Anja Thauer - Dvorak: Cello Concerto

ドヴォルザークのチェロ協奏曲は、定番作品として多くの録音が残っています。
チェリストにとっては登竜門と言ってもよいでしょう。

今回は、しばしば「ドイツのジャクリーヌ・デュ・プレ」と呼ばれる、アニア・タウアーの作品を紹介します。

私がクラシックのレコードを集めるようになってそれなりの年数が経ちました。
ジャズやロックの初期版とくらべると、クラシックの初期版はまだまだ買いやすい方だと思いますが、この作品は当時から人気があり、なかなかオリジナルを買う気にはなれませんでした。

未だにオリジナルは持っていませんが、再発としては定評のあるAnalogphonicとタワレコのSACDは入手したので紹介します。

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Anja Thauer - Dvorak: Cello Concerto

DG ‎– SLPM 139 392

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アニア・タウアーは、1945年7月3日、ドイツのリューベックで生まれました。幼い頃から神童ぶりを発揮し、12歳で母親とヴァイオリンとチェロの二重奏を公の場で演奏、13歳でバーデン=バーデン管弦楽団と共演しオーケストラデビューを果たしています。

14歳でシュトゥットガルトのルートヴィヒ・ホルシャー門下に入り、15歳でパリ音楽院のアンドレ・ナヴァラに師事。並行してエコール・ノルマル音楽院で絵画や哲学、文学も学びました。16歳でパリの国際音楽コンクールで優勝し、1962年にはパリ音楽院の最終試験でグランプリを受賞。1964年にはニュルンベルク賞を得ています。

若くして多くを達成することに伴うプレッシャーは、神童の物語に共通するテーマです。同時代人で、同じくパリで学んだジャクリーヌ・デュ・プレとの比較は避けられません。

二人は同い年で、パリ音楽院で共に学び、キャリアは共に1973年に終わりました。タウアーが亡くなり、デュ・プレが多発性硬化症と診断された年です。

タウアーはヴィースバーデンの既婚医師と関係を持つようになりました。関係が破綻した後、1973年10月18日、ドイツの自宅で28歳の若さで自ら命を絶ちました。その5日後、医師もまた自ら命を絶っています。
彼女の作品が人気があるのは、演奏の内容もさることながら、この悲劇的な物語も一因になっているのは否めません。

録音は1968年3月、プラハでおこなわれました。当時32歳のズデニェク・マーツァルがチェコ・フィルを振り、録音エンジニアはギュンター・ヘルマンスが担当しています。

彼女がこのレコードをリリースした年、DGにはロストロポーヴィチがいました。同じチェリストとして、レーベルが彼女を1番手として推せなかったことも、作品数が少なくなってしまった一因だと思います。

オリジナルを持っていないので音質の比較はできませんが、録音に関してはレコード、SACDともに凡庸です。これはすごい!という感じではありません。Analogphonic盤はオリジナル・アナログ・マスターテープからライナー・マイヤールがマスタリングし、エミール・ベルリナー・スタジオでラッカーカッティング、Pallasによる180gプレスという仕様です。一方のタワレコSACDは2025年リマスターで、レーガーの無伴奏チェロ組曲第3番とフランセの幻想曲がカップリングされています。

演奏自体は23歳という若さを感じる情熱的なもので、独特の音色があり素晴らしいです。

参考: [タワレコ] ドヴォルザーク: チェロ協奏曲、レーガー: 無伴奏チェロ組曲第3番、フランセ: チェロとピアノのための幻想曲(2025年リマスター)

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