グリゴリー・ソコロフは16歳にしてチャイコフスキー国際コンクールで優勝しましたが、ソ連情勢により国外での演奏がなかなか許可されず、幻の存在として知られた人です。
当時の録音はメロディアのレコードでたくさん出てはいますが、何となく触手が動きません。
80年代後半から世界的な活動ができるようになりましたが、正規の録音はそれほど多くありません。
グラムフォンからモーツァルト:ピアノ協奏曲第23番とラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番をセットにした2枚組レコードが発売されました。
目次
Grigory Sokolov - Mozart & Rachmaninov: Concertos
DGG - 486 3978
サブスクでも何度も聴いているので、CDは買いませんでした。
モーツァルトは2005年、ザルツブルクで、ラフマニノフは1995年、ロンドンでの録音。
どちらもライブでデジタル録音です。
巨体から繰り出させるスケールの大きな演奏です。
ラフマニノフは、音の強さと聴き手をグイグイ惹き込む求心力があります。どっしりと安定していて危うさがありません。
モーツァルトは従来のイメージよりも軽やかで、この曲のイメージを忠実に再現していると感じました。
ソコロフは現在も欧州で演奏ツアーを行っていますが、納得する演奏ができないという理由で、協奏曲を演奏することは辞めて、ソロ活動のみに専念しています。
時系列的には、グラムフォンで先に出たLPの方が録音が新しく、この2つの協奏曲は20年近く前の、全盛期の演奏です。
モーツァルト、ラフマニノフどちらも、それぞれを代表するレベルの名演だと思います。
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