サン=サーンスの交響曲第3番、通称「オルガン」。
オーディオのデモンストレーションにも頻繁に使われる作品のひとつです。数ある録音の中でも、演奏の質と録音の素晴らしさの両面で筆頭に挙げられる一枚を紹介します。
Louis Frémaux - Saint-Saëns: Symphony No. 3 "Organ"
EMI - TWO 404

この録音は1973年、英国バーミンガム大学グレート・ホールにて収録されました。
指揮はフランス音楽のスペシャリストとして知られるLouis Frémaux、管弦楽は彼が音楽監督を務めていたCity of Birmingham Symphony Orchestra(CBSO)、オルガンはChristopher Robinsonが担当しています。バランス・エンジニアを務めたのは、Abbey Road出身の名エンジニアStuart Elthamでした。
フレモーがCBSOを率いた1969年から1978年にかけては、オーケストラにとっての黄金期にあたります。
彼はこの楽団を英国有数のアンサンブルへと引き上げ、後任のSimon Rattleが「世界最高のフランス管弦楽団」と評したほどでした。本盤はEMIが1965年にDeccaの「Phase 4 Stereo」に対抗して立ち上げた高音質レーベル「Studio 2 Stereo」シリーズの一枚として制作されています。
サウンドの最大の特徴は、深く明瞭なオルガンの低域にあります。他の著名な録音と比較しても、低域の音階がしっかりと分離して収録されている点が際立ちます。アナログ時代の同曲録音としては、RCA Living Stereoのミュンシュ&ボストン響(LSC 2341)の評価が高いですが、やや野暮ったく聞こえる面があります。オーディオデモでよく使われるテラークのオーマンディ&フィラデルフィア管(DG 10051)と比べても、本盤のクライマックスにおけるエネルギーの凝縮感はこの作品の頂点にふさわしいものです。音圧よりも低域の分解能が傑出しており、本盤を聴いた後にミュンシュ盤を聴くと音が団子状態に感じられます。
そのほか、マーキュリーのパレー&デトロイト響(SR 90012)、EMIのプレートル&パリ管(ASD 585)も同曲の名盤として知られますが、Deccaのアンセルメ盤(SXL 6027)はそれらと比べるとやや不利に感じられます。競合盤と比較しても入手性が高く、同曲の最初の一枚としておすすめできる録音です。
Roon
SACD
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