Rosalyn Tureck - Bach: Piano Recital

ロザリン・テューレック(1913–2003)は、バッハ演奏に生涯を捧げたアメリカのピアニストです。

チェンバロが主流だったバッハの鍵盤作品をピアノで演奏する道を切り拓き、グレン・グールドが唯一敬愛したピアニストとしても知られています。リリースされている録音のほぼすべてがバッハ作品で、ステレオ期の録音は極めて少なく、HMV初期盤は入手困難な高額盤として知られます。

目次

Rosalyn Tureck - Bach: Piano Recital

HMV - ASD 477

ASD477

本盤はHMVのオリジナルではなく、Benz Microなど海外オーディオブランドの日本代理店として知られるユキムが企画した復刻盤です。

ユキム・クラシックLPコレクションは、EMI(現Warner Music)のアビーロード・スタジオに保管されたマスターテープから新たにマスタリングを行い、ドイツ・パラス社でカッティング・プレスするという高品位な復刻シリーズで、各タイトル180g重量盤・300枚限定で制作されています。

このシリーズは第6弾で事実上完了しており、テューレックのASD 477はこの企画でしか再発されていないと思われます。つまり、1962年発売のUKオリジナル盤(White/Goldラベル初版)とこのユキム復刻盤しか選択肢がありません。

収録曲は「カプリッチョ 変ロ長調 BWV 992」「トッカータ、アダージョとフーガ ニ長調 BWV 912」「4つのデュエット BWV 802-805」「アダージョ ト長調 BWV 968」。いずれもバッハの鍵盤作品の中では比較的演奏機会の少ない渋い選曲で、テューレックの深いバッハ理解がうかがえるプログラムです。

テューレックの演奏は知的で端正、作品の構造を明晰に浮かび上がらせるスタイルが特徴です。同じくバッハの専門家として名高いグールドとは真逆ともいえるアプローチですが、グールド自身がトロントでのテューレックのリサイタルに感銘を受け、唯一敬愛するピアニストとして名前を挙げています。音質の良し悪しを超えて、演奏そのものに惹きつけられる——モノラル期の録音も含めて繰り返し聴きたくなるピアニストです。

ユキムの復刻では、ノイズリダクションを最小限にとどめ、マスターテープ本来の音を再現する方針が採られています。

この貴重なステレオ録音が、高品位な復刻で聴けることの価値は大きいと言えます。

レコードとは別音源ですが、参考までに
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次