ユリア・フィッシャーによるイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全6曲です。
2017年にミュンヘン音楽大学で収録された音源で、当初はフィッシャー自身が主宰するJF CLUBの会員限定ストリーミングとして配信されていました。その後、2021年にHänssler Classicから2枚組LPとして初めてフィジカル化されています。CDリリースはありません。
目次
Julia Fischer - Ysaye: Six Sonatas for Solo Violin
Haenssler - HC-20051

イザイの6つのソナタは、パガニーニの24のカプリースやバッハの無伴奏ソナタ&パルティータと並ぶ、独奏ヴァイオリンのための大規模作品集です。各曲がシゲティ、ティボー、エネスク、クライスラーといった著名ヴァイオリニストに献呈されており、それぞれに物語や友情が込められています。
私はペンタトーン時代のフィッシャーの協奏曲録音を高く評価してきました。バッハの無伴奏にはやや距離を感じていましたが、デッカ移籍後のパガニーニ録音で改めて注目し、本作にも期待を寄せていました。
その期待に応えるように、フィッシャーの技術力の高さが存分に発揮された演奏です。力強く切れのある音色で、何も知らずに聴くと男性が弾いているかのような印象を受けます。録音も素晴らしく、レコーディング・スーパーバイザーのセバスティアン・キーネルによる仕事が光ります。
全6曲の中では、2枚目のA面にあたる第3番「バラード」と第4番が特に聴き応えがあります。見開きジャケットや盤質も丁寧な仕上がりです。
限定盤のため入手は容易ではなく、私も出遅れながら何とか確保できました。早々に廃盤となっており、現在は流通在庫のみと思われます。
参考: [タワレコ] イザイ: 6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ<完全限定盤>