンサートを実現。そこで評判になり演奏のオファーが来るようになりました。
このウィーン・フィルとの録音は、私財で購入したマーラー自筆譜を元にした新校訂版キャプラン版です。
細部までコントールされた緻密な演奏。録音のレベルも非常に高いです。
Pierre Boulez - Mahler: Symphony No. 3
DGG – 474 298-2
オーディオ的な聴き方をしていると、マーラーの交響曲が手元にどんどん増えていきますね。
ブーレーズは熱い演奏ではなく、客観的に淡々と仕事をする印象です。
安定感のある演奏。ウィーンフィルの力も大きいと思いますが。
以上10枚紹介してみました。
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