[Stereo Sound SSHRS-007~010] エルネスト・アンセルメ (Ernest Ansermet) - The Royal Ballet Gala Performances

クラシック音楽のレコードの中でも、特に高い人気を誇る作品の一つが、この「ロイヤル・バレエ・ガラ」です。オリジナル盤は現在、数十万円で取引されており、音楽ファンやオーディオファイルにとってまさに「高嶺の花」です。オゴールドCDは某所の買取価格が4万で提示されていました。

今回紹介するのは、ステレオサウンド企画によるSACD/CDのセットです。

目次

Ernest Ansermet / Royal Ballet – Gala Performances

RCA Victor - LDS 6065
Stereo Sound - SSHRS-007~010

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このアルバムは、指揮者エルネスト・アンセルメ (Ernest Ansermet) が、手兵のスイス・ロマンド管弦楽団ではなく、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団 (Orchestra of the Royal Opera House, Covent Garden) を振った貴重な記録です。録音は、デッカ (Decca) とRCAの共同制作により、1957年にロンドンのキングスウェイ・ホール (Kingsway Hall) で行われました。

プロデューサーにジョン・カルショウ (John Culshaw)、そしてエンジニアには伝説的なケネス・ウィルキンソン (Kenneth Wilkinson) という、当時のデッカが誇る最高の布陣が揃っています。この録音は、発売当初は大きな注目を集めませんでしたが、1970年代に入りステレオ初期の優秀録音盤として再評価され、その地位を不動のものとしました。

収録されているのは、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」組曲や「眠れる森の美女」のワルツ、ドリーブの「コッペリア」など、バレエ音楽の珠玉の名曲たちです。

このステレオサウンド盤が他の復刻盤と一線を画すのは、その企画思想にあります。「マスターテープの音をありのまま届ける」という哲学に基づき、イコライジングやノイズ補正といった後加工を原則として行わず、オリジナル・マスターの音をほぼ無加工でデジタル化しています。このアプローチにより、マスターテープだけが持つ生々しいまでの鮮度とエネルギー感が、一切損なわれることなくディスクに刻み込まれています。

この盤を聴くと、その音の厚み、ダイナミクス、そして楽器の質感がいかに優れているかを改めて思い知らされます。キングスウェイ・ホールの豊かで包み込むような響きの中で、アンセルメの指揮は、バレエ音楽ならではの色彩感と躍動感に満ちており、聴き手を一瞬で華やかな舞台へと誘ってくれます。

私自身、オリジナル盤は所有していませんが、このステレオサウンド盤のクオリティは、他の高音質盤と比較しても群を抜いていると感じます。エネルギーがあり、録音から60年以上が経過した現在でも、その音楽的魅力は少しも色褪せることがありません。

アンセルメ指揮の「ロイヤル・バレエ・ガラ」ステレオサウンド盤は、歴史的名盤の真価を現代に伝える、まさに決定版と呼ぶにふさわしい一枚です。オリジナル盤の入手は困難ですが、この盤であれば、録音芸術の極致とバレエ音楽の楽しさを存分に味わうことができます。

オーディオファイルはもちろん、ジャンルを問わず全ての音楽ファンに心から推薦したい名演かつ名録音です。

リンク先はステレオサウンドのSACDではありません
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