オーディオの音質を左右する、不要な「振動」。高価な専用インシュレーターも良いですが、実はもっと手軽で、驚くほど効果的なアイテムがあるのをご存じですか?
この記事では、工業製品の防振材として有名な「αGEL(アルファゲル)」を、オーディオ用途で活用するための具体的な方法と、その驚くべき効果について、私の実践例を交えながら詳しく解説します。
なぜαGELがオーディオに効くのか?
αGEL(アルファゲル)とは
αGEL(アルファゲル)は、シリコーンを主原料とする非常に柔らかいゲル状素材です。αGELの柔らかさと優れた性能とタイカの技術により、緩衝、防振、感触、放熱といった用途で製品を提供致します。
メーカーサイト: αGEL|アルファゲル
その効果は、メーカーが公表している客観的なデータからも裏付けられています。
引用: αGEL製品(衝撃吸収/ゲルテープ・ゲルチップ(GT・GC))


このグラフが示すように、αGELは幅広い周波数帯域で、振動エネルギーを効率的に吸収し、熱などに変換する特性を持っています。
オーディオ機器が内部で発生させる微細な振動や、スピーカーからの音圧によってオーディオラックに伝わる振動を、このゲルが効果的に遮断・減衰させてくれるのです。
アルファゲルがオーディオに使えると話題になったのは、Kiso Acoustic HB-1というスピーカーが使っているインシュレーターが、アルファゲルなのでは?と噂になったのが最初だったと思います。
(実際は類似品で、全く同じではないようですが)
参考: Shizuka-のゲルインシュレーター
また、アナログプレーヤー、TechDAS Air Force III Premiumにもサスペンションモデルとして、アルファゲルのインシュレーターを採用したオプションが登場しました。
参考: Air Force III Premium S
【実践】αGELの具体的な使い方と効果
私の環境で、実際にαGELを試して効果が高かった使用例を紹介します。
HDD(ハードディスク)の静音化
PCオーディオやNASをお使いの方にとって、HDDの回転振動とシーク音は悩みの種です。HDDケースの足の下にαGELを敷くことで、この振動がオーディオラックに伝わるのを劇的に抑え、静音化に大きな効果がありました。

スピーカーやアンプのインシュレーターとして
スピーカーとスピーカースタンドの間や、軽量なプリアンプ、DACの下に敷くことで、音の濁りが取れ、フォーカスが定まる印象です。ただし、重量物には向かないため、載せる機器の重さに応じて、厚みやサイズを選びましょう。

おすすめのαGEL
アルファゲルは25個入りで(5×5)で販売されていますので、余ったものをプリ、パワーの下にも敷いて使用しています。柔らかい素材なので重量物には向きませんが、軽量の機器には面白いアイテムかと思います。
いくつかのサイズと厚さがあります。。載せる重さに応じて、厚みを替えるのが良さそうです。
GC-3(15×15×3mm)を使用しています。
オーディオ用に
適度な厚みで機器の下に敷くと良いです。
フローティング系の敷物と似た傾向で、PCやDACに使うと濁りが取れる印象でした。
ケーブルにもアリかなと思います。
ただ使いすぎるとつまらない音になりそうです。
Amazonより引用
東リ AKシールもおすすめ
αGELと似た用途で使われるアイテムに、カーペット用の滑り止め「東リ AKシール」があります。 両者の最大の違いは、その粘着性と硬さです。AKシールは粘着性が非常に強く、一度設置すると機器をしっかりと固定する効果があります。
私の経験では、振動を「吸収・減衰」させたい場合はαGEL、スピーカーやインシュレーターを「固定・安定」させたい場合はAKシール、という使い分けが効果的だと感じています。
剥がす際も跡がほとんど残らないため、軽量の機器、例えばHUBや電源タップ、リスニングチェアの脚の固定、金属インシュレーターとオーディオ底面の間などに使用しています。
こちらは副作用はほとんど無いと思います。
※使用している画像を撮り忘れました。
まとめ
工業用の防振材であるαGELは、その優れた性能を活かすことで、オーディオの音質を手軽に、かつ効果的に改善できる、非常にコストパフォーマンスの高いアイテムです。 まずは、ノイズ源になりやすいPCやHDD周りから試してみてはいかがでしょうか。
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