イヴァン・モラヴェッツはチェコのピアニストです。
若くして東欧圏では注目される存在として活躍しますが、20歳のとき、腕の故障でピアニストの道を絶たれそうになるも、5年有余の末、見事に再起。
その後、ミケランジェリの家に呼ばれ1か月余り指導を受けたこともあるそうです。
以前に取り上げたウィウコミルスカと同様、米コニサーを代表するアーティストの1人です。
特に67年にリリースされた、ドビュッシーのアルバム(CS1866)はピアノ録音の金字塔ともいえる高音質盤です。
良い意味でここまで雄大に音像がそびえ立つレコードはなかなかお目にかかれません。
初めて聴いた時、ペダルを踏む音や、明瞭な暗騒音にとても感銘を受けたのを今でもはっきりと覚えています。
目次
Ivan Moravec - Debussy / Ravel
Connoisseur Society - CS2010
コニサーレーベルは一部CDもリリースしており、CDも素晴らしく良い録音が多いです。
モラヴィッツのコニサー録音に何枚CDのリリースがあるのか把握していません。手元にはこれ1枚しか無いので…。
Discogsにもカタログされていないレベルなので、このCDに出会うまでCD化されている事実を知りませんでした。
69年の録音で、初版のレコードはまだ2色ラベルの時代です。
最初のドビュッシー録音ほど超絶感はありませんが、これも十分優秀録音です。
レコードとCDは収録曲は同じですが、順番に多少の違いがあります。
ピアノ録音はどうしてもSNの面でCDが有利な部分は否めません。
彼の特徴の1つであるペダルの表現、弱音のニュアンスはCDの方が有利な部分もありますが、この録音に関してはレコードの方が好みでした。
SN面では不利ですが、一音出た瞬間に説得力が違います。