「What the World Needs Now Is Love」のヒットや、Kim Carnesに提供した「Bette Davis Eyes」の世界的成功で知られるJackie DeShannon。
Songwriters Hall of Fame入りを果たした実力派ですが、自身の名義で残したアルバムの多くは十分な注目を集めないまま埋もれています。1968年発表の本作「Me About You」も、そうした隠れた名盤のひとつです。
Jackie DeShannon - Me About You
Imperial - LP12386

DeShannonはThe Searchersがヒットさせた「Needles and Pins」や「When You Walk in the Room」の作者であり、1960年代のポップス界で高い評価を得ていました。
しかし、ソロアーティストとしての商業的成功にはなかなか恵まれず、ソングライターとしての名声と実際のセールスとの間にギャップを抱えた時期が続きます。そうした中で制作されたのが本作です。
全13曲のうち自身のオリジナルは数曲で、Jack Nitzcheとの共作を含みます。
残りはJimmy Webb、Tim Hardin、John Sebastian、Van Dyke Parks、Gary Bonner & Alan Gordonなど、当時のポップス界を代表するソングライターたちの楽曲で構成されています。編曲にはJack Nitzsche、Nick DeCaro、Kirby Johnson、Arthur Wrightの4名が参加。セッションにはJim Gordon(ドラムス)、Don Randi(キーボード)、Russ Titelman(ギター)といった西海岸の一流スタジオミュージシャンが名を連ねています。
サウンドはウエストコースト・ポップスの洗練そのもので、豪華なストリングスとホーン、ソウルフルなヴォーカルが見事に調和しています。DeShannonの持ち味であるスモーキーな歌声が、緻密なオーケストレーションの上で自然に映える仕上がりです。1960年代のポップスが持つ華やかさと、間もなく到来するシンガーソングライター時代の内省的な感性の両方が感じられる、過渡期ならではの魅力を持った作品と言えます。
本作の魅力はDeShannon自身の歌唱力もさることながら、選曲の妙に負うところも大きいでしょう。
彼女の数あるアルバムの中でも繰り返し聴きたくなる1枚であり、ジャケットデザインも含めて完成度の高い作品です。CDは国内でSuburbia Suite関連の企画で初期にCD化されたほか、のちにBGO Recordsから4枚組での再発も行われています。
Roon
SACD
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