本作は、1990年代に遠くギリシャの地で、英国のインディー・ポップに共鳴するかのようなサウンドを鳴らしていたバンド、ワン・ナイト・スーザン (One Night Suzan)が2019年にリリースしたコンピレーション・アルバムです。彼らはのちにThe Croonerを結成することでも知られています。
One Night Suzan – A 20-Year Hangover
Make Me Happy - MMH 004
JaywalkersのMini LPが再発されるような状況なので、本作のリリースにも大きな驚きはありませんでしたが、その需要がどこにあるのかは未知数です。
ワン・ナイト・スーザンは、1990年代初頭から中盤にかけて活動したギリシャのインディー・ポップ・バンドです。ニューウェーブ、そしてクリエイション (Creation) やサラ・レコード (Sarah Records) が築いたギター・ポップの系譜に強い影響を受けた彼らの音楽は、まさに「ギター・パンク・ポップ」と呼ぶにふさわしいものでした。
本作は、そんな彼らの軌跡を辿るアンソロジーであり、2019年の再結成ギグに合わせてリリースされた記念碑的な作品です。
アルバムを通じて聴こえてくるのは、ノイジーでありながらも切ないメロディーが同居した独自の世界観です。特に収録曲の「Is It True ?」は、彼らの音楽性の核を見事に体現した名曲です。一方で、ファンとしては初期のデモ音源、特に前述のクルーナー (Crooner) の楽曲も収録してほしかったところです。
レーベル名である「Make Me Happy」も、かつてのコンピレーション「Try a Little Sunshine」を彷彿とさせ、この時代のインディー・ミュージックが持っていたDIY精神と純粋な音楽愛を思い出させてくれます。
単なる懐古的な再発盤ではなく、90年代という時代が生んだ一つの美しい音楽の形を、現代に伝える貴重なレコードです。
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