[Eterna 825 084-7] クルト・トーマス (Kurt Thomas) - バッハ: クリスマス・オラトリオ (Bach: Weihnachtsoratorium)

クリスマス・シーズンにこそ聴きたい一枚。

バッハが長年カントルを務めた聖地、ライプツィヒの聖トーマス教会。その神聖な空気の中で、バッハの伝統を正統に受け継ぐ演奏家たちによって記録された、歴史的な作品。

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Kurt Thomas - Bach: Weihnachtsoratorium

Eterna - 825 084-7

Eterna 825 084-7

1958年録音、バッハの大作「クリスマス・オラトリオ BWV 248」の全曲盤。

指揮をとるのは、クルト・トーマス (Kurt Thomas)。彼は録音当時、バッハ本人が務めた聖トーマス教会カントルの第13代後継者(在任1957-1960年)という、まさにバッハ演奏の伝統本流に身を置く人物です。

演奏は、聖トーマス教会合唱団 (Thomanerchor Leipzig) とライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 (Gewandhausorchester Leipzig) という、ライプツィヒが世界に誇る布陣。さらに、ソリストにはアグネス・ギーベル (Agnes Giebel)、マルガ・ヘフゲン (Marga Höffgen)、ヨーゼフ・トラクセル (Josef Traxel)、そして若き日のディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (Dietrich Fischer-Dieskau) という、豪華な顔ぶれが揃っています。

1958年の録音から60年以上が経過していますが、自然で温かみに満ちた録音。エテルナらしい、過度な演出を排した質実剛健な音作りが、歴史的な聖トーマス教会の豊かな自然響と見事に調和。決して派手さはありませんが、各楽器や声部の芯がぶれることなく、音楽の構造を実直に描き出しています。

トーマスの解釈は、モダン楽器を用いながらも、ロマンティックな情緒に流されることなく、作品に宿る祝祭的な輝きと深い祈りを真摯に表現しています。虚飾を排した音楽の中から、バッハが楽譜に込めた喜びや希望、そして安らぎがじんわりと心に染み渡ります。

20世紀を代表する大ピアニスト、スヴャトスラフ・リヒテル (Sviatoslav Richter) がこのトーマス盤を愛聴していたそうです。エテルナ盤以外にも複数のリリースがありますので、どれを聴いていたのか気になります。

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