英デッカにおけるピアノ独奏の作品は、意外とそれほど多く有りません。
複数枚リリースしている人で直ぐに思い浮かぶのは、カーゾン、バックハウス、カッチェンに、後期ではアシュケナージやルプーなどでしょうか。
この作品は、ジャケットの雰囲気が気になり捕獲しました。デッカで女性ピアニストの独奏はほとんど無い気がします。ヴァルダ・ニシュリーによるラモー、ラヴェル、フランクのピアノ作品集です。
Varda Nishry - Rameau, Ravel, Franck
Decca - SXL 6194

イスラエル出身の才能豊かなピアニスト、ヴァルダ・ニシュリーが、ジャン=フィリップ・ラモー、モーリス・ラヴェル、そしてセザール・フランクのフランスピアノ作品を演奏した一枚です。
収録されているのは、ラモーの「シクロプ」「トゥールビヨン」「めんどり」、ラヴェルの「ソナチネ」と「道化師の朝の歌」、そしてフランクの「前奏曲、アリアと終曲」といった、各作曲家の個性が際立つ名作ばかりです。
録音は1965年4月13日から14日にかけて、スイスのジュネーブにあるヴィクトリア・ホールで行われました。この録音には、ジョン・モードラーがプロデューサーとして、そしてジェームズ・ロックがエンジニアとして(いずれもレコード上はクレジットなし)携わっています。
1966年2月に英国DECCAからステレオLPとしてリリースされました。初出はいわゆるED2ラベルです。手持ちはED2のマトリクス2L/2Lです。モノラル盤はLXT 6194としてリリースされています。
CDリリースは知りません。
ヴァルダ・ニシュリーのことは、調べても情報がありません。デッカから、というよりもレコード自体が全然見つかりません。SXLはこの1枚のみ、デッカではほかにSDDで1枚残しただけです。
彼女はパリ国立高等音楽院でラザール・レヴィに師事し、さらにマグダ・タリアフェロ、クラウディオ・アラウといった20世紀を代表する巨匠たちからも薫陶を受けているそうです。
フランス系のレパートリーという点でも、セシル・ウーセと比較してしまいます。こちらの方が大らかな演奏で太い音です。ちょうど、デッカとエテルナというレーベルのカラーの違いも感じます。
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