ノルウェー出身のデュオ、キングス・オブ・コンビニエンス(Kings of Convenience)は、2000年にUSのインディーレーベル「Kindercore Records」からセルフタイトル作でデビューしました。
この作品は凡庸で、当時特に印象は残りませんでしたが、翌2001年にAstralwerksから発表された「Quiet Is The New Loud」で評価を高め、2004年の本作「Riot On An Empty Street」で大きく印象が変わります。
ネオアコ・インディーフォーク界隈では比較的地味な存在と見られていた彼らが、本作で独自の境地へと到達しました。アーティストとしての成熟と、録音クオリティの高さが噛み合った一枚です。
Kings of Convenience - Riot On An Empty Street
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アコースティックギターのアルペジオと、二人の繊細なハーモニー。本作のサウンドは、前作「Quiet Is The New Loud」が持っていた瑞々しさを継承しながら、より深く洗練されています。
録音とミックスは2003年9月から2004年3月にかけて、ノルウェー・ベルゲンのGrieghallen Studiosで行われました。
プロデュースはKings of Convenience自身とDavide Bertoliniの共同名義。Bertoliniはプロデュースに加えて録音エンジニア、ミキシング、さらにウッドベースの演奏まで担当しており、本作のサウンドの要となる存在です。マスタリングはロンドンのThe Exchangeが担当しました。
アコースティック楽器の倍音や息づかいまでが精緻に捉えられており、この手のジャンルでは水準を超えた録音品質です。静寂の中に音が立ち上る感覚は、オーディオ的な聴きごたえも十分にあります。
カナダのシンガーソングライターであり、Broken Social Sceneのメンバーでもあるフェイスト(Feist)が「Know-How」と「The Build-Up」の2曲でゲスト参加しています。彼女の声はアルバムの静謐なトーンに自然に溶け込みながら、楽曲に陰影を添えています。
CDとLPの両フォーマットで聴き比べると、アナログ盤ならではの音の温かみと空間的な広がりが、この静謐な音楽によく合います。デジタルでの解像感とは異なる、柔らかな質感が楽しめます。
アコースティックな響きを大切にする音楽ファン、良質な録音のアルバムを求めるオーディオファン、どちらにもおすすめできる作品です。
おまけ。
彼らの楽曲をカバーしているアーティストです。本家よりもYouTubeの再生回数が多いのが興味深いところです。