Dorota Miskiewicz – Piano.pl

ドロタ・ミシュキェヴィチ(Dorota Miśkiewicz、1973年9月12日、ポーランド南部クウォツコ生まれ)は、歌手、ヴァイオリニスト、作曲家、作詞家として、ポーランド音楽界ではそれなりに有名な人らしいです。

ジャズ・サックス奏者であり作曲家でもある父ヘンリク・ミシュキェヴィチ、ECMレーベルで録音を行うジャズ・パーカッショニストである弟ミハウ・ミシュキェヴィチ(Marcin Wasilewski Trioのメンバー)という、音楽一家の環境で育ちました。

彼女はワルシャワのフレデリック・ショパン音楽アカデミー(現音楽大学)でヴァイオリンを学び、1997年に卒業しました。しかし、彼女はやがて自身の声帯こそが主要な芸術的表現手段であると認識するようになります。

在学中の1994年には、ポーランドジャズ界のレジェンド、ヴウォジミエシュ・ナホルニーのセクステットにヴォーカリスト兼ヴァイオリニストとして参加し、グループと共に4枚のアルバムを録音。クラシック音楽の厳格な訓練で培われた技術的な基盤は、彼女のヴォーカル表現や後のアレンジメントワークにも深く活かされています。

ソロになってからは、ジャズに根差しながらも、ポップ、ボサノヴァ、サンバといったラテンリズム、アフリカ音楽(セザリア・エヴォラとの共演)、ブラジル音楽(ブラジル人ドラマーGuelloとの「Caminho」)、さらにはフリージャズやクラシック、現代音楽の領域にまで広がっています。

初めて彼女の作品に触れたのは、2008年にリリースされたCaminhoというアルバムでした。1曲目のNucę, Gwiżdżę Sobieを聴いて、一発で大好きになりました。

サブスクで聴けるのに、わざわざCDも買いました。
気分的に、96k以上のハイレゾでサブスク配信している場合はCDでは買いませんが、48kHz/24bit以下の場合はCDを買います。

今日紹介する作品は、彼女の名義では唯一のレコードです。
先に紹介したCaminhoの次によく聴いている作品。

Dorota Miskiewicz – Piano.pl

Universal Music Polska – 572 068 5

Dorota Miśkiewicz – Piano.pl

「Piano.pl」は、2016年にワルシャワのローマ音楽劇場で開催されたユニークなコンサートです。

ピアノはポーランドの「特産品」であり、多くの優れた音楽家の中でも特にピアニストが国内シーンを牽引してきました。このプロジェクトは、単に優れたピアニストを集めるだけでなく、ポーランド音楽の豊かな伝統、特にショパンとコメダという二人の巨匠によって築かれた系譜を意識しています。

ショパンは偉大な作曲家・ピアニストであると同時に優れた即興演奏家でもあり、コメダはポーランドジャズの道を切り開いた存在です。

この壮大な構想は、彼女自身の音楽キャリアにおけるピアニストとの長年にわたる深い関わりから生まれました。

コンサートとレコーディング

「Piano.pl」プロジェクトの集大成となるコンサートは、2016年5月16日、ワルシャワのローマ音楽劇場(Teatr Muzyczny Roma)で開催されました。この特別な一夜は、、後にアルバムとしてリリースされることになります 。

アルバム「Piano.pl」は、コンサートから約半年後の2016年10月28日にUniversal Music PolskaレーベルからLP、CD、DVDにてリリースされました。

「Piano.pl」プロジェクトには、現代ポーランドジャズシーンを代表するピアニストたちが世代を超えて集結しました。

豪華なピアニスト陣に加え、ポーランドを代表する弦楽四重奏団、Atom String Quartetも参加。

さらに、特別ゲストとしてドロタの父であるヘンリク・ミシュキェヴィチ (Henryk Miśkiewicz) がサックスで参加し、親子共演も実現しました 。

本作はポーランドで最も権威にある音楽賞、フリデリクでジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー」に、彼女自身も「ジャズ・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされました。

録音も優秀で、その音楽性の幅と同様とても楽しめる作品です。

英語圏のレコード屋でLPが見つからなくてなかなか苦労した記憶があります。CD、DVD、LPをボックスにしたセットの方が入手がしやすいです。CD持ってたのに、ダブりで買いました…。

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