[Brainfeeder BF014] オースティン・ペラルタ (Austin Peralta) - エンドレス・プラネッツ (Endless Planets)

2012年に22年というあまりにも短い生涯を閉じた、夭折の天才ピアニスト、オースティン・ペラルタ (Austin Peralta)。本作「エンドレス・プラネッツ」は、フライング・ロータス (Flying Lotus) にその才能を見出され、彼のレーベル〈Brainfeeder〉から2011年にリリースされた、ペラルタにとっての世界的なデビュー作です。

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Austin Peralta - Endless Planets

Brainfeeder - BF014

BF014

彼が15歳でデビューした当初、最初の2枚のアルバムはSACDでリリースされ、オーディオ界隈で話題になりました。しかし、正直なところ当時の私にはピンと来ず、本作が2011年にリリースされた際には興味を持つことがありませんでした。
今回、レコード化のニュースを機にTidalで聴き直したところ評価は一変。その格好良さに惹かれ、すぐにレコードを購入するに至りました。

本作のサウンドは、ピアノトリオを軸にサックスや電子音楽が絡み合う、極めて先進的なものです。アリス・コルトレーン (Alice Coltrane) を彷彿とさせるスピリチュアルな響きと、現代的なビートミュージックがシームレスに融合。この革新的なサウンドは、後にサンダーキャット (Thundercat) やカマシ・ワシントン (Kamasi Washington) が牽引することになる、LAジャズ・シーンのまさに黎明を告げるものでした。

特筆すべきは、この濃密なアルバムが、わずか1日でレコーディングされたという事実です。
その緊張感と即興性が、サウンドに鮮烈なまでのリアリティを与えています。マスタリングを手がけたのは、LAビートシーンの重要人物であるダディ・ケヴ (Daddy Kev) で、Brainfeeder作品特有の深みのある低音域と音圧が、アコースティックな楽器の質感と見事なコントラストを生み出しています。

本作は、オースティン・ペラルタという類稀な才能が、短い活動期間の中で到達した一つの頂点を示しています。伝統的なジャズファンはもちろん、フライング・ロータスをはじめとする先鋭的なビートミュージックのリスナーにも、ぜひ手にとっていただきたい一枚です。

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