[POLYSTAR UVAL-1002] ランプ (Lamp) - ゆめ

新譜で追いかけている数少ない邦人アーティストの中でも、Lampは特別な存在です。

彼らが2014年に発表した「ゆめ」は、前作から3年を経て届けられた、まさにキャリアの集大成とも言える作品です。近年では海外での評価も著しく、その音楽は時代や国境を超えて多くのリスナーを魅了し続けています。

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Lamp - ゆめ

POLYSTAR - UVAL-1002

UVAL-1002

現時点での最新アルバム(2014年)です。この作品と前作、東京ユウトピア通信はレコードもリリースしています。

彼らの音楽は、日本のポップスの系譜に連なりながらも、AORやブラジル音楽からの影響も色濃く感じさせ、しばしば「シティ・ポップ」という言葉で語られます。

アルバム「ゆめ」は、そのタイトルが示す通り、夢と現実の境界線を漂うような浮遊感に満ちています。緻密に構築されたハーモニー、文学的で情景豊かな歌詞、そして甘美でありながらどこか切ないメロディが一体となり、聴く者を非日常的な音響空間へと誘います。

例えば、代表曲の一つ、アルバムの最後を飾る「さち」で聴ける複雑なコード進行と美しいストリングスのアレンジは、彼らのソングライティング能力の高さを象徴しているのではないでしょうか。

個人的には冒頭の「シンフォニー」がとても印象に残っており、アルバム発売を楽しみにしていた記憶があります。
作曲者である永井は、染谷が書いた「さち子」を聴き、その完成度に衝撃を受けたことが「シンフォニー」を書く直接的な動機になったと証言しています。

つまり、このアルバムの序曲は、その静かな終曲への応答として生まれたのです。

一方で、Lampの作品はその音楽性の高さに比して、録音のクオリティがオーディオ的な観点からは物足りなく感じられるかもしれません。

もちろん、作品の芸術性と音質は別の尺度で評価されるべきですが、その点を考慮すると、本作の魅力を味わう上で、ことさらにレコードという媒体にこだわる必要はないでしょう。

CDのリンクを貼っておきます。

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