これの続きです。
EMIの歴史を紹介する中で、国別のクオリティー差はあるのか?
というお題で終わっていましたので、実際に比べてみます。
英Columbiaと仏Patheでの音質比較
EMI関連は、基本は英国のレコードで評価するべきだと思いますが、例えばアーティスト、作曲家、録音場所がフランスで行われていれば、仏のほうがオリジナルでは??という考えは当然あると思います。
ただし、前にも書きましたが、フランス録音でも、英国から録音技師が向かい、マスターを英国に持ち帰るケースも多くあるそうです。この辺は今となっては調べようが無いですが…。
ここで、このレーベルでは最も思い入れのあるレコードを1枚取り上げます。
Samson Francois - Ravel: Concerto in G Major, Concerto For The Left Hand
クラシックに興味を持つキッカケの1つが、このサンソン・フランソワのラヴェルです。
最初にCDを買って、レコードを買いました。
当初は英Columbiaの再発しか持っていませんでした。
その後、仏Patheのセミサークル相当CVB836を入手し、その音が悪くなかったので初版も入手しました。
フランス人のラヴェルをフランス人ピアニスト、オケもパリ管弦楽団という内容です。
英盤はSAX2394、仏盤はSAXF136でいわゆる棒付きジャけです。
2つある協奏曲の内、左手の序盤で交互に何度か聴き比べてみました。
今までの経験上、パテ盤はキリッとしていて、どちらかと言えば腰高なイメージを持っていました。
実際、セミサークルに当たるCVB836はそのような印象を受けます。
SAXF136を聴くと、CVBに比べると濃い音に変わります。線は細いですが、切れ味はCVBの方がありますね。
SAX2394との比較だと、初版同士で比べると思ったほどの大きな差はありません。
強いて言えば、やはり英盤のほうが重心が低いでしょうか。
盤の材質の問題なのか、英コロムビアの初期盤は、見た目がきれいでもノイジーなレコードが多くあります。
仏盤のほうがノイズが少ないことが多いです。
良質な英初版をコレクションできる経済力がある人は、それが間違いないと思いますが、パフォーマンスでいうと、仏2版以降も悪くはないと思います。
今回は比較したレコードがラヴェルとフランソワにパリ管でしたので、一般的な作品だともっと英盤有利だと思われます。
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