1958年、ベルリン・グリューネヴァルト教会で収録されたブラームスのピアノ協奏曲第2番。
ピアノはドイツの名手ハンス・リヒター=ハーザー、指揮はヘルベルト・フォン・カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団という布陣で、両者にとって唯一の共演録音となりました。本盤は東独Eternaレーベルから1973年にリリースされたステレオ盤で、英Columbia SAX 2328と同一音源です。
Hans Richter-Haaser - Brahms: Piano Concerto No. 2
Eterna - 825 433

リヒター=ハーザーは、ベートーヴェンやシューベルトの解釈で知られたドレスデン生まれのピアニストです。
派手さとは無縁ながら、質実剛健で構築的なピアニズムには定評がありました。このブラームスでも、がっしりとした骨格と威厳のあるタッチが印象的です。一方で無骨さの奥には深い内省と叙情性が秘められており、特に第3楽章アンダンテの静謐な美しさは聴きものです。この楽章ではベルリン・フィル首席チェリストのEberhard Finkeが独奏を務めており、抑制の効いた温かみのある歌がピアノと見事に調和しています。
カラヤンとベルリン・フィルの伴奏も聴き応えがあります。後年の華麗なスタイルとは異なり、独奏者に寄り添いながらも鋭敏で力感のあるサポートを展開しています。オリジナルの英Columbia盤SAX 2328は、通称「ブルー/シルバー・ラベル」の高音質盤として現在も高値で取引される人気盤です。
このEterna盤はオリジナルとはマスタリングが異なり、よりレンジが広くすっきりとした音像が特徴です。
英国盤の持つ重厚感とはまた違ったドライで実直なサウンドは、リヒター=ハーザーのピアニズムを別の角度から照らし出してくれます。オリジナル盤は入手困難ですが、このEterna盤でも演奏の素晴らしさは十分に堪能できる一枚です。