Gene - Olympian

マンチェスター・ムーブメントやシューゲイザーが退潮し、ブリットポップという新たな熱狂が英国から生まれつつあった1990年代半ば。OasisやBlurがシーンを席巻する中、少し異なる光を放っていたバンドがいます。1993年にロンドンで結成された4人組、Geneです。

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Gene - Olympian

Costermonger - ‎GENE1LP

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Geneは、ボーカルのMartin Rossiterを中心に、ギターのSteve Mason、ベースのKevin Miles、ドラムのMatt Jamesという布陣で活動を開始しました。

NMEのジャーナリストKeith CameronとRoy Wilkinsonが、彼らのためにCostermongerレーベルを設立したというエピソードが示すように、デビュー前から音楽メディアの強い期待を集めた存在です。

1995年3月にリリースされたデビューアルバム「Olympian」は、全英アルバムチャート8位を記録し、シルバーディスクを獲得しました。プロデュースはPhil Vinall、エンジニアはPete Hofmannが担当。ストリングス・アレンジにはPete Thomasが起用され、随所に弦楽器の響きが加わっています。

ジャケットにはイングマール・ベルイマン監督の映画「第七の封印」のスチルが使用されており、The Smithsのスリーブを想起させるモノクロームの美学が貫かれています。

当時からThe Smithsとの比較が絶えないバンドでしたが、その音楽性には明確な違いがあります。Morisseyを彷彿とさせるRossiterのドラマティックな歌唱と、Masonが奏でる繊細なギターのアルペジオにSmithsの影響を感じる一方、Geneの根底にはより骨太で情熱的なロックのダイナミズムがあります。表題曲「Olympian」で聴ける、どこまでも駆け上がっていくような高揚感はその真骨頂であり、「Haunted by You」では切なさと力強さが同居した独自のサウンドを聴かせます。

私は、まさにこの時代にリアルタイムで洋楽を聴き始めた世代であり、Geneの存在はブリットポップの風景の一部として記憶に残っています。

当時は熱心なファンというわけではなく、来日公演に足を運ぶこともありませんでした。しかし、気がつけば全てのアルバムを手元に揃えており、発売から四半世紀以上が経った今でも、時折レコード棚から引っ張り出しては針を落としています。理屈抜きに惹かれる、そういう一枚です。

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