英HMV(EMI)のステレオ・シリーズ「ASD」の記念すべき第1号にあたるレコードです。1957年3月、ロンドンのKingsway Hallで録音された、ステレオ黎明期を代表する1枚です。
ASDではじまるHMV/EMIのステレオ録音は、このASD251がスタート地点。以降、EMIのクラシック・ステレオ録音の歴史はここから積み重なっていきます。
Thomas Beecham - Rimsky-Korsakov: Scheherazade
HMV - ASD251
Tower Records - TDSA-205

指揮はサー・トーマス・ビーチャム、演奏は自ら創設したロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団。ソロ・ヴァイオリンは当時のコンサートマスター、スティーヴン・スターリクです。プロデューサーはVictor OlofとLawrence Collingwood、バランス・エンジニアはChristopher Parkerという布陣でした。
タワレコ企画でSACDもリリースされたので、比較してみました。手持ちのレコードは金白ジャケの初出ですが、マトリクスは11/10でした。
最初のステレオレコードということもあり、おそらくかなり多くプレスされていることが想像できます。初版のレコードでも比較的入手はしやすいと思います。
ビーチャムは少なくても日本ではあまり評価が高くありません。同年代の他の指揮者と比べると、初版のレコードでも入手しやすい価格が多いですね。
このシェラザードは、レコードで聴くと重厚感のある音、優雅で気品のある演奏という印象です。タワレコのSACDは演奏の印象は変わらず、少しレンジが伸びてすっきりとした音質です。なお、カップリングの「だったん人の踊り」は1956年11月にAbbey Road Studio No.1で収録されたもので、シェエラザードとは別セッションの音源です。
SACDは2021年のビーチャム没後60年企画として世界初SACD化されたもの。本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitで新規にデジタル化され、マスタリングは藤田厚生氏が担当しています。マスターテープの劣化はそれほど気になりませんでした。
レコードと比べると少し新しい時代の録音のような感覚です。
参考: リムスキー=コルサコフ: シェエラザード、ボロディン: だったん人の踊り<タワーレコード限定>