スイスのレーベル、Classic Pickからのリリース。他の国では同内容はリリースされていないと思います。
このLPがリリースされたのは1975年ですが、収録された音源の大部分は、1963年2月15日に、北ドイツ放送 (NDR) のハンブルク・フンクハウスで録音されました。
さらに、エルネスト・ブロッホの「ニーグン」に至っては、1959年11月2日に、ピアニストの名手マグダ・ルシー (Magda Rusy) との共演で同じ場所で収録されました(LPのクレジットはバルトに統一されていますが、これは放送アーカイブに残る真実です)。
Edith Peinemann & Helmuth Barth - Josef Suk, Bela Bartok & Ernest Bloch
Classic Pick - 70-108

1956年のミュンヘン国際音楽コンクール優勝で世に出たパイネマンは、指揮者のジョージ・セル (George Szell) に見出され、世界最高のオーケストラと共演を重ねた実力者でした。
年間100回ものコンサートをこなすほどの国際的なキャリアを誇ったにもかかわらず 、彼女が残した商業スタジオ録音はごくわずかです。コンサートホールでの名声と、レコードカタログにおける存在感の著しいギャップが、彼女の神秘性を高め、レコードコレクターの渇望を煽る結果となりました。
そして、その受け皿となったのが、本作のような放送局のアーカイブ音源を元にしたレコードです。
だからこそ、この放送録音は彼女の真価を知る上で欠かせない1枚です。1960年代初頭のドイツ放送局の録音技術は高い水準にあり、本作のサウンドもど鮮明です。
ヨゼフ・スーク: 4つの小品、バルトーク: ルーマニア民族舞曲、狂詩曲1番、エルネスト・ブロッホ: 即興が収録されています。
スークとバルトークのVnソナタは多くの作品を聴いていませんが、ブラームス同様、素晴らしい内容です。
持っているレコードでは、DGの作品よりも好みです。
白眉は、ブロッホでしょう。パイネマンは壮大なスケールで歌い上げます。
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