Ekaterina Novitskaya - Prokofiev: Piano Works

1968年、16歳でエリザベート王妃国際音楽コンクールのピアノ部門を制し、同コンクール初の女性優勝者となったエカテリーナ・ノヴィツカヤ(Ekaterina Novitskaya)。

本盤は、その優勝と同年に行われた録音をCD化したものです。

Ekaterina Novitskaya - Prokofiev: Piano Works

Melodiya / BMG - 74321 33218 2

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ノヴィツカヤは1951年モスクワ生まれ。4歳でピアノを始め、モスクワ音楽院付属中央音楽学校でエフゲニー・ティマーキンに8年間師事したのち、レフ・オボーリンのもとで研鑽を積みました。

エリザベート王妃コンクールは本来17歳以上が参加条件でしたが、主催者が特例として彼女の出場を認めたという逸話が残っています。

収録曲はすべてセルゲイ・プロコフィエフの作品です。ピアノ・ソナタ第5番(改訂版 Op.135)、「サルカズム Op.17」、「束の間の幻影 Op.22」からの抜粋、そして「ロメオとジュリエットからの10の小品 Op.75」からの抜粋という、多面的な選曲となっています。

演奏は、一切の甘えを許さない鋼のようなタッチと、切れ味鋭い技巧が印象的です。「サルカズム」での鋭利なリズム感やソナタの構築力は、16歳とは信じがたい完成度を見せます。一方で「束の間の幻影」や「ロメオとジュリエット」の「少女ジュリエット」などでは、ロシア・ピアニズム特有の深く繊細な叙情性が顔を覗かせ、その才能の幅広さに驚かされます。1971年にメロディア盤が米国で再発された際には、Stereo Review誌が演奏を絶賛し、Billboard誌も高く評価するなど、海外の批評家にも強い印象を残しました。

この録音は1969年にソ連でLP(Melodiya C 01749-50)として初リリースされたもので、本CDは1997年にRussian Piano Schoolシリーズ第20巻として発売されました。ピアノソロのメロディア盤をミント状態で入手するのは極めて困難であり、CD化の意義は大きいといえます。

録音についてとくに言及すべき点はありませんが、プロコフィエフの厳しさと叙情性をこれほど高い次元で両立させた演奏は稀有であり、彼女の才能を伝える貴重な一枚です。

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