2000年に結成された3人組バンドLampの7枚目のアルバム「ゆめ」は、2014年2月にリリースされました。
2021年にTikTokで別の楽曲「ゆめうつつ」がバイラルヒットしたことをきっかけに、Lampは海外で爆発的な人気を獲得。Spotifyの月間リスナーは200万人を超え、時代や国境を越えて多くのリスナーを魅了し続けています。
Lamp - ゆめ
POLYSTAR - UVAL-1002

前作「東京ユウトピア通信」から約3年を経て届けられた本作は、AORやブラジル音楽の影響を独自に消化した耽美的なサウンドが特徴です。ジャケットのイラストは、「赤色エレジー」やロッテ「小梅ちゃん」で知られる林静一が手がけています。
アルバムはそのタイトルが示す通り、夢と現実の境界を漂うような浮遊感に満ちています。緻密に構築されたハーモニー、文学的で情景豊かな歌詞、そして甘美でありながらどこか切ないメロディが一体となり、聴く者を非日常的な音響空間へと誘います。
冒頭の「シンフォニー」は印象的なスケール感で幕を開ける一曲です。
作曲を手がけた永井は、染谷が書いた終曲「さち子」を聴き、その完成度に衝撃を受けたことが「シンフォニー」を書く直接的な動機になったと語っています。つまり、このアルバムの序曲は終曲への応答として生まれたものです。「さち子」で聴ける複雑なコード進行と美しいストリングスのアレンジは、Lampのソングライティング能力の高さを象徴しています。
一方で、Lampの作品はその音楽性の高さに比して、録音のクオリティがオーディオ的な観点からはやや物足りなく感じられるかもしれません。作品の芸術性と音質は別の尺度で評価されるべきですが、その点を考慮すると、本作の魅力を味わう上でレコードという媒体にこだわる必要性は薄いでしょう。
2014年のオリジナルLP(UVAL-1002)は廃盤となっていますが、2025年に再発盤(UVAL-1004)がリリースされています。CDでも十分に本作の世界観を堪能できます。
Roon
SACD
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