[Costermonger GENE1LP] ジーン (Gene) - オリンピアン (Olympian)

私がリアルタイムで洋楽を熱心に聴き始めたのは、マンチェスター・ムーブメントやシューゲイザーが終わりを告げ、ブリットポップという新たな熱狂が英国から生まれつつあった頃です。

OasisやBlurといったバンドがシーンを席巻する中、少し異なる光を放っていたのが、ジーン (Gene)です。彼らのデビューアルバム「オリンピアン (Olympian)」は、そんな時代の中で生まれた、今なお色褪せない魅力を持つ一枚です。

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Gene - Olympian

Costermonger - ‎GENE1LP

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1993年にロンドンで結成されたGeneは、ボーカルのマーティン・ロッシター (Martin Rossiter) を中心とした4人組のロックバンドです。ブリットポップという大きなムーブメントの中にありながら、彼らの立ち位置は少し独特だったように思います。当時、その音楽性からザ・スミス (The Smiths) を引き合いに出されることが多かったですが、個人的にはどこか違う印象を持っていました。

確かに、モリッシー (Morrissey) を彷彿とさせるロッシターのドラマティックな歌唱と、スティーヴ・メイソン (Steve Mason) が奏でる繊細で美しいギターのアルペジオは、スミスを想起させる部分もあります。しかし、Geneの音楽の根底には、より骨太で情熱的なロックのダイナミズムがあります。

1995年にリリースされた本作「Olympian」は、彼らの記念すべきデビューアルバムであり、その音楽性が明確に示された作品です。アルバム全体を貫くのは、壮大で叙情的なメロディと、人生の光と影を描き出す文学的な歌詞の世界観。シングルカットもされた表題曲「Olympian」で聴ける、どこまでも駆け上がっていくような高揚感は、まさに彼らの真骨頂です。また、「Haunted by You」のような楽曲では、切なさと力強さが同居した、唯一無二のサウンドを聴かせてくれます。

当時、私は彼らの熱心なファンというわけではなく、来日公演に足を運ぶこともありませんでした。しかし、結局は全てのアルバムを揃え、発売から四半世紀以上が経過した今でも、時折レコード棚から引っ張り出しては針を落としています。きっと、理屈抜きで好きなんでしょうね。

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