東独エテルナのレコードが好きでコツコツ集めていますが、このレコードがタワレコ企画でSACD化されたのは少しびっくりしました。そんなに需要がある作品だと思っていなかったからです。もっと人気のある指揮者はたくさんいますので…。
ジークフリート・クルツはドレスデン生まれの指揮者・作曲家で、1960年にドレスデン国立歌劇場(ゼンパーオーパー)のカペルマイスターに就任、1971年から総音楽監督を務め、1983年まで同歌劇場の中心的存在として活動した人物です。シュターツカペレ・ドレスデンとも長年にわたり共演しています。
Siegfried Kurz - Tchaikovsky: Symphony No. 5
Eterna - 827 376
Tower Records - 0301779BC

チャイコフスキーの5番は定番作品ですから録音は無数にあります。クルツの演奏は特に個性もなく、エテルナの中でも埋もれがちな一枚だと思います。
録音は1978年、シュターツカペレ・ドレスデン。タワレコ企画(2021年)のSACDハイブリッド盤では、カップリングとしてクルト・ザンデルリング指揮の「ロメオとジュリエット」も収録されています。
手元のレコードは初出の黒ステレオ盤です。今回はSACD層と比較してみました。SACDは本国のオリジナル・アナログマスターテープから、アナログ領域でのマスタリング後、ダイレクトにDSD化されています。
レコードはいつもの聴きなれた音。いかにもドイツ的な演奏で、派手さはなく、緻密でまとまりの良い仕上がりです。1978年の録音ですが、もっと古い時代の録音に聴こえます。
SACDで聴いてみると、明らかに高域が拡張されたワイドレンジな音。空間の広がりもSACDの方があります。
一方のレコードは緊張があるというか、カッチリとして、小気味よくキビキビとした演奏に聴こえます。どちらの良さもあり、交互に聴いていると正直どちらが正しい音なのか分からなくなります。
それにしても、このようなマイナーなレコードをSACD化するタワレコの企画には感謝しかありません。以前にはベルリン・クラシックスからジャケット違いのCDもリリースされています。